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NPOでのインターン③~カンボジア~

シェムリアップでの滞在中

ずっと私たちを案内をしてくれた

一人のカンボジア人男性が居ました。

今でも、彼の名前だけは憶えています。


ソチャットさん。

彼も、元々は貧しい村の出身でした。

しかし、施設で日本語を猛勉強し

日本語ガイドとして

立派に自立していました。


普段は日本人観光客を相手に

アンコールワット遺跡など

主要な観光地を案内しているとのこと。

彼の日常日本語会話は驚くほどうまく

彼の日々の努力を見ました。


彼は、聞き取り調査中の通訳はもちろん

各村への道案内役まで買ってでてくれました。

当時、新婚ホヤホヤだった彼は

奥さんのことが大好きで

可愛いんだ、優しいんだと

自慢していた笑顔が愛らしかったです。


そんな彼は

もっとカンボジアのことを知ってほしいから

もっとシェムリアップの魅力を伝えたいから、と

私を、アンコールワットに誘ってくれたのです。


今回のカンボジア訪問は

受け入れてくれたNPO法人はもちろん

チャンスをくれた男性研究者のお陰。

与えられた、聞き取り調査補助員という

役割を全うしようとしか考えていなかった私は

もちろん、観光なんて

する気もありませんでした。


そんな私に、先生は

聞き取り調査をするには

現地のことを深く知ることも大切だからと

半日、アンコールワット観光を含めた

街を見て回るための自由時間を

設けてくれたのでした。


ソチャットさんとバイクに乗り

街を見て回れたこと

本当に良かったと思っています。

NPO法人に関わるカンボジア人だけでなく

街で生活している現地の人達にも話を聞けて

生活している様子を見られて

とても勉強になりました。


私は、途上国の、しかも

そこの貧困層にいる人たちは

きっと苦しんでいるはずだ

不幸だと思っているはずだ、と

思い込んでいました。

だから、助けてあげないといけない、と。

どこか、上から目線になっていたのです。

これに気づいた私は

とても恥ずかしくなりました。


しかし、彼ら彼女らからは

悲壮感や不足感を感じなかったのです。

今の貧しい生活では

”足りない”のではないか、と思っていたのは

彼ら彼女らではなく、私だったのです。


彼らを見ていて

生活が貧しいことと心が貧しいことは

必ずしも、直結していない

ということを学びました。

彼らは家族と

とても幸せそうに暮らしていたのでした。

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