見出し画像

サイコロで6が6回でたとき、7回目をどう予想する?

昔に考えた、面接で相手の思考力を見るための質問。正解のある問いではありません。

みなさんは、以下の問いにどう答えますか?


正しい答えとはなにか?

数学・統計的には、「過去のサイコロの目は、未来のサイコロの目と無関係(独立事象)」です。よって、統計的な見地では「過去の目がなんだろうと、次に振って6が出る確率は1/6」が正解となります。

ところが、現実の選択としては、この答えが合理的とは限りません。

たとえば文章から示されていない不確定な要素も多くあります。「サイコロの目は同様に確からしいのか?」「サイコロは1〜6の目なのか」「振り手は人なのか機械なのか?」「目を決めた後にサイコロが振られるのか?」「サイコロをる人は、こちらが決めた目を知っているのか?」「6以外とは、1〜5のいずれか1つという意味か?」などです。

どのような不確定情報があるかに気付き、指摘する。さらに不確定な情報がある中で、どのように考えて意思決定をするのか? といったことが、シンプルな質問で見れる問題かなと気に入っています。

たとえば、自分だったら以下のように考えます。


理想状態と実践のズレ

46656分の1が目の前で発生した場合、奇跡を想定するよりも、もっと可能性の高い要素、イカサマや偏ったダイスや、変な振り方などを考慮すべきでしょう。

たとえば、自分なら以下のように考えます。

6が6回連続で出た時、大きくは以下の3つ(あるいは3つの混合)シナリオが考えられます。


A: 確率上の奇跡
大いなる偶然で46656分の1の奇跡を目撃している。

B: 制御されたイカサマ
サイコロの振り手は、ダイスの目を自由にコントロールできる。

C: 偏ったサイコロ or 環境
サイコロの重心や形状が偏っていて、6ばかりが出る。6だけのサイコロの可能性、場が歪んでる、投げ方が変…などもここに含む。


Aの「確率上の奇跡」である場合、7回目の数字は、1〜6のどれを選んでも変わりません。

Bの「制御されたイカサマである場合、7回目の数字は、恣意的にコントロールできるため、これも、どれを選んでも変わりません。相手の胸さき三寸となります。

Cの「偏ったサイコロ」である場合、7回目の数字も6が出る確率は、極めて高いと類推できます。

よって、シナリオA〜Cが判別できない場合、サイコロの6に賭けるのがもっとも合理的です。

まっとうなサイコロや、イカサマであった場合、どの数字を選んでも意味はないので6を選んで問題ない。偏ったサイコロの場合、6を選ぶごとが合理的である。

つまり6を選ぶと、3つのシナリオ合算での的中率の最大化が想定されます。


答えよりも大事なもの

上記はあくまで、答えの一例でしかありません。人によってまったく違う答え方をするでしょう。

どちらにせよ、答えそのものよりも、「その答えを出すために、何をどのように考えたか」のほうに価値がある問題です。直感で答える人もいれば、あくまで数学上の正しさにこだわる人、さらには情報が足りないという理由で、答えを出せなくなってしまう人までいます。

結局、世の中のほとんどの問題は、理想的な環境ではなく、情報は足らず、情報が間違っており、答えも確率でしか示せなかったりします。そういう環境下で、何を拾って、何を捨てるのか…

どのような答えを導き出すかが、簡単に見れるという点で、この問題は割と気に入っています。

いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。