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なぜ「アート」に向き合いたいと思うのか

文化とアートを通じて、社会のつながりについて考えたい。

僕が、関心のあるテーマについて人に話すときは、いつもこういう言い方をしています。

でも、なぜかいつも、口にするたびにイマイチしっくりこないなーと思っていたのです。

全く外れているわけじゃない、でもどこか、空を切っているような物言いをしている、そんな自分が目に映っていました。


今日、はっきりしました。


僕は、文化やアートを通して、「人間」という存在を考えたいのだと思います。


今日、とあるテレビ番組で、100カ国以上の偉人のお墓を巡拝する「墓マイラー」と呼ばれる方の特集がされていました。
この方は、学生時代の時、美術が好きな異性を好きになり、振り向いてもらうために、美術分野を猛勉強したそうです。その後も、クラシック音楽が好きな異性や、文学が好きな異性にも恋をし、その度に、振り向いてもらうために、クラシックや文学を猛勉強しました。
どの恋も、結果的には実らぬものとなってしまったのですが、その方は「失恋という灰の中から、美術や音楽、文学というダイヤを見つけた」と思ったそうです。恋を追いかけているうちに、芸術に精通するようになっていたのです。

そんなある日、その方は、これまでお世話になった方々にお礼がしたいと思い立ち、両親の次にお世話になったというドストエフスキーのお墓参りに、ロシアまで旅立ちます。そこでその方は、今までどこか架空のように感じていた偉人たちが、実在していたんだという事実を初めて肌で感じるようになり、そこから様々な偉人のお墓を巡拝することを始めたそうです。


僕はなぜか、この方に強烈な魅力と共感を覚えました。すごいなー、めっちゃすごい。すごく気持ちわかるなー。自分はここまでできないや…。

なぜそう思ったのか、わたしはテレビを見ながら、ひたすらスマホにメモを取り続け、そこから抽象化を繰り返し、自身の気持ちの理由を掘り下げていきました。

そうして、一つの結論にたどり着きます。

僕は、この方の、偉人に対する純粋で真っ直ぐな尊敬と感謝の念を抱いていることに、すごく共感しているんだと思いました。

そこに気づいた瞬間、僕がアートについて考える時にいつも頭に浮かぶ、尊敬する方々も、アートを通して、その先の「人」のことを考えているな、ということにも気づいたのです。

戯曲を「その人自身のことば」として、あらゆるカタチで翻訳することを大事にしている方。
劇場や音楽堂を「人間の家」「居場所」とすることを追究している方々。


僕は、アートとともに生き続けることで、その先に、確かに存在した方々の、ココロの一端に触れ続けていきたい。
その時代、その場所で、何を想い、何に喜び、何に悩み、そして何を表現しようとしたのか。
その、対話というにはあまりにも程遠い、自己解釈にすぎないものであったとしても、それでも僕は、アートに触れ続けて、時代を超えて、たくさんの方々と対話をしたいと思っているんだと。


アートは、人のココロがカタチとなって現れた「表現」であり、「価値観」そのものだと思うから。

そうして今度は、一人でも多くの人に、いろんなアートと出会って欲しいと思っている。とくに子どもたち。


自分が最も幸せに思える生き方の軸である「幸せのカタチ」。
現代社会では、これがあまりにも多様化して、自分の「幸せのカタチ」に霧がかかりやすくなってしまっているような気がしている。


音楽・演劇・文学・美術・舞踊…数え上げればきりがないほどの多様なアートの世界に触れ、その先の人と対話を重ねることで、自分はどう生きるかという「幸せのカタチ」が見えてくるんじゃないか。

だから僕は、文化やアートを通して、「人間」という存在を考えたい。

そして、文化やアートと、人をつなげることで、
それぞれの「幸せのカタチ」にかかった霧を少しだけ取り払うお手伝いがしたいんだと思います。


(ここからは駄文です。)

じゃあ「社会のつながり」という言葉を今まで使っていたのはなぜなのか。
今後の社会を生きる上で、個人の経済的な資本だけでなく「関係資本」がとても大事になってくる、そういうことを考えると、アートが持つ人と人をつなげるチカラはすごく重要になってくるよね、だからアートに触れることは大事なんだという考え方をしていました。

確かにそうなのだけど、アートのチカラはつながりづくりだけじゃないはず、という違和感はずっとありました。

人とのつながりが、必ずしも幸せにつながるわけではない。
つながりは必要不可欠だけど、幸せに直結するとは限らない。

だったら、より本質的なことは「自分なりの幸せを見つける」ことであり、そのために、いろんな相手の価値観・ココロを知る。アートに触れて、様々な人々の生き方を知る。それが自分なりの幸せのカタチを見つける1つの方法なのではないか。

こんな気がします。

またもしかしたら、視点が変わるのかもしれないけど、とりあえず今は、この視点で、もっと文化やアートに触れていきたいなと思います。


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