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バイリンガルになるか、するか。其の5

バイリンガル

海外で生活してれば、親が話していればなれて当然、と、経験しないとそう思うものです。が、やはり、そこには、本人の才能、興味、そして、親が与える環境が大きく影響するわけです。個人的な見解からすると、独断と偏見に基づきますが、

本人の資質(才能・興味) 5割
親が子に与えられる環境  5割

と、思います。
この『本人の資質(才能・興味)』には、小学生にもなると、友人関係を含めています。『親が子に与えられる環境』には、親子自身の相性も含めています。

バイリンガルは、第一次世界大戦当時、ヨーロッパでは、忌み嫌われていました。というのも、「バイリンガルの子供は、学業の成績が悪い」という短絡的な調査結果を出されたからです。

バイリンガルの子供にも、成績の悪い子供と良い子供がいます。それは、環境と本人の資質によってことなるもので、バイリンガルのせいではないと思うのです。どこを見るか、でこの調査結果は、変わってきます。

その結果を出したバイリンガルの子供の環境は、どのようなものか?
子供が学ぶ機会を得られているか?
親は教育に対して気を配っているか?
親は、子供に愛情を持って接していられているか?
同じ経済状況、家族環境の子供同士で、比べたのか?

統計というものはどうにでも操作できるものです。
それなのに、そんな昔の調査結果を信じてしまっている人は、セミリンガル、ダブルリミテッドという中途半端な調査結果から出てきた学術用語から、中途半端な理解で話す人が、いろいろまくし立てていることを、真実と思ってしまったり、子供の成長が、自分が思ったよりも遅いときには、バイリンガルを理由にする人が出てきています。こういうことで、偏見が生まれるのです。

私は、現在、英語を第二言語としている人が9割の部署で働いています。ですので、セミリンガル、もしくはダブルリミテッドと言われる人たちの中にはいません。そういう人は、私の部署では働けないからですが、その中でも、知的レベルは、人それぞれあり、見ていると。。。

セミリンガル、ダブルリミテッドは、言語環境のせいではなく、本人の知的レベル、好奇心の強さの問題ではないか

と思うのです。やはり、義務教育で学んでいることを当たり前のレベルの言語と知識として生活していない人は、使う語彙が少なく、興味も、さして言語力のいらないところですよね。

本をよく読む人と読まない人でも、使う語彙に大きな違いがありますし、義務教育を超えて、大学や、大学院で専門を学んだ人たちの会話に出てくる語彙となると、また別格の語彙、話題が増えて来ます。

あの発見には、実は裏話があるんだ

と言われても、その発見をどう解釈したら良いのかわからない人には、表も裏もわからないわけです。

ですので、まずは我が子を信じて、バイリンガル教育していいと思います。ただ、複数の言語をどんな話題にでもついていけるようなバイリンガルの人、というのは、かなり限られています。ですので、どこまで、何を目指すか、は、その子供の状況に応じて考えて行くのが良いと思います。

75億人以上いる人のなかで、そういう人は、限られているといいいます。というのも、それには、かなりの本人の資質(能力、好奇心など)と、気力がいるからです。そこまでの環境は、自分で作ればよいのです。

親としてできることは、その子供の資質から、自分がが与えられる環境を考え、子供と一緒に試行錯誤して作って、すすめていくことと思うのです。

子供の資質(嗜好、興味、能力など)は、まだ歩かないような乳児のレベルではわからないことが多いですから、日本語のシャワーをたくさん浴びさせてよいように思います。成長して行く中で、外国語である日本語の習得レベルから、

「次のスモールステップとして、何をできるようになるか」

を考えて、親子で一緒に進んで行くのが大事だと思うのです。

では、どんな環境か?教えて下さい、と、色々な門を叩くことでしょう。ところが、頂けた答えが、いまいち自分たちの生活スタイルや、自分自身(親側)の能力に合わないものが多いように思います。

でも、友人知人に聞いて、傾向としてあげられるものは

1.母国語のレベルが高いこと。
2.本人の知的好奇心(やりたい)を優先すること。
3.幼少期(小学校前)は、母国語時間と外国語時間をはっきり分ける事。

と、3つに絞ることができました。

母国語のレベルを上げるのは、一般的な教育論が当てはまります。現地の義務教育を大事にしてあげ、現地語の時間を、外国語の時間より多く取る方が、安定した基礎学力が付き、本人の自信、自尊心が強く育ちます。

自身と自尊心があるこは、失敗すること、学ぶことを恐れません。ですので、日本人の謙虚さの短所である、「できない」に目を向けるのではなく、「できる」に目を向けるのは、バイリンガルであろうがなんだろうが、子育てではやはり大事だと思います。

誰かと比べる必要はないのです。その子供の1週間前、1ヶ月前、半年前、1年前…その子供が成長しているか、を見てあげればいいのです。もちろん、外国語の言語能力は、状況によっては、落ちるという状況に至る場合があります。その時は、「今からどう上げるか」になるだけです。

そうすることで、本人のやりたい、を増やして上げることができます。やる気が無いときは、9割できるものをするのが、モチベーションを上げるコツ、といいます。そういうことも鑑みて、親子でペース配分してやっていけばよいのではないか、と思うのです。

小学校に行くようになると、子供には子供の社会が出来上がります。この時、親が一切みることができない状況になり、子供は子供で外の顔で頑張るものです。学習言語も加わり、その小学校の言語が確実に母国語になっていきます。

それまでに、日本語の時間を作り上げることは、大事ではないかな、と思います。日本語だけの時間。これを、子供の興味を中心に持ってあげられると、小学校に入ってからも、日本語だけの時間を継続できる可能性が広がります。

子供を、現地の保育園や、子供とコミュニケーションをとってくれる親戚などに預けているのは、ある意味良いことです。その間は、完全に母国語時間で、母国語の基礎は確実に出来上がりますし、感情表現もできるようになります。

その日何があったのか、は、ある程度きいておいて、日本語の時間には、

今日は**は、@@の絵を書いたんだね。
今日は、ころんで膝に怪我したんだね。痛いね。

と、言葉で振り返ってあげることも大事だと思います。

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