ピンクノイズ

1/fゆらぎの発生機構のモデルについての私の考えを説明した上で、このゆらぎと仏教との関…

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1/fゆらぎの発生機構のモデルについての私の考えを説明した上で、このゆらぎと仏教との関連性や現在の考え方では仏教をどの様に理解したら良いのかと言う問題などについても書いてゆく予定です。参考サイト:https://jokyoji.wixsite.com/website

最近の記事

10.仏教の姿

キリスト教について キリスト教の本質は、「人が人を裁いてはいけないという隣人愛のもとに、様々な試練つまり原因を思いつかないのに起こる予期せぬ出来事による苦しみは何故生じるのかと神と対話するという祈りを通して、これらの試練を受け入れて不合理なことを神との関係によってあくまで合理的に解釈して、神への信仰を深めて自らも救われるという過程」だと私は解釈しています。 ここで「隣人」とは身近で親しい人のことではなく、罪深い人やよそ者や嫌な奴を念頭に置いたもので、隣人愛とはそのような人々

    • 9.閃きと気付き

      私は20代の中頃に印象深い経験をしました。ある事柄の解決法をずっと朝から晩迄集中して探していました。それでもどうしても見つからなくて悩んでいたのです。ところがある時歩いていた道路の境界をピョンと飛び越えた時にその解決への閃きがピンと来ました。その時このことを考えていたわけではないのですが、多分頭の片隅には問題意識があったのでしょう。早速帰宅して整理したところ、綺麗に解決いたしました。このことは決して忘れられない経験として今も強く残っています。 これに似た話は幾つもあります。

      • 8.縁起の法と独創性

        さて前回は観測あるいは認識という言葉を用いると、21世紀に生きる我々には縁起の法を理解し易いのではないかという事を書きました。今回はこの事をもう少し詳しく議論してみたいと思います。 自然科学の分野では長い間「観測」という行為を単純にただ現象を見るという意味でしか理解していなかったように思います。例えば物が動くのをただ見て記録するという風にです。だから宇宙のどの様な現象でも観測手段さえ用意すれば、人間は現象をあるがままの姿で知ることができると思っていたのではないでしょうか。と

        • 7.1/fゆらぎと仏教

          自然現象としての1/f ゆらぎを考える過程で、仏教の縁起の法を想起させるような考えに度々辿り着くことを前回までに書きました。そこで今回は仏教の教えとの関連性を考えてみましょう。 1/f ゆらぎを説明した下の図1で示されるような粒子の分裂(枝分かれ)・吸収によってできる連鎖上の粒子観測によるモデルでは、ある時刻での粒子数などからそれ以後の粒子数や枝分れの状況などを決定論的に予想することは困難です。つまりある時刻の状況が厳密に示されても、それ以後の状況を正確に予想することはでき

          6.唯識論と時間

          こんにちわ。上の写真では主虹の外側に副虹が見えます。副虹は水滴の中で光が二度反射してできますので、色の順序が逆になっています。私の好きな写真の一つです。 前回までは1/fゆらぎがどの様にして発生するのかという問題に対する私の考えを述べてきました。その結論は一言でいうと、因果関係の連鎖上にある現象の一部のみを観測した場合に観測された事象のゆらぎが1/f ゆらぎとなるということでありました。この場合観測された個々の事象間の関係は必ずしも明らかではありません。実際の場合でも私達が

          6.唯識論と時間

          5.1/fゆらぎとフラクタル

          今回は1/fゆらぎとフラクタルとの関係を書きます。 前回は枝分れモデルによって1/fゆらぎが発生するメカニズムを説明しました。もう一度そのモデルを説明する図を示します。粒子が二つに枝分れしたり吸収されたりしながら粒子数が変化する系で、それらの粒子を何らかの検出器によって検出(観測)した場合にある検出と次の検出の間の検出間隔の変化が1/fゆらぎとなるというものでした。 そこで粒子数変化(図2)と検出間隔の変化(図3)をグラフで表し、それらの一部を拡大してみましょう。拡大した

          5.1/fゆらぎとフラクタル

          4.1/fゆらぎは何故発生するか(2)

          前回に枝分かれモデルを説明したい図4と同じ図を再び示します。 前回の記事では、初めに全体でk個の粒子があった場合、ごく微小な時間⊿t後に粒子数がn個となる確率P(k,n,⊿t)を考えて、粒子数が変化する様子を考えました。今回は粒子観測に関連した量を考えます。初めにk個の粒子があったとして微小時間⊿t後に粒子数がn個となり、その 間に粒子を1つも観測(検出)しなかった確率P(k,n,0,⊿t)も、確率P(k,n,⊿t)とほぼ同じ方法で、数学的に厳密に計算できます。 確率P(

          4.1/fゆらぎは何故発生するか(2)

          3.1/fゆらぎは何故発生するか(1)

          前回までは1/fゆらぎとは一体どの様なものなのかと言うことを述べてきましたが、今回はいよいよ1/fゆらぎがどの様なメカニズムで発生するのかという問題に対する私の考えを述べる事とします。 以前に書きましたように、1/fゆらぎと言う現象は凡そ100年も前に発見されたにもかかわらず、その発生メカニズムは未だによく分かっていないのです。勿論様々な研究者によってそのモデルが提唱されてきました。その数例を下の参考資料の(1)-(3)に挙げてあります。しかしこれらの理論は前回例示した現象

          3.1/fゆらぎは何故発生するか(1)

          2.ゆらぎと音楽

          以前にゆらぎには主に1/f⁰ゆらぎ(ホワイトノイズ)、1/fゆらぎ(ピンクノイズ)それと1/f²ゆらぎ(ブラウンノイズ)があると述べましたが、それらのスペクトルを図にすると図1の左のようになります。ここでスペクトルというのは、ノイズ信号を色々な周波数fの正弦波(三角関数)の重ね合わせと考えた時、それらの正弦波の強さを周波数で分類したものです。もう少しわかりやすい説明は前の記事「ゆらぎの種類」の前半の部分をご覧下さい。 図から分かるように普通のグラフでスペクトルを表すと、ピン

          2.ゆらぎと音楽

          1.ゆらぎの種類

          ある程度の年配の人なら記憶されていると思いますが、1980年代に1/fゆらぎで回転する扇風機というものが販売されたことがありました。私は当時そのようなゆらぎのことは知りませんでしたので、興味を持ち色々と調べた事があります。その結果1/fゆらぎは我々の身の回りに度々見かけられるにも関わらずその発生機構がよく分かっていない事を知り驚きました。そこで仕事の合間に色々と調べてゆく過程でこの機構を説明できるあるモデルを考えつきました。そのモデルに沿って考えを深めまた理論計算も行ってきた

          1.ゆらぎの種類