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竜の仔の物語 −序章・第一章−

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ベラゴアルドにもたらされた竜の仔と魔法使いの話。魔法とは、人間とは、密かな疑問を抱えながら成長する竜の仔の、出会いと別れの話。 【完結済】
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記事一覧

竜の仔の物語 −序章− 魔法使いと竜の卵

−序− 原初に詞が産まれ 魔法と成り 三体の竜と成る テマアルトが陸を持ち上げ  パズウ…

魔法使いと竜の卵 −その2−アリアトの密命

竜の仔の物語 –序章– 魔法使いと竜の卵 −その2− アリアトの密命  アムストリスモか…

魔法使いと竜の卵 −その3−レムグレイドの猟兵

竜の仔の物語 –序章– 魔法使いと竜の卵 −その3− レムグレイドの猟兵  「もうお帰り…

魔法使いと竜の卵 −その4−追う者、追われる者

竜の仔の物語 –序章– 魔法使いと竜の卵 −その4− 追う者、追われる者  守りの魔導師…

魔法使いと竜の卵 −その5−ハーフリンク

竜の仔の物語 –序章– 魔法使いと竜の卵 −その5− ハーフリンク  魔法使いは、近くで…

魔法使いと竜の卵 −その6−ストライダとレンジャー

竜の仔の物語 –序章– 魔法使いと竜の卵 −その6− ストライダとレンジャー  「なんと…

魔法使いと竜の卵 −その7−奇妙な組み合わせ

竜の仔の物語 –序章– 魔法使いと竜の卵 −その7− 奇妙な組み合わせ  バイゼルはもの凄い速度で森を走る。襲いかかるギリドゥの枝を切りつけ、足もとから伸びる根を飛び越える。  近くにトネリコの木を見つけると素早く飛び移り、鉤付きロープを次の枝に括り付け、軽業師のように木々の間を進む。  その動きにギリドゥの根もついては行けない。手足に絡みついた枝も足止めにはならない。矢のように進むストライダは、枝を千切り根を踏み台にして突き進む。  すると目の前に人影がみえる。身

魔法使いと竜の卵 −終話−沼地の魔法使い

竜の仔の物語 –序章– 魔法使いと竜の卵 −終話− 沼地の魔法使い  沼地はかなり荒れて…

竜の仔の物語 −第1章|1節|–竜の問い

竜の仔の物語 −第1章−|1節| 竜の問い−その1− 竜の仔  自由都市タミナから南西、太…

竜の問い −その2−平穏な暮らし

竜の仔の物語 −第1章−|1節| 竜の問い−その2− 平穏な暮らし  ラウは健やかに育って…

竜の問い −その3−バシリ・アルベルド

竜の仔の物語 −第1章−|1節| 竜の問い−その3− バシリ・アルベルド  レムグレイド歴…

竜の問い −その4−エルフとの邂逅

竜の仔の物語 −第1章−|1節| 竜の問い–その4− エルフとの邂逅  レムグレイド王国を…

竜の問い −その5−ドラゴニア群島へ

竜の仔の物語 −第1章−|1節| 竜の問い−その5− ドラゴニア群島へ  「ねえ、巨人が目…

竜の問い −終話–ラウの問い

竜の仔の物語 −第1章−|1節| 竜の問い−終話− ラウの問い  ドラゴニア群島のひとつ、イーニアニ島に着くと、三人はすぐにアイカレの住処であるマリギナーラの塔へと向う。彼らはいくつかの寒村を通り過ぎる。村は見るからに貧しく、家々では、穴の空いていない屋根すら見当たらないほどだ。  「この島には貧しい村が点在するだけで、これといった資源も土地もありません。」  枯れた井戸端で痩せたニンジンを囓るニンジンよりも痩せた子どもの前を通り過ぎると、ラウが立ち止まりじっとその子