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血を降らせ蒼き狼駆け抜ける 屍の先 明日はあるかや

 遅ればせながら『VIVANT』最終回まで見た感想です。

 まずは……
祝🎉🎉🎉 『VIVANT』続編決定‼
 でも、25年7月って、随分と先……Ba生きてっかなぁ。

 ネットでは、『VIVANT』第11話は……なんて幻を語っている人がいるとかいないとか。気持ちはわかる。もうすでに続編に心が飛んでるからね。
 
 さて、感想。実は、最終話を見た後に興奮状態そのままに感想をベタ打ちに綴ったのだが、興奮度が高すぎて長いだけ長くて、いつも以上にわけわからん代物だった。さすがにアップするのは控え、少し脳みその熱を冷ましてた。
 少しは脳興奮が醒めてきたので、以下、感想を列挙(……でも、やっぱりすごい長げぇ)

1.謎がほとんど解けないまま、謎が増えた。
2.モニターはやはり新庄だった。
3.裏切り者は、王道のゴビだった。
4.バルカ共和国の見事な人治国家っぷり!
5.テント三大幹部、生存決定――と誰もが思うだろ、アレ。
6.橋爪功さん、年取ったなぁ……。
7.野崎さんって、案外強運だよな。
8.えっ? チンギスとドラム、出番こんだけ?
9.ジャミーン、不思議と拾う神(人)的に救ってくれる人が現れる。
  隠れた真のヒロインだから?
10. 赤い服、赤い餅……「赤」がキーカラーか? 続編、乞うご期待。
11.ジャミーンの白くまと子供優助の茶熊の匂わせはどうなった?
12.乃木が黒須に懐刀を渡してバルカに残留させたのは、
  黒須にベキ実子の乃木の影武者になれと?
13.青臭せぇノコルのところにすっぺぇ(未熟っぽい)黒須が置いて行かれ  たのは、続編で彼らがドジを踏み、ドラマが回るのか?
14.乃木親子の半端ない日本愛のセリフに、異様な感じすらする。
  続編への何某かの伏線か?

(以下どうでもいい詳細)
 モニターが新庄ってのは、ちょっと匂わせはあったから、さほど以外ではない。野崎さんの奥出雲行きのときとか、新庄がモニターと判明したときの野崎さんの驚き方が以外とあっさりしていたし、野崎さんはちくっと疑っていたよね。(2)

 法律があるのか疑わしいぐらいのバルカ共和国の人治国家っぷりであるが、国家権力ピラミッドの最天頂除き、下層部分をテントががっつり押えていたとは……! 特に軍事関係。ご時世的にロシアの某軍事企業を思い出した人たくさんいたよね、きっと。ついで、ベキのホワイト部分のモデルってアフガニスタンで凶弾に斃れた方だよね?
 まあ、それにしても国家として、とほほ……なくらい脆弱なバルカよ。だからドラマチックなストーリーが生み出せるんだけんとも……。(4)

 野崎さんは、ドラマ初期の運頼みの大逃走劇といい、無茶振りして結果オーライになっちゃうところといい、何か持ってる? デフォルトで野生の勘ピューターを搭載しているようにすら思える。それとも、えらく運が良いだけ?
 ちなみに『VIVANT』の推しキャラは、チンギスとドラムだけれど、ドラマの中のキャラの誰かになるとしたら、野崎っちがいいなぁ。オレ、ウンガネェカラサ……。野崎っちの強運と野生の勘ピューターと語学力と体力と、あと……調理能力(笑)。料理、下手なんだもん、あたい。(7)

 ところで、続編にもチンギス出るかな。ドラムは絶対、出るだろうけれど、チンギスは微妙かなって思っている。チンギスが出なかったら見ないかもしれない。チンギスのいない『VIVANT』なんて、クリープを入れないコーヒーだよ(昭和古人にしかわからない例え)。
 それにしても、チンギスは孤児だったのか。第3話だったっけ? ジャミーンを押えるために病院に向かったチンギスだけれど、きっとジャミーンを邪険に扱うつもりは端からなかったと思う。孤児になった重い病気の子供をむしろ保護しなければと思っていたのじゃないかな。まあ、そのついでにテロリスト(とそのときは確信していた)乃木や薫先生らを捕獲しようとも思ってただろうけど。そこは職業意識ってやつだね。真面目だからチンギス。(チンギスに夢見すぎか……)(8)

 ジャミーンって、両親は亡くなってしまって孤児になってしまったけれど、人に助けられる運を持っているような子だなと思った。薫先生や乃木、野崎、ドラムはもとより、薫先生の同僚イリアだって、テロリストと疑われて追われている薫先生と、彼女に繋がるジャミーンを助けて匿ってくれた。考えてみると、イリアって、すごく勇気がある。何気に凄い。続編に出てくるかな? (9)

 さて、「赤」の話。「赤」とくれば、連想されるのは、この記事の五七調タイトルにもある「血」。ここでようやくタイトルに繋がりました。
 全編をとおしてこのドラマは、「赤」という色が印象に残った。特に最終回。西岡大使の赤い服――この人、よく赤色を着るんだよね――ドラマのラストに乃木が赤い鳥居を乃木がぐって、赤い本殿に辿り着くと、そこには薫先生に手を引かれた赤い服のジャミーンが。そして、小さな祠の前に赤い餅。(10)

 西岡大使の最後の赤い服は、「覚悟」の表れだったのかな。たぶん巻き込まれただけの一般人だろう自国民をテロリストとして他国に引き渡そうとした人物である。つまりある種の人身御供だ。庶民からすると、たまったもんじゃないが、手どころか全身を見えない血で染める覚悟は最初からあった人だ。決して善人ではないし、赤いだけじゃなくて、腹黒(笑)だけれども。この西岡大使って「世の中は決してきれい事だけで成り立ってるわけじゃない。黒さや赤さが見えないところにあって成り立つ」ということを体現しているような人物だなと思ってしまった。

 ジャミーンが「優しい人。おとうさんみたい」というベギの手は血で染まっている。そして、父親代わりになるであろう乃木の手も血で染まっている。ノコルの手は「物理的には」血で染まっていない。だが、間接的には血で染まっている。彼の手を血で汚さぬよう、別の誰かが汚しているからだ。そう思うと、「手を汚さない」者としてのノコルの白い服も――乃木がラストシーンに来ていたのも、ノコルと同じ白い服だった――ただ単に「汚れていない象徴」というだけではなく、赤との対比として意味ありげに思える。
 考えてみれば、山本がやった「誤送金案件」も、黒須がやっていて、乃木がそれをちゃっかり利用した株式操作での巨額資金調達も、決して血が流れていないわけではない。直接的に血を流していなくても、それによって人生どん底に突き落とされた人物もいただろうし、甚だしくは、首を吊った人物もあるかもしれない。乃木だって、「誤送金案件」で「首」が危なかったわけだし。「見えていない」だけで、ある種の血は流れている。

 赤いご飯「赤飯」は、最終回には出てこなかったけれど、赤い餅がその代わりとも思える。共に餅米が主材料だから。

 バルカ共和国のモデルであろう中世に「蒼い」狼が礎を築いたモンゴル国は、かつてモンゴル人民共和国という「赤い国」であった――ここで、この記事のタイトルの出所とようやく繋がる(我ながら説明下手過ぎる……)。
 バルカは、モンゴル系、中国系、ロシア系、イスラム系の4つの勢力がしのぎを削っている。モンゴルもロシアもかつて「赤い国」であった。イスラム教徒が多数を占める中央アジアの国々にもかつて旧ソ連の構成国であり「赤い国」であった。中国は、建前としてまだ「赤い国」である。

 というわけで、続編で「」がどういう使われ方をするのか、今から興味津々である。

 余談であるが、ジャミーンがずっと乃木と薫先生と暮すのなら、何年か後に乃木がジャミーンのために「お赤飯」を炊く日が来るのかなぁ。親子、血、命……そういうものが根底に流れるドラマなら、どこまで続編が続くかわからないけれど、そういうシーンがドラマのラストシーンであったとしても不思議はない……なんて思っている。

 さてはて。ドラマ『VIVANT』は、珍しく大興奮で夢中になったドラマであった。ほんと、滅多にそんなことないのよ。ないのよ(ドラムの声で)。
 ファンイベントにも申し込んだ。見事に外れたけれど。イベントに行こうとするなんて面倒くさがりの自分、滅多に無いどころか人生初めてだよ。生チンギスが出るというんで、勇んだよ。生チンギスに釣られたわけだよ。
 ま、そういうわけで、なんやかやと続編も概ね期待している。

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