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犯罪者が書いた最低最悪の小説「小学生の教え子を性奴隷にすることにした」を読んでみた

性犯罪の書いた小説が「小説家になろう」に載せられているというのがネットで話題になっていた。

https://novel18.syosetu.com/n2493hc/

事件の深刻さに対して「怪盗キッド」という名前がシュール過ぎる……。

僕は普通に勉強苦手なので、塾の先生というのは絶対になれないのだが。物語を通して授業風景の様子や最近のセキュリティ事情が分かるのは、普通に読み物として面白いと思った。

教師という立場を利用する犯罪者ということで、貴志裕介の「悪の教典」を連想してしまう。
生徒だけでなく、周りの教師や、保護者との人間関係が流動的に展開されていくのも近い読後感がある。

どちらの主人公も教え子に性的な欲望を抱いており、未熟な身体を貪るために、教師としての知恵やテクニックを使い籠絡させていく共通点があるのだ。

さすがに「悪の教典」は想像力で描かれたものだろうけど、「小学生の教え子を性奴隷にすることにした」は性犯罪が抱えていた願望という点が異なってくる。

残念ながらリアリティが感じられるのは序盤だけで、物語が進むにつれて空想で描いたであろう部分が目立ってくる。実録犯罪を期待していた僕は肩透かしを食らったというのが正直な感想だった。

ただ、加害者本人が執筆しているというのはかなり珍しいんじゃないかと思う。幼児性愛者とネットの相互関係が分かる資料として貴重なものだと思った。

現実の事件が元になった作品は世の中に溢れてはいるけど、あくまでも作家という第三者視点で作られた物でしかない。

神戸連続児童殺傷事件の元少年A作「絶歌」も近いところがあるとは思うのだけど、出版社側の意向なのか肝心の場面はかなりボカされて書かれており。こうなってしまうとやっぱり物足りない。

noteや個人ブログを見ていると、ガチの犯罪履歴を書き込んでいる人がいて、「うわぁ、すごいなぁ」と感動することがある。善悪やモラルを飛び越えてしまうような狂気的な瞬間がある。出版社や社会のルールの制約が無いからこそ、狂人の頭の中を覗き込むようなことが出来る。「本物」だからこその歪み具合を思う存分楽しめる。

僕がインターネットを辞められない理由が、こういうカオスでディープな情報に触れられるからなんだろうなと改めて実感した。

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