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パンどろぼうとちいさな恩返し(ショートショート)



パン屋に向かう途中。
木の下にいるぼろぼろのリスを発見。

(ケンカでもしたのか)

パンどろぼうそのままスルーしようとする。
が、声がきこえた。

「…ぅぅっ、いたいよ」

「……」


パンどろぼう、仕方なく持っていたパンを半分
あげる。
これでも食ってはやくよくなれ。



後日。
パン屋の窓をコンコンと叩く音が。


「あのときのごおんをかえしにきました!」


ぼろぼろだったリスが見たことのない木の実を
もって現れた。

「たすけてあげたんですね。やさしいですね」

おじさんに褒められてちょっと恥ずかしい
パンどろぼう。


照れを隠すように木の実のことを聞く。

「おい、これはどこにあった。見たことがない木の実だ」

「これは、お母さんがおしえてくれたばしょにあったんです」


あんないします!
恩返しできるかもと嬉しそうなリス。

木の実を食べて、これをパンに入れたら
絶対もっと美味しいパンができるぞ。


シメシメと怪しい笑みを浮かべるパンどろぼう。



店をおじさんに任せリスの後を追いかける。
そこへ、リスをいじめていたボスリス登場。


どうやらそのボスも木の実を狙っていたもよう。
そのことを知りパンどろぼうは激怒した。


「あの木の実はおれのだが?」


おじさんが持たせてくれたフランスパンを
ボスリスに投げる。


ぽすっ。
フランスパンがボスリスの口の中に。


むにゃむにゃ。
「お、おいしぃーーーー!!」


フランスパンに夢中になっている間にとんずら。




「おぉ、いっぱいある!」


無事に到着。
目の前にはキラキラと輝く木の実がたくさん。


黄色、ピンク、青。


カラフルな木の実が虹のようだ。


「でも、ここを教えてよかったのか?」


こんな素敵な場所、普通教えないだろ。
お母さんから教えてもらったならなおさら。


「いいんです。だって、うれしかったので」


他のリスより、からだはちいさい。
おまけにすぐに風邪をひいてしまう。


そんな弱っちい自分をまわりはバカにして
自分にはずっと友達がいなかった。


「でもあなたはちがった。ぼろぼろだったぼくにパンをくれた」


あのとき食べたパン

すごくおいしかった。

あたたかかった。


「……ぅ、ぅぅ、お、おいしぃぃ…」



こんなぼくでも、

やさしくしてくれる存在がいるって知った。



このパンの味はぜったい忘れないでいよう。
そう心に誓った。



「だから、ここの木の実をぜひもっていってください!そして」


あのときのようなおいしいパンを


「これからもたくさんつくってください!」


ぼくのように心がないていても

きっと、ぽかぽかになるから。



「へんなやつ」


そう言いつつパンどろぼう嬉しそう。
今度はすてきな笑みだった。


「こんど遊びにこいよ。木の実でつくったパンを食べさせてやるから」


「ほんとですか!ありがとうございます!」



パンどろぼうとリスは指切りをした。


そんな2人の間にあたたかい風が吹き抜けた。



〜おしまい〜




読んでくださり
ありがとうございました!


久々にお話を書いてみました。
最近パンどろぼうにはまっているので、

パンどろぼうのお話を書くなら?って
頭のなかで妄想をこねくり回してつくってみました。


ちなみに過去にパンどろぼうを紹介した記事もあるんです↓




大まかなながれとセリフを書いただけですが、
それでも書いていてたのしかったです✨

やっぱりいいですね。
わくわくするって☺️




実は、パンどろぼうの公式Xでいま
キャラクター診断をやっているんです!

どうやら公式サイトでも行えるみたいなので、
ぜひ診断してみてください😆




ちなみに私はパンどろぼうでした😆





最後まで読んでくださり
ありがとうございました🌸

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