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人が変化を拒む理由は「意識下」にある 自己変革の心理学

vol.0009
■下記の論文から
『人が変化を拒む理由は「意識下」にある 自己変革の心理学』by ロバート・キーガン ,ライザ・ラスコウ・レイヒー ハーバードビジネスレビュー 4月2002

▶︎step-1
①現在の仕事に満足していますか。また、仕事の効率を上げたり、もっと満足度の高い仕事にするために、職場で変えたいこと、変わって欲しいことは何ですか。
人間は自分が大切に思うことにつ底のみ不満を言うものであり、不満が強いほどそのテーマを重要視していることになる。

②そう言う不満を抱くと言うことは、言い換えると何を要望しているのですか。

③自分の行動の中で、目標の実現を妨げているものに心当たりはありませんか。
他にも問題の原因はあったかもしれないが、自分で周囲に影響を及ぼす行動をしていたことは間違いない。

④自分に不利な行動を改めるとして、心配な点や、漠然とした不安感はありますか。
最後の質問は、この受動的な不安感を好ましからぬ結果とならないように能動的なコミットメントとして捉え直すことである。

⑤あなたが自分に不利な行動をとってまで防ぎたい結果とは、どのような結果なのでしょうか。
彼は部下を叱りつけることで悪いニュースを持ってこないように仕向け、自分がプロジェクトをコントロールしきれないのではないかという不安に対して自己防衛していたのである。
裏コミットメントをその人の弱点と見てはいけない。それは自己防衛の一種であり、人間としては全く自然かつ合理的な心の動きである。
肝心なのは、もし裏コミットメントが一種の自己防衛であるのなら、一体何から身を守ろうとしているのかである。答えは、いわゆる(大いなる思い込みーーー自分自身や周囲の世界に関する子の深く、根拠のない考えーーー)にある。
思い込みは、世界に1つの秩序を与えるが、同時にこうなれば秩序が崩壊すると言う方向付けもしてしまう。

▶︎step-2 思い込みを自問自答する
人は、自分の思い込みにはなかなか気づかない。思い込みを現実そのものとして認識しているからだ。
しかし、外からちょっとした手助けをしてやれば、割りに簡単に思い込みが判明する。
思い込みとは、自問自答することなく受け入れたものであり、それによって心の免疫機構が安定し、維持されている。こうなると裏コミットメントだけが本人の世界を意味づけるものとなるため、無意識にその方向に向かう行動を取り、表向きのコミットメントにブレーキをかけてしまう。

▶︎step-3 思い込みを克服する
まずやるべきことは行動でなく、観察である。
1、思い込んだままの行動を観察し、記録する
この段階ではわざと今までの思考や行動を変えず、思い込みに基づく自分の行動にただ注目し、観察するように指示する。すると、思い込みがどのような時、どのように生活に影響を与えるか、把握することができる。

2、思い込みの反証を探す
思い込みは現実だと思われており、みるべき対象に勝手なバイアスを与えるため、本人はむいしきにある種のデータばかり注目し、例外のデータを無視するようになる。

3、思い込みの期限をたどる
自分の思い込みの「生い立ち」を綴ってもらう。自分の思い込みはいつどのようにしてできたのか。何年くらい続いているのか。転機となったのはどういう事件だったのか・・・。
思い込みが染み付いてしまっている状態が理解できると、呪縛が解け、今の自分にも本当に当てはまるかどうかを考え直すようになる。

4、思い込みに対して実地試験する
この段階では、思い込みに対しての何らかの実地試験を自分で考案し、実行してもらう。本人に行動を変えるように促すのはこの段階からである。実地試験の状況は本人が考えるが、注意点は必ず一人は相談役となるパートナーを見つけておくこと。

5、試験結果を評価する
結果を評価し、また新しい試験を考え、実行し、最終的には思い込みを問い直してもらう。注意したい点は「思い込みを洗い流す」ことは、必ずしも「間違いを暴く」ことではない。

マネジャー自身にも思い込みは存在する
人の行動にある複雑性を理解し、生産的なプロセスによって導いて、裏コミットメントを洗い出し、本来の目標を妨げている心の無意識的な葛藤に対処する自助努力をサポートする取り組みなのである。

今日の私の面白Point:私の仕事と同じ考え方!
『なぜ人と組織は変われないのか』も読み進めているが、本当に衝撃だった。強い思い込み(弊社ではセルフのBと呼ぶ)と裏コミットメント(弊社ではその行動をするメリットと言う)が現実に強い影響を与えていることがこんなにも研究されていたとは…。しっかり勉強させていただきたい。


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