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【#11】BIG3の重量アップのためにやったこと 〜プログラム編〜

日頃からBIG3を軸にトレーニングをしていますが、夏頃に、体調不良によりトレーニングを一時的に休んだタイミングがありました。

体調が回復したのち、徐々にトレーニングを再開したのですが、特にSQとDLのフォームが崩れており、時折腰に痛みが出るようになっていました。

早急にフォームの見直しと改善を行い、フォームは修正できたものの、新しいフォームでは使用重量が一時的に下がってしまいました。

しかし今回紹介するプログラムを行うによって、より腰に痛みが出ずに出力ができるようになり、そこから重量を元に戻していくことができました。(痛みの改善はフォームを修正できたことが一番の要因かとは思いますが。)

重量の戻し方については、闇雲に重量を戻すのではなく自分の中でのルールに則って行い、結果が出たのでまとめておきたいな〜と思い、今回は”筋力向上”にフォーカスして、BIG3の重量アップのために行ったプログラムとその注意点を紹介していきます。

筋力は1RM測定じゃなくても測れる

筋力測定というと、1回挙げることができる(=1RM)最大重量を想像する方も多いと思います。

しかし1回をギリギリ上げれる重量になると、かなり重たく、軽いものと比べるとフォームも崩れやすくなります。

また、体にかかる負担や神経系の疲労蓄積などの観点からも、1RM重量をトレーニング時に毎回行って結果を測るという現実的ではありません。

では、どのように筋力向上を測っていくのか。

おすすめはプログラムの中で行っているレップ数で1RMを換算する方法です。

決まったレップ数で、扱える重量を伸ばしていくことができれば、それは筋力が向上していると考えていいでしょう。

また、レップ数を決める際には高回数すぎると扱う重量も軽くなり、筋持久力的要素が出てきてしまうため、3〜5rep辺りで判断していくといいと思います。
今回、私は5repで換算しました。


⓪RPEを理解する

さて、プログラムの本筋に入っていく前に、RPEという概念を理解しましょう。

RPEとは、”自覚的運動強度”のことで、トレーニングの際には


RPE10=これ以上挙がらない重量

RPE9=あと1回しか挙がらない重量

RPE8=あと2回しか挙がらない重量

RPE7=あと3回しか挙がらない重量

・・・


というように、重量を実際に扱ってみた自分の主観などをもとに負荷のかかり方を定義するために用いられます。

もちろん自分の主観だけで判断するのではなく、実際の試技を動画に収めて、挙がり具合(スピード感やふらつきなど)から確認するのも良いでしょう。
特に始めたての方にとっては、『あと何回できるか』の判断は難しいと思うので、動画をトレーニング上級者などに見てもらい判断してもらうのも有効かと思います。


①Main Setの目的は筋力向上

ここから本題です。

既出のとおり、
今回のプログラムで一番の目的はBIG3の重量アップ(≒筋力向上)です。

重量を伸ばしていくためには、ある程度重めの重量を扱いつつ、ボリュームも確保していく必要があります。

ある程度余裕があって、5rep持てる重量(83〜87%1RM付近)の負荷でプログラムを実施し、徐々にその負荷を上げていくことで重量アップを狙います。


ここで、重要なのが使用重量を上げるタイミングです。

闇雲に重量を上げていくと、過負荷すぎてフォームが崩れる、または潰れる可能性が高くなり、正しいフォームのまま重量を伸ばしていくには不適合な場合が多くなります。

かといって、重量を据え置きにすると、漸進的に過負荷をかけることができず、これでも重量を伸ばす上では適切とは言えません。


そこでRPEを基準に重量を上げていく形を採用します。

Main Set(1set目)をRPE8以下になるよう設定し、RPE7で挙げられた場合は、翌週2.5kgずつ重量を増やしていくやり方を取ります。
重量を上げて、RPEが8以上になる場合は、翌週も同じ重量でMain Setを行うという形です。

大事なのは、RPE9・10で重量を挙げられた気にならないことです。
RPE9・10だと、体感でかなりキツく、フォームが崩れたり、可動域が狭くなったり、無理やり挙げることで痛みが出たり…といったことが考えられます。
数値が上がることは嬉しいですし、毎回上がるに越したことはないですが、ギリギリでフォームを崩して挙げたツケはどこかで必ず響いてきます。

短期的な成果よりも、長期的な成果を目指して取り組んでいきましょう。
正しく努力を積み重ねれば必ず成果は見えるはずです。


②BIG3種目にはBackoff Setを設ける

Main Setは1setだけ行い、その後は重量を10%程落として、Backoff Setを組みます。

Backoff Setにより、Main Setでの疲労を含めても、後のセットを安定したフォームで行うことができます。また、ある程度の重量でレップ・セットをこなすことができるためトレーニングボリュームの確保にも繋がります。

Backoff Setは3〜4set行い、最終セットでRPE8以下になる場合は、翌週2.5kg重量を増やし、RPE9以上になる場合は翌週も同じ重量で行います。

個人的には、このBackoff Setが非常に重要であると考えていて、
フォーム固め・可動域確認・感覚を養うため・ボリューム確保の良い練習Setになります。

重量が重いままだと、なかなか細かな部分まで意識が行き届きませんが、10%程度落とすことで重量にもある程度のゆとりができるため、フォーム習得には最高です。
→これによって痛みの改善・出力向上につながるフォーム習得ができたんだと思います。

セット数を増やせれば、ボリュームも確保できますしね。

③その他の種目は筋肉に分てSet数を調整

もちろんBIG3以外の補助種目も行います。ここも大事です。
BIG3以外の種目については、5RM程度の重たい重さで発揮筋力向上!というよりは、12〜15RMで高ボリュームを確保して、各筋群の筋肥大にフォーカスします。

基本的には10〜12repで1set目がRPE7になる辺りの重量設定にします。

1set目と同じ重量で3〜4set行うことで最終セット付近でRPE9になるイメージです。毎回RPE9付近まで追い込んで、重量を落としてsetを完遂するやり方もあるかとは思いますが、基本的には、私には前者が向いている気がしています。

Set数に関しては各筋群に応じてだいたい12〜15set/週になるよう調整します。
BIG3も含めて、大胸筋・背中・肩・大腿四頭筋・ハムストリング・大臀筋・二頭筋・三頭筋・腹筋に分けて、セット数をカウントします。

※下半身に関しては、Knee Dominant /Hip Dominantで分ける事もあります。これは、膝主導のエクササイズ(SQ系)と股関節主導のエクササイズ(DL系)といった感じの分け方です。
基本的には、1日のプログラムの中でKnee Dominant /Hip Dominantがバランス良く含まれるように調整しています。


これらの種目に関しては、対象の筋肉を使って(意識しながら)重量を扱えることを第一に取り組みます。

反動やフォームを崩して挙げることは、負荷が逃げるだけでなく怪我のリスクも高まり今回の意図とはそぐわないので、避けます。


まとめ

上記の注意点を考慮した結果、プログラムを8週ほど消化して

以前のベスト 

SQ150kg 5rep RPE@9.5
→ベルト着用・SQシューズを履いて深くしゃがめる状態。おそらくベルトなしだと腰を痛めてしまう状態

DL165kg 5rep @9.5
→同じくベルトがあって、なんとか上がる状態。ベルトをつけていても腰を痛めてしまう状態

BP100kg 5rep @9.5


今回のベスト

SQ160kg 5rep @8.5
→ベルトなし、フラットシューズでも深くしゃがめて腰の痛みもなくなる。

DL170kg 5rep @8
→同じくベルトなし、以前よりも力が入りやすく腰の痛みもなくなる

BP107.5kg 5rep @9.5

現状ここまで回復するに至りました。
数値以上に、出力の向上とフォームの安定感があり、なによりまだ余力を残した状態で以前までのベスト以上の重量を扱えているということから、このプログラムに可能性を感じています。


数値的には、多少アップした程度ですが、今回紹介する内容行うことで

・無理なく
・フォームを維持したまま

重量を扱うこと、総ボリュームを稼ぐことができました。

今後も現状のプログラムを続けていくことでまだまだ伸び代があると感じています。


今後も試行錯誤を重ねて、自分だけでなくこの記事を読んでくださった方々向けにプログラムを提供できたらいいなーと考えてます。


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