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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論761」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第32号(2007.9.25発行)「減る入会者数、成長には優れたスタッフとソフト力が必須」2~※名称等は当時、一部文章省略

「特定サービス産業実態調査報告書」

・新業態に若年層を奪われる総合クラブ
P、G、S型施設の平均会員数は2500人を超えた。
また施設パターン別にみた会員数増加率ではG、S型、G型が顕著であった。
会員男女比では男性44:56。
G型で女性の割合が増加している一方、S型で男性の割合が微増している。
年齢別ではP、G、S型で20歳未満と60歳以上が増加している一方、20歳代が減少しており、特に女性はその減少幅が大きかった。
その他の施設パターンでは中心顧客層が20~30歳代であった。
また20歳未満が増加したのは、この間にキッズ・ジュニアスクールを取り入れたクラブが増えたためと推測できる。
利用者数も増加している。
1997年11月の月間平均利用回数は3.7回だったが、2001年11月は4.3回、2005年11月は4.7回となっている。

・売上高利益率は12.2%
年間売上高に占める入会金収入は減少傾向が続いている一方、その他の収入(構成比7.1%)が会費(同73.5%)、スクール(同9.6%)に次ぐ収入源として着実に伸びてきている。
尚、年間売上高の平均は約3億円であった。
また、粗利益の平均は3670万円、売上高利益率の平均は12.2%だった。

・2極化が進展
延床面積の平均は2001年11月とほぼ同じ2069㎡であった。
2000㎡以上と1000㎡未満の2極化が進んでいると推測される。
2000㎡以上のクラブの会員数の平均は3150人、売上高の平均は3.4億円、月利用回数の平均は5回。
客単価の平均は8993円といずれも微増傾向であった。

~ここまで~

前回、2021年のクラブ数が6757軒と紹介しました。
そして、市場規模は記事当時と比較し、微増と表現しました。

このことが何を意味するのでしょうか?
それは、1クラブあたりの会員数が大幅に減少していることを意味します。
その理由は大きく分けて2つあり、1つは小規模クラブの構成比が高まったこと、もう1つは既存店会員数が徐々に低下してきたことが挙げられます。

もちろんパンデミックによるダメージも大きいですが、それ以前から既存店の凋落傾向は続いてきましたので、やはり総需要を増やせていない現実から目を背けることはできません。

日本のフィットネス市場は、残念ながら運動が好きな方や健康な方が利用するようなクラブが多く、そのわずか3%前後の積極参加層のパイを奪い合う構図では、今後も店舗は益々増えていきますから、どのクラブもこのままではジリ貧になることが既に運命付けられています。

当社は、運動が苦手な方や自分だけでは続けられない方も参加できるクラブを目指しており、そのようなクラブが増加することによって総需要が喚起できると考えております。
パンデミックによって、むしろ日本国民の健康に対する意識は高まったわけですから、この機を逃さないようにしたいものです。

お読みいただきありがとうございました。

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