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6月25日(日):フィットネスクラブでの価値共創のあり方

昨日はグッズ・ドミナント・ロジックとサービス・ドミナント・ロジックとを対比させた話をしましたが、その続きになります。

簡単に振り返ると価値の原動力はグッズ・ドミナント・ロジックは「交換価値」にあり、サービス・ドミナント・ロジックでは「使用価値・経験価値」がそれにあたります。

価値創造の主体ではグッズ・ドミナント・ロジックだとモノやサービスの生産者である企業ですが、サービス・ドミナント・ロジックでは企業に加えてネットワークのパートナー、そして顧客もそれを担う存在になります。

そして価値創造のために活用されるリソースも異なり、グッズ・ドミナント・ロジックではオペランドリソースであるのに対して、サービス・ドミナント・ロジックだとオペラントリソースが中心です。

※「オペランド」と「オペラント」の違いは昨日の内容をご覧ください。

平たくいえばグッズ・ドミナント・ロジックでは企業が価値を生んで顧客に与える「価値提供」の発想で、サービス・ドミナント・ロジックでは価値を顧客と一緒に生み出す「価値共創」の発想の違いといえます。

この価値共創については顧客と一緒に何かをするとか、部分的に何かを顧客に担ってもらう直接的な共創もありますが、顧客の与えてくれる情報や無自覚に発するサインを提供者側が拾い上げて、顧客の求めていることに応じていくようなことも含めた広義な共創です。

こうした価値共創をするには顧客は価値創造の担い手であり、パートナーとの認識に立ち、顧客との持続的な接点を持ちながら多様な文脈に関与していくことが求められます。

昨日は私たちフィットネス業界に当てはめてグッズ・ドミナント・ロジックとサービス・ドミナント・ロジックの違いに触れましたが、同様にフィットネスクラブでの共創を考えたいと思います。

私たちの運営する小型クラブでは「少人数制×スクール制」の仕組みによって来館される全ての方に接客、指導が行き届くのでハイタッチなサービスをしています。

このなかでトレーナーがしっかりとお客様を見て、そこでの不調などを伺いながら個別最適な指導をしていけば、顧客との双方向な関係・コミュニケーションを通じて成果を提供することができます。

これがある一回のみに終わらずに継続的にやり続けていくことができれば、持続的な関係のなかでの価値共創です。

それとは対極な形での価値共創の形を挙げるとすれば、これはテックタッチによるちょこザップのアプローチでしょうか。

ちょこザップでは入会者全員にパーソナルデバイスを提供し、アプリも通じて個々の利用履歴や体調をデータとして取得しています。

会員の一人ひとりには情報提供をしている自覚はないかもしれませんが、現状で55万人分の膨大なデータを収集し、それをサービスに反映する取り組みはなされているはずです。

継続する方の特性とそうではない方の比較、成果が出る方とそうでない方の比較などを踏まえ、継続や成果につながるテックタッチでのアプローチが行われるようになっていけば、これもまたひとつの共創の形だといえます。

ハイタッチでの共創とテックタッチの共創とは対極的ですが、いずれにせよ共通するのは顧客から直接的・間接的に欲するものを拾い上げ、それを顧客が望む形に変換して提供し、その内容をアップデートさせていく点です。

そうした動的なアプローチが共創であり、サービス・ドミナント・ロジックの特徴になります。

このような観点に立つとフィットネスクラブでのサービス、オペレーションを活性化していく余地も見えてくるんじゃないかと思います。

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