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柿の種

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記事一覧

積んでは崩すのくりかえし

2024年5月12日(日)朝の6:00になりました。 スクラップ&ビルドで、この国はのし上がってきた。 どうも、高倉大希です。 今の自分の上に、積み重ねていく。 わたしたちは、学ぶことに対してこのようなイメージを抱きがちです。 知識を増やしたり、スキルを身につけたり。 足し算のように、積み重なっていくイメージです。 しかし実際のところは、そうでない場合がほとんどです。 積み重ねたものが崩れるその瞬間に、学びが生まれているのです。 こう思っていたのに、実際はこ

文章を寝かせる

2024年5月11日(土)朝の6:00になりました。 文字が、ここへ連れてきた。 どうも、高倉大希です。 深夜に稲妻が走り、すかさずメモを残します。 翌朝目覚めて確認すれば、稲妻がゴミと化しています。 昨晩の時点では、とんでもない閃きだったはずなのに。 時間が経てば、その効力が失われている。 こんなことが、よくあります。 瞬間の衝撃は、疑ってかからなければなりません。 熱が冷めたときに、残っているものはなんだろう。 上記の事実に気づいてからは、こう考えるよ

所詮は自分に理解できる程度のこと

2024年5月10日(金)朝の6:00になりました。 何が理由かはわからない、でもそれはとにかく起こりうることなのだ。 どうも、高倉大希です。 わかりやすくまとめられた資料、わかりやすく説明してくれる先生。 わかりやすく整えられた道、わかりやすく導いてくれる案内板。 わたしたちは、わかりやすさを求めます。 なぜなら、自分の頭で考えなくても済むからです。 わかりにくいものに出会ったら、自分が困ってしまいます。 そんなときは、わかりにくいのが悪いと言ってどうにかそ

だいたいはなんでもない日

2024年5月9日(木)朝の6:00になりました。 これが生活なのかしらん、たずねたくなるときがある。 どうも、高倉大希です。 さぞ、刺激的な日々を送っているのだろう。 毎日書いていると、こんな勘違いをされることがよくあります。 刺激的な日々を送っている → ネタが多い → 毎日書き続けられる。 きっと、こういうロジックなのでしょう。 結論、だいたいはなんでもない日です。 働いて食って寝たら、1日が終わります。 SNSの普及によって、他者の生活が目に見えるよ

現実世界には経験値のゲージがない

2024年5月8日(水)朝の6:00になりました。 賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。 どうも、高倉大希です。 敵を倒すと、経験値が貯まります。 はぐれた敵を倒すと、より多くの経験値が貯まります。 経験値のゲージがいっぱいになると、レベルがひとつ上がります。 レベルが上がると、できることも多くなります。 これが、ゲームの世界の常識です。 残念ながら、現実世界ではなかなかそうもいきません。 そもそも現実世界には、経験値のゲージがありません。 あとどれくらい

人を隠すなら人の中

2024年5月7日(火)朝の6:00になりました。 空と地面がある街だよ、育った街とどう違うだろう。 どうも、高倉大希です。 そこにいる人の数が多ければ多いほど、他者の目を気にするようになる。 ずっとそう思っていたのですが、どうやらこれは間違いだったみたいです。 GWの4連休は、東京で過ごしていました。 少子高齢化による人口減少を疑うくらいには、人でごった返していました。 冒頭の二文は、そんな人混みに紛れて思ったことです。 人の中に紛れてしまえば、他者の目が案

よく聞く言葉は便利な言葉

2024年5月6日(月)朝の6:00になりました。 僕は君の成長するドラムを観に来ているんです。 どうも、高倉大希です。 飽き性って、なんだろう。 この言葉を聞くたびに、いつも疑問に思います。 人見知りって、なんだろう。 この言葉を聞くたびに、いつも疑問に思います。 優柔不断って、なんだろう。 この言葉を聞くたびに、いつも疑問に思います。 途中でやめても、飽き性だから仕方がない。 コミュニケーションがうまくとれなくても、人見知りだから仕方がない。 意思決

わざわざ否定して世界を閉ざす

2024年5月5日(日)朝の6:00になりました。 純粋の美しさは、いつも無意味で、無道徳だ。 どうも、高倉大希です。 洋服なんて、どれもただの布でしょ。 そう言うことで、洋服の世界に通じる扉を自ら閉ざしてしまいます。 時計なんて、時間がわかればどれも一緒でしょ。 そう言うことで、時計の世界に通じる扉を自ら閉ざしてしまいます。 ゴルフなんて、おじさんがやるスポーツでしょ。 そう言うことで、ゴルフの世界に通じる扉を自ら閉ざしてしまいます。 興味がないことは、何

いちど空っぽになれば

2024年5月4日(土)朝の6:00になりました。 受け取った手紙が増えすぎて、自分の荷物を捨てていった。 どうも、高倉大希です。 もう、何をやってもあかんわ。 そう思うことが、よくあります。 あまりにも、知っていることが少なすぎます。 あまりにも、できることが少なすぎます。 なんて、無力なのだろう。 なんて、空っぽなのだろう。 そんな虚無感を大事そうに抱えて、一丁前に悩むこともありました。 解消するために、がむしゃらに頑張ることもありました。 どうして

満腹の子どもは飯を食わない

2024年5月3日(金)朝の6:00になりました。 この世のすべての食材に、感謝を込めていただきます。 どうも、高倉大希です。 満腹の子どもは、飯を食わない。 教育業界で仕事をする中で、学んだことのひとつです 知りたいと思っていない子どもに、いくら勉強を教えても一向に定着しません。 聞きたいと思っていない子どもに、いくら話をしても一向に伝わりません。 逆に言うと、優れた教育者は空腹にさせるのが上手です。 出す飯がうまいのではなく、子どもの腹を空かせるのがうまい

人生が想像どおりにいくほど、人の想像力は豊かではない

2024年5月2日(木)朝の6:00になりました。 知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む。 どうも、高倉大希です。 人生の8割は、予想外のできごとで構成される。 この考え方には「Planned Happenstance」という名前がついています。 日本語で言うところの、計画的偶発性理論です。 1999年に、スタンフォード大学のクランボルツ教授によって提唱されました。 子どものころに思い描いていたとおりになった大人なんてほとんどいない。 言い換えるならば

読み終わったときに書き手と話がしたくなる文章

2024年5月1日(水)朝の6:00になりました。 僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えた。 どうも、高倉大希です。 J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』。 好きな小説を聞かれときは、この作品を答えるようにしています。 はじめて読んだのはたしか、高校生のころでした。 思春期真っ只中の青年に、ホールデンの言葉が見事に突き刺さったわけです。 好きな場面はいくらでもあるのですが、とくにこの一節が印象に残っています。 今でもこのページには、青い付箋

将来の夢を職業名で答えるのって変じゃね?

2024年4月30日(火)朝の6:00になりました。 僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえてやることなんだ。 どうも、高倉大希です。 「将来の夢は、お医者さんになることです」 将来の夢を職業名で答えることに、ずっと違和感がありました。 お医者さんになればそれで終わりなのか?という話です。 大切なのは、お医者さんになった上で何を実現したいかです。 進学も就職も、あくまでもひとつの手段でしかありません。 将来の夢は本来、名詞では

学ぶ贅沢

2023年4月29日(月)朝の6:00になりました。 穏やかな日に学ぶ方がよいこともあれば、嵐の中で学ぶ方がよいこともある。 どうも、高倉大希です。 学生の本分は、学業にあり。 これがいかに贅沢なことかを知ったのは、学生を終えてからのことでした。 随分と、皮肉なものです。 学生のころは学業なんて、嫌で仕方がありませんでした。 もちろん、大人になってからでも学ぶことは可能です。 しかしあれほどまでに幅広く学問に触れられるのは、やはり学生時代くらいです。 大人に