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短編小説 「2回生の彼女」

ドライヤーの音で目が覚めた
テーブルの方を見ると、背を向けた彼女がまるでオリンピック選手かのようにバスタオルを両肩にかけ、髪を乾かしていた。
手鏡越しに目が合うと彼女は、なにかを言ったように見えた。
しかしドライヤーの音で聞こえなかった。
それを察したのかどうかはわからない、もしくはそれが一言目だったかもしれない
彼女はこちらに振り返り「ごめん、起こした?」と呟いた。
「さっきはなんと言ったのか」そう聞きたかったが、それだけでは何回か会話のラリーが必要だと気づき「いや、そんなことないよ」と、僕の中では気の利かない挨拶をした。

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