十二人の死にたい子どもたち(2冊目)


 この本がブレイクしたのいつだよ!って話ですが、私はつい先日読みました。タイトルだけは映画の広告で見て知っていて…そこから観ることも読むこともなく数年の月日が経っていたわけですが、友人におすすめされて読んでみることにしました。

なーるほどね!

サトシィ!!!!

が私の読了後の感想です。あー、だから落ち着いてんのね、元の性格もあるだろうけどそーゆーことね!とまぁ納得したわけですが(未読の方が読むと誤解を受けそうな感想ですね笑笑)。
サトシがあまりにも会話に参加しないというか、自分から話をしないので違和感はあったんですけどね…あ、サトシは出できた瞬間から私的お気に入りだったので、何かあるとは思ってました(^_^;)

それとは全然別に、毎回マイちゃんが重くなりがちな場の空気をいい意味でも悪い意味でも軽くするので、とても癒されていました。マイちゃんは今回の作品で、私が最も友達に欲しいなぁって思った子です!

ここからネタバレ⚠️

私がこの話で印象に残っているのはセイゴとメイコの比較ですね。2人とも、似たような理由で集いに参加しているわけですが、読んでいるうちにメイコは死なない方がいい(死ぬ理由がない)けど、セイゴは死んだ方が楽なのかもしれない(生きていると危険がある)と思って…似た理由のはずなのに全然違うんです。メイコに関しては死んだら無駄になる可能性も無きにしも非ずなので、生きて!!!ってなってしまうのですが、死ななきゃってなる人もいるんだなぁって思うと…そもそもセイゴって特に保険金のこと以外は死ぬ理由が無いから、一番救いがないかもって思ってしまいました。他の子たちは乗り越えられる何か(不治の病の子もいるから一概には言えないけど)が理由ですけど、セイゴだけはどうしようも無いですよね…結局彼は生きることを選んだわけですが…結局その後どうしたのか、とても気になります。

 あとは、アンリの思想が気になります。私は全くその思考は賛成出来ないのですが、そう思ってしまう程の事情があるんだということは理解出来てしまったので…かと言って、子どもが生まれて来なければいいということは無いと思うんですね。彼女は完全に生まれてきたことを間違ったことだと認識していますが、生きて何かをするということは普通であれば当たり前の権利ですから。虐待や遺伝性の性病、貧しいが故の売春など、世界には子どもが生まれてきたことを後悔することもたくさんあることは分かります。でも、それが全てではないんですよね…生まれてきたことを後悔するようなことが無くなれば、子どもたちは生まれて良かったって思うわけです。アンリのしたいことは、生まれてきたことを喜ぶ子どもさえも潰そうとしてると思います。根本の原因を無くそうとするのではなく、影響を被る対象を無くそうとしているわけです。それは、私としては全く賛成できないので…例えとしてパッと思い浮かんだのは、進撃の巨人のジークの思想とエレンの思想ですね。ジークがアンリ、エレンが私だと思って頂ければ。知らない人はごめんなさい、頑張って全巻読むか、アニメを観るか、ネタバレを食らってください。
とにかく、人類は生存しようと今まで生きてきているわけですから、綺麗事だとしてもこれから産まれてくる子どもにとってもより良い世界を夢見る方が、私は抵抗が少ないです。


最後に

 怖そうな、ホラーのような見た目の本でしたが全くそんなことはありませんでした。むしろ、とても考えさせられて私好みの作品だったと思います。勧めてくれた友人、ありがとう!
人それぞれ考えはあると思います。私は一個人として意見を述べたにすぎませんので…もしこの本の内容や、キャラクターの思想について話したい!とか、自分はアンリに賛成だ!って人はどんどん話しかけてくださると嬉しいです。

それではまたお会いしましょう!

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