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初々しさが好きなのかもしれない


何かを始めたばかりの人の作品が好きだ。


SNSの時代、特にそういう作品を目にする事が多くなった。


音楽もアートも文章も何故か初々しいものに惹かれてしまう。


音楽などは分かりやすくて、大体、セカンドアルバムくらいまでが心に響くが、サードくらいから何か違ってくる。


これはきっと、今まで表現出来なかったものが溜まりに溜まっていて、それを表現出来る時が来て、表現するんだけど、全部表現する技術や環境が足りなくて、気持ちだけが前に出た荒削りなものになる。


それが、同じく、やりたい事をやりきれない僕に響いているのかもしれない。


拙い技術と強い気持ちとのバランスが悪い期間は短く、儚い。


そこに美しさを感じているのかもしれない。


技術が上がって小慣れて来て、環境も良くなって、完璧に近づけば近づく程、個人の良さが削られていくから不思議だ。


便利になって、情報が多くなって、社会や技術が成熟してしまって、子供の頃から、それなりに成熟した作品を作る人が沢山現れている。


これからはもっともっと加速するだろうと思う。


だから、僕が求める、青春時代の鬱々とした気持ちを大人になって放出したような作品は、今後出て来なくなるだろう。


完璧を求めて、子供の頃から大人顔負けの技術を身につけたり、容姿が気に入らなかったら美容整形したり、自己啓発本や訳がわからないビジネスマナー講座に参加したり、それが普通になった。



何も間違ってない。



何も間違ってないんだけど、



完璧が美しいとは限らないんじゃないかな。



作品も人間も。



少なくとも僕はそう思う。



個性を尊重するようで、自ら個性を殺しに行っている、とても寛容な時代だ。



みんながやってるからとか、つまらない事言ってないで自分らしく生きて欲しい。



話が明後日の方向に行ってしまったけど、結局、経験を積んだ後の初々しさが好きなのかもしれない。



そういう事なんだろうな。





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