たまにネットで見かけるこのテーマに対する私の回答は決まっていて、私が選ぶのは「悪」である。

理由については主に2点あり、まず、自分が考えている「正義」が本当に正義なのか判断できない、他方から見れば「悪」であること、と言う点が1点目。

もう1点は、私は自分の考えていることが一般的には「悪」だと認識しており、それを「正義」側の人間によって滅ぼされたい、という、いわば自己破滅的な欲望があるためだ。

そもそも、「悪」を選んだ理由として、自分の考えが一般的な正しい考えではない、と言う点である。私がもし世界に対して好きなように働きかけられるとしたら、「地球上の歪んだ自然環境を修正するため、環境破壊など、多くの悪影響を与えているであろう人類は一度滅びて、地球上を元の自然な状態に戻したい」と考えている。

この考えは明らかに危険であることはわかるし、物語で言えば「人類を守りたい正義側の組織」 vs 「全人類を滅ぼそうとする悪側の組織」という場合の後者だろう。このように、私の考えがいわゆる「悪」側の考えなのは明白なので、私は「悪」側を選ぶと回答する。

そして、私が望むのは、「全人類が滅びて地球環境をリセットする」という破滅的な思想ではなく、それ以上にベストな方法で、人類と地球環境が良い方向に向かっていくことを実現してほしい、と願っている。人類全体の観点から考えれば、私1人の犠牲など、取るに足らない。「悪」側の私1人の犠牲で地球上の環境が良くなるなら、本望である。

そしてもう1つの理由、自分が考えている「正義」が本当に正義かは判断できない、という点。

これは、先に書いた理由とも重なるが、私が考えている「正義」が果たして本当に「正義」なのか。先の理由の通り、私から見れば「正義」であるが、他者から客観的に見れば「悪」だと言える。だから、絶対的な「正義」ではないし（同様に絶対的な「悪」でもないかもしれないが）、自分の主張していることが全ての人々に受け入れられるような「正義」という考えではないだろう、と思うのだ。

自分の考えが全て正しい「正義」などとはおこがましい。むしろ、私自身は何度も道を誤ってきた。自分が正しいと思う行動をしてきたが、全ての行為が相手にとっても正しい判断だったのか、と聞かれると、決してそうとは言えない。

だから、私は、自分の考えが正義で正しいということを疑っているし、自分の考えが絶対に正しいと言える保証などない、と考えている。

以上の理由で、私は「正義」か「悪」かを選べたら、「悪」を選び、自分の信念を貫き、「正義」側の人間に滅ぼされることで、世界がより良くなるように願っている、と回答するだろう。