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食生活を見直してみた 4

断食説明会では、割と冒頭のほうで、いきなり調理実習が始まり、男性講師が調理を始めた。
材料は、大根、にんじん、玉ねぎ、椎茸が基本。この日はそこに、ゲストでキャベツも加えるそうだ。

スタッフは、野菜を手に持って上にしたり下にしたり、妙な動きをしている。なにやら、どちらを上にしたらよいか、感覚を確かめているのだそうだ。私に言わせれば、そんな感覚、わかるはずがない。
鍋に入れる順番が決まったら、野菜を切っていく。要するに細かく切ればいいのだが、そのときに講師は、また妙なことを言い出した。野菜の内側から切っていったほうがいいと言うのである。
普通野菜を切るときは、例えば玉ねぎを切るなら、縦半分に割ったあと、切り口を下にして切る。しかし彼は、切り口を上にして切り始めた。それがこの調理方法の流儀なのだそうだ(深澤先生と言っていたと思うが、このレシピは彼のオリジナルではなく、誰かから伝授されたものであるらしい)。
野菜を切ったら、厚めの寸胴鍋に、まずしいたけを入れる。そのあと鍋に塩を振る(塩としいたけが逆だったかもしれないが、よく覚えていない)。そのあと、彼が野菜に触れて決めた順番で、鍋に切った材料を投入していく。
最後にまた塩をいくばくか振りかけ、ほんの少量の水を加えて蓋をすると、あとはひたすら蒸し煮にする。火力は会場の都合上、確かカセットコンロだったので、煮るのに時間がかかる。それで最初が調理実習だったのだ、とあとでわかる。
まあ野菜を切って鍋に塩と一緒に投入するだけなので(重ね煮、と言うらしい)、簡単な料理なのだが、それでも今の夫には作れないと思う。一緒に説明会に参加してよかった、と私は思う。作り方だけ要領を得ない夫にあとで説明されても埒があかない。

煮物を煮ている間に、まず参加者が自己紹介というか、断食参加の動機についてそれぞれ紹介し、そのあと断食のやり方について、いろいろ説明を受ける。なにせ野菜が煮えるまで、時間はたっぷりあるのだ。
夫以外の今回の参加者は全員女性だ。太めの人も中にはいるが、ほとんどの人は別に普通の体型で、中には細めの人さえいる。お通じに問題を抱えている人や、間食がやめられないという悩みを抱えている人もいるようだ。断食講座のリピーターも1人いた。以前やってとてもよかったが、それから15年くらい経過して、また食生活を見直したくなり、参加を決めたということだった。

断食のやり方について、ものすごくざっくりまとめると、まずこの日の晩からさっそく、食事を少なめにして、よく噛んで食べるのだという。そして翌日曜日は、普段の食事量の4分の3程度に減らす。
月曜日からは、今日習った重ね煮を自分で拵えて、おかゆと一緒に3食そればかりを食べる。おなかがすいたら配られた酵素ドリンクを飲み、塩を舐める。また、カフェインの入らない飲み物なら、断食の日を含めて自由に飲んでよいらしい。
そうやって徐々に食事を減らし、水曜日一日だけは断食する。その後は徐々に、ゆっくりと、回復食にしていく、というやり方のようだった。
〈5に続く〉

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