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2月27日(火):日本でも肥満症薬が発売開始に

先週の2月22日からは日本でも肥満症薬が発売されることになりました。

肥満症薬はデンマークの製薬大手ノボノルディスクが手がける皮下注射薬「ウゴービ」です。

こちらは体内の血糖値を下げるホルモン「GLP-1」に関するたんぱく質へ働きかけることで食欲がなくなり、食べてもすぐ満腹感を覚えるようになります。

それによって摂取カロリー量が減って体重減につながるもので、もとは糖尿病向けに使われてきた薬がベースになって開発され、既に肥満大国の米国では使用者が急増しています。

昨年11月には米国イーライ・リリーの「ゼプバウンド」もFDA(米食品医薬品局)から承認されて肥満症薬の市場は大きくなり、関連の株価も伸びている状況ですね。

WHO(世界保健機関)によると世界の肥満人口は1975年から約3倍となって10億人を超えており、2030年には肥満症薬の世界市場が770億ドルになるとの予測も出ています。

なお日本での発売にあたり、肥満症薬はあくまでも治療のための医薬品であり、「やせ薬」としての安易な利用を避けるような注意喚起がなされています。

現状では肥満症薬が美容など治療目的外での使用され、日本医師会も「個人輸入や美容クリニックで『痩せ薬』として不適切に使用される事例が発生している」と指摘している状況です。

国内での使用に際して厚生労働省は適用ガイドラインを定めており、高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかの病気があり、BMI(体格指数)が35以上(身長160センチで体重約90キロ)か、27以上(同69キロ)で肥満に関する健康障害が2つあることを条件として明示しました。

また把握しておくべき点にGLP-1の副作用があげられます。

吐き気や嘔吐、下痢などに加え、低血糖や急性すい炎などが起こりうるため、日本肥満学会はウゴービの発売に際して「健康障害を伴わない肥満に用いるべきではなく、美容やダイエットなどの目的で用いる薬剤ではない」と強調しています。

さらにGLP-1は使用をやめるとリバウンドすることも指摘されていますが、これは当然でしょう。

薬の作用によって一時的に食欲を減退させているだけであって、生活習慣が以前と何ら変わらず、筋肉量なども減少した状態で食欲だけが元に戻ればリバウンドをするのは必然ですからね。

治療が必要な肥満症に対しての処方は必要かもしれませんが、基本的には運動療法や食事療法がもっとも効果的で、もっとも安全であり、もっともお金のかからない方法なので、まずはそこから始めていくのが一番だと思います。

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