組織の成長のジレンマと役目の移り変わり

まず最初に断っておくと、この記事に書いてあることは、事実でもなんでもなく「私の目からそう見える」という話。それを、実際は複雑に絡み合っているものを、結構大胆に分離して書いている。

スタートアップ企業とは、多くの場合、創設者の熱い想いによって実現されると思われる。

大きい会社においても、社内起業や、新規事業開発でも、これは同じことかもしれない。

これらのビジネスを拡大していくときに、徐々に直面していくジレンマがある。これのジレンマへの直面は、おそらく抗うことのできない、世の理。

そのジレンマとは、

① 今より多くのお客さんに届けたい。

② 組織を拡大する、つまり人(従業員)を増やす。

③ お客さんに提供する価値が、担当者の力量に依存しない仕組みが必要になる。

④ 業務のマニュアル化が進む。業務のマニュアル化が進んでくると、その組織の構成員は守破離の「守」を求められるようになっていく。

ここから先が、代謝が活発な組織と、そうでない停滞した組織で分かれていく。

【代謝が活発な組織の場合】

⑤A そのマニュアルと考え方、哲学的なところが合わない従業員が出てくる。その組織に参加した構成員は、最初は「守」をすることを目的にその組織に入ってくるので、問題ない。
一定期間経験を積み、それら構成員が「破」や「離」のフェーズに入ろうとしてくると、そのマニュアルと考え方・哲学的なところが合わない従業員が出てくる。(一部、「破」「離」をその組織でやりたい人は残る)

⑥A 構成員が、「破」「離」のフェーズをを自組織以外のところで実現しようと動き始める。

⑦A 構成員が卒業していき、新しい人が必要になる。結局「守」のフェーズに居る人が残る。が、「守」を目的にしている人なので、組織としては活発。

【代謝のない停滞した組織の場合】

⑤B 「そのマニュアル通り」というところに窮屈感を感じるなど、不満を感じ始める。

⑥B 構成員のエンゲージメントの低下から、自分だけ良ければいい。の行動になっていく。企業なら、なるべく働かず報酬がもらえればよい。のように。

⑦B 組織としてエネルギーの向かう先が揃わず、停滞する。


「破」「離」のフェーズに進もうとしている人にとっては、「守」を提供してくれたその組織は、すでに役目を終えている。

組織に属する人たちにとっても、自分にとって役割を終えた組織は手放し、その組織にはあたらな役目(新しい構成員に「守」を提供する)を担ってもらった方が、個人にとっても組織にとっても、Win-Winなのかもしれない。

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