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EUの境界線に壁?!

移民対策としてオーストリア、ブルガリアを始め12ヶ国の欧州連合加盟国がEU圏の境界線に壁の建設資金の要請書を欧州連合議会に提出!

イタリアの民放放送La7(ラ・セッテ)のニュースを1日遅れで見ていた私。欧州連合に壁?とびっくりしてしまいました。

余談ですが、イタリア語を勉強している方、La7の公式サイト
で放送が見られますので、ヒアリングや情報収拾に便利です。

12ヶ国の内訳は以下の通りです。
オーストリア
ブルガリア
キプロス
チェコ
デンマーク
エストニア
ギリシャ
ハンガリー
ラトビア
リトアニア
ポーランド
スロバキア

その後、欧州議会はこの要求を却下、壁を造るのは自由だが、EUの予算は組めないという続報に少しほっとしましたが、背景には綺麗ごとでは済ませられない国際情勢が絡んでいます。

先ず、アフガン情勢が不安定なための移民の流入が問題視されています。

また、ビラルーシのルカシェンコ大統領が、自国の反抗分子を多く受け入れているポーランドやリトアニア対する嫌がらせとして、今まで、ベラルーシ側で堰き止めていたベラルーシ経由でこれらの隣国へ入ろうとする移民(大部分がイラク人)を、寧ろ促している節がある等々複雑な事情が絡んでいるのです。

数日前にイタリアのガイド仲間から、近い将来日本(を含むEU圏外)からEUに渡航する際、ETIAS(エティアス)という「事前渡航認証システム」が導入されると知らされたばかりだったので、なんだか世の中に見えない壁ができていっているような気持ちになっていたところでした。勿論、欧州連合の壁の話はもっと深刻な話で、欧州連合議会がお金を出さないからそれで終わりという簡単なことではないのでしょうが、この話はここまでにしておきます。

そして、ETIASについてはnoteでも詳しく記事を書いている方が既にいらっしゃいますので、ここではごく簡単におさらいしておきます(私のためのおさらいですが😅)。

出国前にオンラインで「わたしは身元のはっきりした安全な旅行者ですよ」という認証をとってから、ヨーロッパに来てくださいということなのですが、対象国はヨーロッパ全土ではなく欧州連合に加盟している26ヶ国(シェンゲン圏内)。コロナ禍でそれどころではないということになったのか、今年の導入予定でしたが、来年、2022年に先送りとなりました。

“ETIAS(エティアス)EU 申請ウェブサイト から引用”
ETIAS(エティアス)とは新たにヨーロッパ諸国へ入国する際に必要
となる「事前渡航認証システム」です。ETIAS(エティアス)の正式
名称は”European Travel Information and Authorisation
System”と表記します。
日本語では「欧州渡航情報認証制度」と訳され、一般的なヨーロッパ
諸国への旅行であれば簡単な手続きだけでビザが不要になるという
渡航者にとって便利なシステムです。既にアメリカで導入されている
ESTA(エスタ)、カナダで導入されているeTA(イータ)と同じ仕組
みが、いよいよヨーロッパでも導入されることになりました。

基本的にテロリストが移民に紛れてEUに渡航するのを防ぐということなので、一般のひとは、「認証が下りないのでは?」などと怖れることはないのでしょうが、1988年、私が初めてヨーロッパに渡った時、フランス行きのビザが必要だったことを思い出しました。

30年経って、また、時代が一巡りした感じもします。

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