Duration of antibiotic treatment for Gram-negative bacteremia – Systematic review and individual participant data (IPD) meta-analysis

青木先生と話してちょっと感染症の勉強頑張ろうと思った矢先にこんなものを見つけた

https://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(22)00479-5/fulltext

青木先生も最近は抗菌薬を短くしていくトレンドだって言ってた。なんとなく敗血症って言われると2週間使いたくなる気持ちはあり。


システマティックレビュー
グラム陰性菌血症に対し、抗菌薬の期間を短期 (<7日)と長期 (>7日)とで比較したRCTを解析
対象は18歳以上のグラム陰性菌血症患者
長期の治療を必要とする心内膜炎、壊死性筋膜炎、骨髄炎、腹部膿瘍などのドレナージを必要とするもの、中枢神経感染、膿胸、ドレナージされていない膿瘍、コントロールされていない病巣 (水腎症)、サルモネラ菌・ブルセラ菌などは除外
最終的に残ったのは3つのstudy (すべて非盲検)
解析対象となる文献の参加者データを解析するIPD meta-analysisで解析
短期 (7日間):592人
長期 (14日間):590人
90日死亡率、30日死亡率に有意差なし
菌血症の再発、入院期間、再入院、合併症も有意差なし
耐性の出現、有害事象 (下痢、C. difficile腸炎など)も有意差はなし


最近はやっぱりこういうのが多いですね。できる限りshort termで治療しましょうっていうの。もちろん対象群は感染源がコントロールされてること前提ではありますが、、、。
ただ、サブグループ解析ではサンプル数はあれですけど年齢とか血圧とか免疫抑制とかで比較されているけどこれも長期と短期で有意差なし。ケースバイケースと言ってしまえばそれまでなんですが、ある程度安定してる人でグラム陰性菌の菌血症では7日とかでも良いのかもしれませんね。
ちなみに日本版の敗血症診療ガイドライン2020でも7日以内の短期療法を弱く推奨、としています。

https://www.jsicm.org/news/news210225.html

ただ、ガイドラインでは肺炎と腹腔内感染症に限る、とされてますね。
一応今回のレビューでは尿路感染症 (UTI)と非UTIにわけてサブグループ解析されていて、UTIでも非UTIでも短期と長期で差はなかったようです。UTI由来の菌血症でも7日で良いかもしれませんね。
今後もどんどんshort termになっていくと思うので要チェックです。


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