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働き損の子育て罰・・・「産休・育休」って、実のところ休みじゃないですから。

家庭にきちんと参加・育児参加している人、とても多くなってきていると思います。より良い環境づくりをなんとか広げたいと思った方々が、日本に歴史的な成果を出されてます。
日本は義務にしないと、空気で休みにくいのですよね・・・。

男性の「産休」創設へ。企業への取得率公表や意向確認も義務化
「産休」にあたる産後8週間に限定し、男性が育休取得しやすいように申請期限を短縮したり一時就労を可能とする仕組みを提案している。厚労省は、子供が生まれてから8週間に限り、男性は2週間前までの申請で4週間の育休取得が可能となる新制度を創設する方針を固めた。
男性の育児・家事参加を促すため、産後8週間を「育児への入口」と位置付けた男性版「産休制度」。既存の育休制度とは別の枠組みで、4週間の育休取得を可能とする。2回までの分割取得が可能で、労使であらかじめ予定を決めた就労も可能とする。厚労省が12月14日、労働政策審議会の分科会で提案した。       出典:HUFFPOST 2020年12月14日 18時10分 JST


男性にだって同じく産前・産後・育児期間があるんです。


Chiba:要するに、子供ができたと言うのは女性一人ではなく、男性も一緒で、男性も一緒に育てると言うのはデンマークでは当たり前のことです。まだまだ義務にしなければならないと、周りの空気で息ができなくなってしまうのが日本の現状なのだろうなと。
それでも、ここまで進んだということは暖かい空気が強引に流れ込んできたんですね。

Sue: 暖かい空気、と言う意味では本当に最前線で国を変えよう、としている人たちがいます。日本だって未来は明るい!と思いたい・・・。
さて、今回は、「産む選択」をした女性たちについて少しお話を聞かせください。例えば、私みたいな女性経営者たちは出産後、どのように過ごしていらっしゃるんですか?

Chiba:経営者であろうが、普通の職場で働いてる女性であろうが子どもを産む時の国の保障(支援体制)は全く同じです。

産前・産後、育児は「休暇」ではなく必然的な仕事

Sue:私、「産前・産後休暇」とか「育児休暇」という言葉に「休暇」という文字が入っていることに一人、違和感がありました。(私だけか?)
産前は本当に身重の上、色々身体に変化が出て気を使うのは自分の体だけじゃなくなりますし、産後は生まれた瞬間からほぼ不眠不休の生活が始まるわけです。

Chiba: これは思ってもみなかった発見です!産休・育休はデンマークでは休暇という理解をしてないんですよ。
産んで育てるのでBarselsorlovと書き、産む、育てるのは必然的な仕事だと理解するため休暇(Ferie)とは呼ばないのです!

Sue:育児は、0歳の頃はいつ寝るか起きるかわからない、夕泣きやらマーライオンのように吐いたりとか、毎日がアドベンチャーでした笑。
「休暇」という言葉は「雇用側」から見てついたのでしょうね。実質は産前・産後、育児も特別な仕事だ、と思います。

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Chiba:多忙な仕事を持つ女性は生後3か月ぐらいで乳児を保育ママか保育園に預けて職場復帰する人がいます。


Sue:そうですね。空気がそれを許しているのであれば、3−6ヶ月で復帰すると、あまり働く感覚が鈍くならないのかもしれません。

Chiba :産休・育休はそれ自体が仕事であって、確かに「休暇」というのはどうなのか?と思いますね。
育休中には赤ちゃんに、より可愛い服や、快適なゆりかごを手配したり子供部屋をどこに作ろうか?などパートナーと話しあったり、子育てに夢中になっているのです。

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Sue:私の場合はそういう時間はなかったですね。夫はフルタイム勤務でしたし、私は産後2週間目から在宅で短時間の仕事復帰、3ヶ月目からは一時保育を渡り歩いたり、ベビーシッターを個人的にお願いしました。
いやー高かったーーー!!!
稼ぎが全て消えてさらにマイナスにいったのも思い出してきました・・・。
職業によらずに、国民一律に保障されているのは、本当に羨ましい限りです。

Chiba:こういうことを言うと怒られるかもしれませんが。
殆どの日本人は民主主義のキーワードの一つ「平等」をいろいろと取り違えて理解しているのです。同時に「公平」も取り違えているんです。子どもを産むということは全ての女性にとって平等な行為です。したがって収入の差などに関係なく平等に支援するのが当然です。

Sue:本当ですね。ご存知ですか?「子育て罰」って言葉があるんですよ。
年収が高い人から児童手当をなくすという・・・なんだそれは?と。

Chiba:う~ん。子育て罰とは馬鹿げていますね。国の資源財産を育てている人に罰とはねえ~!罰どころが支援するのが当たり前だと思うのです。
役職者は収入も多いから公平に対処しよう、とするのは不公平なのです。何故なら役職・経営者は収入に見積もられたそれなりの高い税金を払っているからです。社会・職場の上下関係の平等・公平などについては後で真の民主主義を語るときにもっと吟味しましょう

Sue:そうですね。いずれにせよ、頑張ったら頑張っただけ報われない、となれば、子どもを育てる以外の選択肢を取る人も増えてくるでしょうね。

Chiba:えっ!子どもを育てる以外の選択肢って?まさか、、、、、?

Sue:(笑)

デンマークの育児家庭を手厚く支える保育ママの存在


Sue:以前の男性の育休のお話にもありましたが、大体デンマークの育休は1年程度と聞きます。デンマークは8割以上が共働きと聞きます。ということは、皆さん保育園やどこかに預けるのですよね?

Chiba:通常生後8か月くらいで大部分の母親は職場復帰を果たします。ということは子どもはほぼ100%近く保育ママに委託されるか保育園に入るということです。

Sue:保育ママのところに視察に行ったことがありますが、まぁ可愛らしい家でした。大きなお庭があって、公園のような場所があって。

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(参考:デンマークNordfynにある保育ママのお庭の一角。
子どもたちが遊ぶお庭のスペースはこの倍以上あります)

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(参考:デンマークNordfynにある保育ママの育児スペース)

Chiba:そうなんです。公園デビューなどは保育園、あるいは保育ママが担当してくれます。ご存知の通り、ほとんどの保育ママ宅には公園のようにブランコ、滑り台、砂場などがそろっています。
保育ママは自身が豊富な育児経験を持っている人が市に採用されていますので母親たちは安心して委託しています。勿論保育パパも存在します

Sue:プライベートではなく、「市が採用している」というのがポイントですよね。しかも、基本的には基準を満たした自宅を使っているわけで、わざわざ数億かけて施設を建設する必要もない。子どもの増減に対して柔軟に対応できるのだろうなと。人口減少の日本が参考にできる一つの素晴らしいデンマーク施策の一つですね!

ただ、私が伺ったところは、市の委託内容が財政的な理由で制限されてきた、とおっしゃっていました。その保育ママは自分で必要と思うところを負担しつつ頑張っている、とおっしゃっていましたよ。

Chiba:全て親方日の丸で公に頼るわけにはいかない場合、保護者も理解できる自己負担があっても構わないでしょう。日本と程度問題の違いがありますね。日本では高所得世帯には子供手当を払わないとか、高所得高齢者には医療費の窓口負担を増やすとか、収入の再配分の原則がきちんと理解され、実践されていないのです。

Sue:自分の子どもを安心して預けられる場が確保されているということは、何を置いても安心感がありますね。
自分が四六時中、傍で育てるより、いろんな経験ができるのかも。
親だって人間ですから、たまにはひとりになりたいし。

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Chiba:そうです。子どもの社会性は抜群です。
特筆すべきことがあります!保育園でも保育ママのところでも(一般家庭でも)お昼寝の時間は必ず外で新鮮な空気を吸わせます。冬でも気温がマイナス10度以下にならない限りは外でお昼寝です。
もちろん体は寒く無いようにしっかりと着せますが顔だけは素肌で外気に触れています。雨風が強いときには屋根の下で寝せますが、、、子供は風の子!元気な子が育ちますよ。

Sue:これはデンマーク特有ですよね。寒くて起きないのかな・・・笑

Chiba:大人になった時、誰も寒くて起きたことを覚えていませんよ(笑)
とにもかくにも、このように早い時期からの保育は他の保育児との接触を通し、子どもにより早く社会性を身に付けることにもつながります。

保育園は保育児3人に対し保育士1人の定員であり、一方保育ママは一人で4人まで家庭内で3歳までの保育児を受け入れられます。デンマーク政府は待機児童0をうたっており、どこの家庭に子供が生まれても保育の場があることを保障しています。

<デンマークの保護者負担費用について>
社会福祉国家は諸々の社会福祉政策にかかる費用は無料ですが、保育園・幼稚園・SFO学童保育にかかる費用は全費用の3分の1は保護者負担となっています。

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Sue:福祉・教育はお金がかかる、というよりも、経済が支える、と言うことですよね。やはり福祉経済はもっと日本でも議論されるべき課題と思います。

Chiba:しつこいようですが、デンマークでは教育費、医療費、高齢者の介護費等全て無料と言っていますが、無料とは思っていないのです。国民全員が税金を納めているからこそ、納めた税金がそれぞれ必要な人に必要な時必要なだけ還元されている仕組みがあるということです。

<次回に続く>

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