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「頑張れ!上を目指せ!」病の世の中

こんにちは、あんぱんママ◎です。
「頑張れ!」「上を目指せ!」「もっとできる!」みたいなメッセージって、送られた側は期待に応えるよう頑張るのが美徳、みたいな風潮ありますよね。

適応障害でダウンしてしまった私は、こういうメッセージすらしんどく感じてしまうときがあります。

今日は、休職中に読んだ『普通に働け』という本をご紹介したいと思います。

心に残った文章たち

世の中には、数%の秀才、0.1%の天才がいることは事実だし、そういった人材が必要なことも事実だ。ただ、これを前提に論じられて、「君たちもそれを目指すべきだ」と言われても困る。天才のような極端な事例を前提にした議論というのは、あまりにも乱暴である。特例を前提とした議論はミスリードを招く。そして、こんな特例と比較されて煽られても、ほとんどの「普通の人」は救われない。

そ、そうなんですよ…!!
超個人的な話をすると、育児と仕事の両立に悩んでるとき、ネットに出てくるのは「育児しながら仕事もして超難関資格に合格!」みたいなスーパーウーマンばかり。
え、こんな働き方しないといけないの?育児と仕事をなんとか両立するだけじゃだめなの?と、いきなり目の前に富士山突きつけられたような気持ちになりました。
「みんな、キラキラパワフル人間目指そ!」みたいなメッセージがあまりにも強く発信されていると「普通に暮らす」が否定されてるような気になります。

決してスーパーウーマンたちを否定したいわけではなく、「これが大正解!」みたいな見せ方(捉え方)は違うよね、と思っているわけです。
普通の人取り上げたって面白くないから、スーパーマン・スーパーウーマンに注目が集まるのは当然なのかもしれませんが。

でも、鼓舞するメッセージばかりでなく、誰かを救うメッセージももっと目に入ってくると嬉しいな、と思う今日この頃です。
(日常生活だけでなく、仕事社会においても)

世の中は普通の人で動いている

「普通の人」を肯定する動きってあんまりないですよね。
一億総スーパーマン・スーパーウーマンなわけじゃなくて、普通の人が社会を支えているわけで。
被害妄想かもしれませんが、社会にいると「何者か」にならないといけないプレッシャーを受けている気がして、自分をよく見せようと頑張っちゃってたなと思います。

目の前の仕事に真面目に取り組む「普通の人」でいられることがすごいじゃないか。
(休職中の身からすると、普通に寝て食べて仕事をできてる時点で超すごい)

上司や先輩が発する言葉に、私たちは洗脳されていく。これがやや暴走すると、ブラック企業礼賛につながっていく。「普通」が何だかわからない人に、普通だと伝えるのは実に簡単だ。

これも超わかる・・・・
特に新卒で入る会社。
そこの会社で学ぶことが、社会に出て初めての「普通」になるわけですよね。
「ん?」と思うことがあっても、「これが社会人なのか…」と自分で自分を納得させて染まっていく人が多いと思います。

感想

「すごい人になれ!」「グローバル人材に!」
こんな言葉でメディアは社会を煽っていると。
この本からは、こういう煽りにおどらされず、
「普通に」「目の前の仕事に」実直に取り組みなさい、というメッセージをもらった気がします。

他にも「最近の若者は~~」「最近の就活は~~~」「~~~は崩壊する」「キラキラ外資系企業」といったメディアのウソがたくさん暴かれています。
筆者の方がメディア業界に長く在籍されたこともあり、メディアのメッセージに簡単におどらされるな!という強いメッセージが読み取れました。
ウソを暴くためのファクトデータもたくさん紹介されています(ただし2013年の本なので若干古い)。

ただ、「普通に働くってどういうこと?」を追究する本ではなく、「煽りや幻想におどらされるな!」というメッセージの本という印象です。

今の働く環境や世の中の上昇気流に疲れてしまった方や、
就活中の方・もうすぐ社会人になる方にオススメしたい本かなと思います。
(これから社会に出られる方のやる気を削ぎたいわけではなく、ちょっと冷静になって俯瞰できる目も持っておいたほうがいいよ、という意図です)

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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