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エッセイ:ハムスターの死を乗り越えられない……。

 僕の部屋は6畳ワンルームで本当に狭いのですが、以前はゴールデンハムスターを飼っていたのです。3年は生きていたし、まあまあ長生きした部類だと思う。

 アニメの「とっとこハム太郎」で飼い始めた人も多いだろうけど、基本的にハムスターは人に懐かないのですが。僕の子は手を差し出すとよじ登ってくるくらいには懐いていた。まあ、パブロフの犬みたいに、餌やり係くらいの認識だった可能性もありますが。

 亡くなった日の朝はすぐに受け入れられなくて、一日だけ待っていた。冬眠してるかもしれない……と考えてたから。
 遺体の始末も酷いもので、お金も場所も無いからお墓とかも作れなくて、そのままゴミ袋に入れて捨てることになった。今でもこんな狭い部屋に住まわせた支援者を恨んでいる。

 ハムスターが亡くなった今でも、ケースと道具類は未練がましく残しており。捨てるに捨てられなかった。でも、引っ越しを考えていたから処分することにした。糞尿で駄目になってて再利用は難しいだろうし。臭いもそれなりに残っていたから。

 せめて、ケースを温めるための2700円くらいのヒーターは残しておこうかと思ったけど。故障している可能性もあるので破棄することにした。ハムスターは寒さに弱くてあっさりと死ぬ。他人に貸すのも良くない……と思ってた。

 アパートの玄関前でケースを蹴り割っていたのですが、半袖半ズボンでそれを行う僕のことを通行人達が不気味そうに眺めていた。

 淡々と処分していたけど、ハムスターが水を飲むための皿があり、それを見た瞬間泣き出していました……。


 可愛らしいイラストが描いてあるのですが、僕の飼っていたハムスターと同じくゴールデンだったのです。その水皿だけは、どうしても捨てられなかった。

 数年前に亡くなっていたし、部屋の中にあるケースとかも、ぶっちゃけ「邪魔な物体」程度に考えていたけど。悲しくて仕方がない……。僕にこんなに人間的な部分があったことがまず驚きだった。

 ケースを全部捨てる頃には頭がヒートアップしてしまいました。もう、何も考えられない状態。ペットロスが怖いから2匹目を飼うことは無いと思う。もうこんな思いはしたくないかも……。

 ただ、興味本位でヘラクレスオオカブトとかは飼って見たい気がする。こんなのが部屋にいたらカッコ良すぎるだろ。

 虫なら死んでもあんまり悲しくならないだろうし。それとも、自分が飼ったヘラクレスオオカブトが死んでしまったら、案外泣くのかもしれない。

 会社の上司とかは「ヘラクレスオオカブトが死んだくらいで落ち込みやがって」的な説教をするのだろうか? 考えてみるとちょっとだけ笑えてくる。ヘラクレスオオカブトが死んだことで悲しむ部下を叱る上司とか見てみたい気もする。

 死んだハムスターを記事にするのもどうかと思ったけど、ここに吐き出すことでしか感情的には救われない気がした。
 僕が死んであの世に行った時はもう一回だけ会いたいな、と思ってる。

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