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このままどうか、光にならずに
時として、灰色の空に身を任せる
よそ見をすれば飲まれてしまう暴力
平行が続くわたしの身体
このままどうか、光にならずに
動かぬ身体に縛りつけた疾しさに
嘘つきだけを見つける鏡
「知らないでしょう」と丁寧に撫で
わたしだけが知らない世界
辿々しい口もとだけが魅力的
力ずくで折り曲げた過去と
嘘をついた空に身を任せる
このままどうか、光にならずに
道端で干からびた女の抜け殻
嘴でついばむ幸せが落ちているのは
汚らしい街の側溝
眺めの良さは誰も知らない
蝶番を壊すたびに飛び立つ
一筋走る線路を見下ろす
赤い駅舎の屋根の下には
みすぼらしい女がひとり
鼻をつく匂いに疎まれている
幸せを耳元に飾り付け
耳障りの良い夏の夕刻
道端で干からびた女の抜け殻を
幸せと見間違えて降り立つ
拭い損ねた眠気が内腿を伝う
鐘を鳴らすように身体が壊れていく
嘴でついばむ幸せが落ちている