見出し画像

アートになりたい?パーフェクト・カモフラージュ展@ワタリウム美術館

  表参道にあるヒグチユウコの「ボリス雑貨店」へ行こうと思ったら休業日だったという、ちょっとガッカリな日。そのまま外苑前まで裏道を歩いていたら、ワタリウム美術館の近くに出てきたので、これもご縁と「パーフェクト・カモフラージュ展ー私はアートになりたい」と、同時展示さわひらきのドローイング展を突発鑑賞。

アートとは、完璧なカモフラージュのことかもしれない。
「パーフェクト・カモフラージュ展」では、ワタリウム美術館コレクションよりアンディ・ウォーホルを中心に11人と、ゲストアーティストにさわひらき、野口里佳、杉戸洋を交え、「日常にカモフラージュする」「自然にカモフラージュする」「記憶にカモフラージュする」「空間にカモフラージュする」の4つの章に分け、約80点の作品を展示します。

展覧会サイトより引用

  正直に言うと、後から解説読まないと何がカモフラージュだったのかは、あまりピンとこなかった・・・のですが、展示作品はとても面白かったです。アンディ・ウォーホルは好きだし、キース・ヘリングのいたずら描きみたいな勢いのある作品、そしてさわひらきは、執拗に創り込んだインスタレーションを展開。何か新しかった。まずはさわひらきから・・・

さわひらき「flown」
さわひらき「flown」
これ全部で「flown」

  これを見た時に、どこからどこまでがどの作品?とわからず、美術館の人に思わず確認してしまいました。テイストがちょっと違うものが混ざっている気がして、もしや別作品かと思いましたが、全部で1つ。特に一番右奥にちょっと金色のカドが見えている大きな絵がかかっていますが、それが次のこの絵。

さわひらきの絵

  右下の鼠が可愛い不思議なドローイング。絶対別作品だろうと思って作品解説探したが見つからず、再び美術館の人に確認したら「インスタレーションの一部です」と言われました。が、「今回追加の新作だったので、後でタイトルつくかもしれません」ということで、なるほどね、と。このあと、地下で別展示していたさわひらきのドローイングを見たら、そっちの方がタイプが近くて、もしや地下に収らなかったのかも?(勝手な推測です)

  このフロアにはアンディ・ウォーホルの絵がたくさん展示されていました。この美術館の真骨頂。

ガラスに周囲が反射しているのがカモフラージュましまし。今回のポスターはこれだった。
アンディ・ウォーホル「ヨーゼフ・ボイス・イン・メモリアム」
左の連作は死刑の椅子。右は「セルフポートレイト」
この美術館は3階から吹き抜けになっている2階の作品がまた見える。

  そして、次の3階には野口里佳の作品がありました。写真は知っていましたが、ドローイングもあるんだ。

野口里佳「虹は生き物」

  更に今回の展覧会で面白かったのは、屋外にも1つ作品があり、窓から見られるという趣向。一般道に面している空き地に展示されているので、チケットなしで誰でもこれは見られます。

窓から外に展示されていたロイス・ワインバーガーの「組織学の断面」を撮ったもの。植物の茎の断面に表れる模様をモチーフとしたドローイング。その前のバケツも自然分解するらしい。

  そして最後4階は、屋根裏のように狭くて暗い雰囲気。作品も少し重く硬質な感じのものが置かれてました。正直、あまりよくわからず・・・キース・ヘリングが唯一ポップでしたが、それでもうわーっと描かれていて、勢いだけが伝わる絵だった・・・

ナムジュン・パイク「フレンチ・クロック」
マックス・ビル「円上に角頂をもつ三角面」
キース・ヘリング無題
同じくキース・ヘリング無題

  これは、キース・ヘリングが1983年に来日の際、滞在中の制作場所となったワタリウムの向かい側の建物の内部の壁に描いたもの。キースは、訪れる先々で絵を描きまくり、青山・原宿界隈にたくさん絵が残されたそうです。六本木の森アーツセンターギャラリーでやっていたキース・ヘリング展でも、青山の道路で絵を描いているところを撮影したビデオを流していましたが、その片鱗がここにも残ってた!

  最後、地下に下りてさわひらきのドローイング展も見て帰りました。お茶しようかな、と思っていたのですが、ちょろっと立ち寄るつもりが、がっつり鑑賞になってしまい、時間切れ。でも、ショップもカフェもNYのブックカフェ風で、現代アートをおしゃれに楽しむのに最適な場所です。

日本語のもあるんだ?アンディ・ウォーホル(多分)

<後日談>
その後、銀座のポーラ・ミュージアム アネックスへ若手の展覧会「表彰と趣意」を見に行ったのですが、審査員の一人がさわひらきだった。あともう1つくらいバッタリ名前に出会った記憶があるので、私にとって今年はさわひらき当たり年なのかも?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?