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2020年を代表するスマホゲームまとめ

こんにちは、Fujiです。

もうすぐ2020年が終わります。早かった・・・。
今年もたくさんのスマホゲームが配信されました。

そこで、個人的に「これは2020年を代表するスマホゲームだ!」と思ったタイトルをまとめてみました。

スマホゲームのクオリティも年を重ねるごとにどんどん進化しているので、2020年時点のクオリティラインを知っておくことはプランナーにとってはとても重要ですね。

話題になったもの、ビジネス的に成功したもの、ゲームデザイン的に尖っていたもの等、それぞれの良さがありますが、個人的に「これは2020年に配信されたスマホゲームを語る上で欠かせないな」と思ったものをピックアップしてご紹介し、それらのゲームの特徴を説明していきます。



アークナイツ

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基本情報

配信日:2020年1月16日(全世界版)
開発:HyperGryph
運営・配信:Yostar
ジャンル:タワーディフェンス


全体的なクオリティの高さ

まず、アークナイツで1番心を動かされたのが、絵のクオリティの高さです。

キャラクターの絵から、UIからディティールが凄く作り込まれていて、見ているだけで満足感を覚えます。

▼キャラクター

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キャラクターの記憶に残るシルエット、質感。
そして生き様を映し出すような表情。

▼UI

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特に印象的なのが、この報酬受け取りダイアログ。
他のゲームでよくあるウィンドウではなく、全画面を覆う形で表現されています。
そして光のコントラストを用いて「OKボタン」にあたるチェックマークボタンの位置を示しています。

これを最初に見た時は、こんな表現があるのか!と驚き、感動しました。


▼人材発掘(ガチャ)

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これはガチャを引く時の演出画面なのですが、このバッグのクオリティも相当高いと思います。

リアルな質感でビックリしました。


▼公式サイト

そして、公式サイトでもクオリティの高い作りをしています。
サイト内を回遊するのが楽しいです。


アウトゲームの設計

アークナイツはビジュアルやタワーディフェンスだけでなく、報酬の流れなど継続プレイを促す仕組みが凄いゲームだと思います。

メインゲーム以外のアウトゲーム周りもじっくり長く楽しめるゲームです。

詳しくは以下のnoteで熱弁しているのでぜひ読んでみてください。



ディズニー ツイステッドワンダーランド

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基本情報

配信日:2020年3月18日
開発・運営:f4samurai
企画・配信:アニプレックス
ジャンル: アドベンチャーゲーム


「ディズニーヴィランズ」という独自性の高いIP

『ツイステ』は、ディズニーという王道IPを元にはしていますが、物語の軸となるのは悪役たちです。

「ディズニーヴィランズ」という悪役だけを集めた独立したブランドがあり、『不思議の国のアリス』のハートの女王や、『アラジン』のジャファーなどがメンバーです。

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近年のスマホゲーム市場は、IP作品は当たり前で、IPモノを出してもヒットしないゲームはたくさんあります。

その中で、『ツイステ』は「ディズニーヴィランズ」というIPを選択することで物凄く独自性の高いゲームに仕立て上げることができたと思います。

そもそも、「悪役だけを集めて成り立つIP」なんて、ディズニーヴィランズくらいしかありません

IP市場の中ですでに独自性の高いポジションにある「ディズニーヴィランズ」をスマホゲームに落とし込んだことで、スマホゲーム市場では(IPや世界観という意味で)唯一無二のタイトルになりました。


ディズニーファンが思わずニヤついてしまう演出

そして、そのディズニーヴィランズをスマホゲームに落とし込む時に、ディズニーファンをニヤッとさせるような演出が随所にあります。

例えば、第1章に出てくるハーツラビュル寮(不思議の国のアリスのハートの女王が元ネタ)の話では、こんな話になっています。

▼ハーツラビュル寮での話
・寮長がルールであり、すべて正しい
・ルールを破った者には罰
・寮全体で「なんでもない日」を祝う
・「なんでもない日」を祝うために、バラの花をすべて赤く塗る必要がある

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『不思議の国のアリス』を見た方はピンと来るようなシチュエーションじゃないでしょうか。
(元ネタのネタバレは控えておきます)

原作の要素を大切にしつつ、魔法学校で寮生活をするツイステの世界観に合うように上手く落とし込んでいます。

このように、随所に出てくる原作の要素に、ディズニーファンはニヤっとさせられます。


ドラゴンクエストタクト

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基本情報

配信日:2020年7月16日
開発:Aiming
運営・配信:スクウェア・エニックス
ジャンル:タクティカルRPG


今までのヒットゲームの良い要素をしっかり押さえている

ドラクエタクトを遊んでいて、僕が個人的に特筆すべきだなと思ったのが、「今までのヒットゲームの良い要素をしっかり押さえている」ということです。

スマホRPGとして、以下のような要素はもはや入っていて当たり前ではあるのですが、しかしこれらの要素が無ければ継続率や課金に影響してくるので、しっかりと入っていることはとても重要です。

▼冒険
・ストーリー
・イベント
・デイリー
・初心者向け
・装備

▼バトル
・闘技場(PvP)

▼キャラクター
・装備(武器・防具)
・ランクアップ(上限解放)
・覚醒(ステータスアップ)

▼その他
・交換所
・VIP機能(メタルカード)


タクティクスRPGとスマホゲームの相性の良さ

ドラクエタクトは、ドラゴンクエストのゲームとしては初めてのタクティクスRPGというジャンルのゲームです。

タクティクスRPGはターン制コマンドバトルに「場所」の概念を追加したRPGで、位置取りという戦略的要素を考える必要が出てきます。

僕は、この「場所」の要素が含まれるタクティクスRPGは、キャラクターを追加していく運営型のスマホゲームととても相性が良いと思っています。

なぜなら、「場所」があることによってスキルのバリエーションが無限大に作れるようになるためです。

ドラクエタクトのモンスターが持つスキルである「とくぎ」のパラメータを見てみましょう。

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▼1つのとくぎが持つパラメータ
・攻撃範囲(5×5の25マス内で設定可能)
・消費コスト(MP)
・属性(ドラクエタクトではイオ系、メラ系など)
・攻撃方法(物理、息、呪文、体技)
・ダメージ量(攻撃方法ごとに、基礎ステータスが影響する。物理=こうげき力、息=レベル、呪文=かしこさ、体技=レベル)

攻撃範囲を25マスに設定できるので、横一列、十字など、攻撃範囲だけで物凄い数のバリエーションが作れます。
それに対して消費コスト、属性、攻撃方法をかけ合わせるので、とくぎの幅は無限にあります。

このように、スキルのバリエーションを作ることができるので、インフレスピードを軽減することができます。(=スキルのバリエーションでキャラクターを売っていくことができる)

これはステータスのインフレを押さえてスキルのバリエーションで売ることができるのは運営型のスマホゲームとしてはとてもメリットだと思います。


複雑さを感じさせないための工夫

ただ、タクティクスRPGはコマンドRPGに対して「場所」の要素が追加されるため、複雑さが増すというデメリットもあります。

複雑さが増すということはゲームが難しくなるのに等しいため、その分ユーザーを選んでしまうことになります。
しかし、ドラクエタクトはこの複雑さをドラゴンクエストというIPで上手く解消しています。

まず、ドラクエであるがゆえに、用語が必然的に決まります。
(とくぎはメラ、ギラなど)
これらの用語は分かっている人が多い(知らなくても語感で覚えられる)ので、説明を省くことができます。

そしてドラクエといえば「やさしい言葉×ひらがな」が特徴です。

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これはバトル中のスクショですが、パッと見て小学生でも理解ができそうですよね。

これらのドラクエらしい表現によって、複雑さを和らげることに成功していると思います。


さらに、相性の良し悪しを大味にすることによって、タクティクスでありながら戦略性を少し落としています。

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このスクショを見ると分かりますが、相性が良いと敵に大ダメージを与えることができます。

そのため、タクティクスRPGに慣れていないユーザーでも、「レベルを上げよう!相性の良いキャラクターを連れていこう!」とざっくりした認識でゲームを遊ぶことができるようになっています。


このように、ドラクエタクトには以下の特徴があることが分かります。

・タクティクスRPGであることによる、とくぎバリエーションの作りやすさ(=商材の作りやすさ)
・ドラクエIPであることによる、複雑さの軽減
・戦略性を落とすことによる、複雑さの軽減

これらの点を踏まえると、ビジネス的すごく勝算があったのではないかと考えられます。


AFK アリーナ

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基本情報

配信日:2020年6月30日
開発・運営:Lilith Games
ジャンル:RPG


育成とバトルを楽しむゲームとして特化

AFKアリーナのバトルは、5vs5のバトルです。
攻撃は自動的に進行して、プレイヤーが介入できるところはスキルを打つタイミングを決めるくらいで、非常にさっぱりしたバトルになっています。

このようなバトルシステムなので、自ずと「育成」が大切になってきます。

そのため、「いかにキャラクターの育成が楽しいと思えるか」というところにとても重きが置かれていて、モードの開放条件や報酬の流れ、ガチャの設計などがここにリンクしています。

そして(売上を立てるためには超重要なのですが)育成するためにはガチャでのキャラ獲得も含めて相当な労力が必要な設計になっているので、セルランで常に上位にいるのは納得がいきます。

(ちなみに開発元のLilith GamesはRise of Kingdomsというゲームも出していますが、そっちも中々の育成設計です。)


バトルはシンプルだけど遊びの種類が豊富

先ほども書きましたが、バトルは5vs5でユーザーの介入も少なくシンプルなんですが、そのバトルを使っての遊びが大量にあります。

【AFKアリーナでバトルをするモード】
▼バトル

・冒険(メインストーリー)

▼フィールド
・タイムズピーク(探索ダンジョン)
・奇境探検(イベント型探索ダンジョン)
・王座の塔(階層が上がるごとに敵が強くなっていくタワー型マップのコンテンツ)
・異界の迷宮(1マスずつアクションを起こしてマップを進行していくコンテンツ)
・アリーナ(PvPコンテンツ)

これら以外にも、ギルド内でレイドバトルのコンテンツがあったりと、とにかく遊びの種類が豊富にあります。

これがAFKアリーナの楽しさを作っている最大要因だと思います。

1つのゲーム内でこんなに多様な見せ方をするので、各モードを回遊していも飽きが来づらいです。

日本のソシャゲだと、バトルを取り巻くマップはリスト型になっていたり、数珠つなぎの一本道になっていたりすることが多いのですが、
AFKアリーナでは「どっちのマスを選択するか」「ギミックをどう使うか」など、ちょっとした遊びの要素が加わっているので、そこに新鮮味があり、没頭して楽しむことができます。

少し話が派生しますが、AFKアリーナがバトルそのものよりもバトルを取り巻く遊びの方が大切だと思える理由が、UIを見ても分かります。

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バトル準備画面、バトル中、バトルのリザルト画面を見ると、どのモードでバトルをしているかがほぼ分からないです。
辛うじてバトル準備画面のところにステージ名が書いてあるのと、背景の画像で判別できるくらい。

バトル画面での情報の取捨選択を見ても、「バトルそものもというよりは、バトルを取り巻く遊びの方を重視したゲーム」だと言うことが見て取れます。


世界観の説明を小説風テキストに全振り

AFKアリーナは、バトル前後でキャラクターがしゃべることはめったにありません。

キャラクターの性格や設定をどこで知ることができるかというと、キャラクターごとに読むことのできる小説風のテキストです。

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バトル前後でキャラクターを喋らせて説明しない代わりに、ここで情報を盛り盛りにしています。

読むと結構な文量で、上記スクショで書かれているテキストが7~8ページほど続くボリュームです。

フレーバーテキストレベルの文量ならたくさんありますが、この小説風のテキストも他ゲームではあまり見ないので、とても特徴的だなぁと思います。

そしてさらに良いのが、キャラクターが使っているスキルの演出やセリフが、このテキストで語られているストーリーにリンクするんです。

「なるほど、こういうバックグラウンドがあるから、このキャラクターはこのスキルを使ってるのか~!」と、AFKアリーナの物語を楽しめる要素になっています。

小説風のテキストに割り切っているのが面白いと思ったので取り上げてみました。


原神

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基本情報

配信日:2020年9月28日
開発・運営:miHoYo
ジャンル:ファンタジー・オープンワールド・アクションロールプレイングゲーム


本質はRPGゲーム

このゲームは発表されて以来「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのフォロワー」と言われており、原神にはゼルダに似た要素がたくさんあります。

▼ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドに似ている要素
・滑空
・崖登り
・植物や鉱物などの素材
・料理
・マップに散りばめられたミニダンジョン(試練の祠)

しかし、バトルは一見似ているようで違います。

原神のバトルの本質はゼルダのような「アクション」ではなく、「アクション性のあるRPG」です。
ゼルダと原神を比較してみましょう。


【ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】

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▼タイミングが重要

ブレスオブザワイルドのバトルは、他のアクションゲームと同様、「タイミング」が重要です。

攻撃方法や範囲、準備動作など敵の動きを見極めて、タイミングよく攻撃を当てていくことが求められます。

タイミングが重要なバトルであることを示す最も特徴的な仕様として、「ラッシュ」というものがあります。

敵の攻撃に対してタイミングよくバク宙か横飛びをすると、スローモーションとなり、その後的に対して攻撃を一気に畳み掛けることができます。

敵の攻撃をギリギリで避ける必要があるので、ダメージを受けるリスクが大きいですが、成功すればその分大ダメージを与えることができます。

これがブレスオブザワイルドのバトルで1番気持ち良い瞬間です。

このように、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』は「タイミング」が重要なゲームであることが分かります。


▼レベルの概念がない

そしてブレスオブザワイルドにはレベルや経験値の概念がありません。

「ゼルダの伝説」シリーズは、バトルではなく探索をすることでリンクが成長するという遊びのコンセプトがあるので、その部分はブレスオブザワイルドでもしっかり踏襲されています。

そのため、ライネルとバトルを何十回戦って勝ったとしても、リンクの腕力が上がるわけでも、特殊能力が得られるわけでもありません。

この部分においても、ブレスオブザワイルドはRPGではなくアクションゲームであると言うことができます。


【原神】

▼相性が重要

ブレスオブザワイルドに対して原神は、相性が重要なゲームであると言えます。

まず、原神のバトルには、回避がありません。
ということはつまり、敵の攻撃に対してそれほどシビアにタイミングを見計らって避ける必要はありません。

それよりも大事なのは、「自分と敵との相性を考えながら、最適な属性を選んで攻撃する」ということです。

敵には元素(属性)が割り振られており、味方も各キャラクターごとに元素が割り振られています。
そして操作キャラクターは編成した4人の中から1人を選んで切り替えて操作できるようになっています。

これは、敵の属性に応じて操作するキャラクターを選ぶ、というバトルにおける相性の重要さを如実に表している仕様です。

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原神は、相性が大事なバトルであるという土台の上に、位置取りや攻撃タイミングというアクション性が加わっています。


▼レベルの概念がある

ブレスオブザワイルドと大きく異なる点として、レベルの概念があります。

武器やキャラクターにレベルの概念があり、経験値を与えて強化をすることでステータスが上がっていきます。

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以上のことから、原神は相性が重要な、RPGゲームであるということが分かります。


「元素反応」が面白い&ガチャマネタイズ型に最適

ブレスオブザワイルドは、物の組み合わせで新しい効果を生み出す、という遊びを提案したゲームでした。

例えば、岩を崖の上から落とすことで敵を一掃したり、木を切り倒して橋にすることで新しい道を開拓したりといった感じ。

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これを意識したかどうかは分かりませんが、原神では「元素」と呼ばれる属性にあたるものを組み合わせることで、新しい効果を生み出す遊びを提供しています。

それが「元素反応」というシステムです。

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例えば、以下のような元素反応があります。

▼元素反応の例
・水元素の攻撃を与えた後に、雷元素で攻撃することで「感電」を引き起こす。
・水元素の攻撃を与えた後に、氷元素で攻撃して敵を「凍結」させる。

図解すると以下のような感じ。

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この「元素反応」の仕組みが非常に面白いと思います。

敵に対してどの攻撃を組み合わせれば効率的に倒せるかを瞬時に判断し、使うキャラクターと攻撃順番を考え、敵の攻撃を避けながらそれを実行していくという遊びが、とても手応えがあります。

1回のバトルごとにどのように戦うかを考えさせられるので、バトルがマンネリ化しづらいと思います。

『原神』の属性となる元素は7つあり、元素反応は9つあるので覚えるのが中々大変ですが、実際の世界で起きる化学反応に近い現象を「元素反応」としてゲーム内で扱っているので、その分まだ分かりやすさがあるかなと思います。

また、この仕組みはガチャマネタイズ型のゲームとして非常に効果的なシステムだとも思いました。

というのも、キャラクターのバリエーションが非常に多岐に渡って出せるからです。
7元素あるということは7元素分のキャラクターを用意する必要があります。それに掛け合わせる形で、キャラクターを量産することができます。

▼キャラクターのバリエーションを出せる幅
・7元素(炎、水、氷、風、草、雷、岩)
・ステータスのパターン(HP型、攻撃型・・・等)
・スキルのパターン(範囲攻撃型、回復型・・・等)
・攻撃方法のパターン(近距離、遠距離・・・等)

このように、「元素反応」という7元素の組合せを遊びとすることで、ガチャマネタイズ型の運営に耐えうる強力な仕組みとなっていることが分かります。


プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク

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基本情報

配信日:2020年9月30日
開発:Craft Egg
運営・配信:セガ
ジャンル:リズムゲーム


リズムゲームの「当たり前」をしっかり押さえる

ラブライブ(2014)、ナナシス(2014)、デレステ(2015)、ガルパ(2017)、ミリシタ(2017)と、ここ6年で続々とリズムゲームが登場してきましたが、プロセカは2020年発のリズムゲームとして過去のゲームの良いところを引き継ぎながらもオリジナリティもあり、正当進化したリズムゲームだと思います。

まず、以下のように過去の音ゲーに含まれている要素がプロセカにもキッチリと入っています。

【リズムゲーム】
・5段階の難易度
・ハイスコア報酬
・3DMV
・他のプレイヤーとの協力ライブ

【キャラクター】
・3属性のパラメータ
・MVでの衣装チェンジ

【その他】
・アイテム購入でキャラクターのステータスアップ
→プロセカでは、ガルパと同じく「エリアアイテム」という機能になっていますね。

プロセカの開発はCraft Eggなので、ガルパでの経験を活かしていると言えます。

ドラクエタクトでも触れましたが、2020年にもなると「この機能は入ってて当たり前でしょ」というように、ゲームに求められる機能やクオリティがとても高くなっていると言えます。

また同時に、(エンタメコンテンツとしてはあまり良いことではないですが)たくさんのゲームに同じような機能が入っていて、コモディティ化も進んでいます。


今までのリズムゲームにない独自性

とはいえ、「今までのリズムゲームよりクオリティの高いものを作りました!」だけではヒットしません。

「このゲームならでは」という新規性が必要です。

プロセカは、もちろん初音ミクというIPを使っていることはスマホのリズムゲームとしては新規性があるのですが、それ以外にもバッチリとプロセカならではの機能が入っています。

それが、「バーチャルライブ」です。

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「バーチャルライブ」はその名の通り、バーチャル空間でのライブを楽しむことができるコンテンツになっています。

この動画を見て頂ければ分かると思いますが、バーチャル空間には方向があり、スマホをちゃんと会場の方向に向けないとアイドルを見ることができません。

その上で、他のユーザーと同じ空間を共有していて、一緒にペンライトを振ることもでき、とてもリアルなライブ体験をすることができます。

このライブは約10分ほどで、1時間に1回のペースで開催されています。

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リアルなライブ体験がこんなに手軽に楽しめるなんて、今までのリズムゲームにはありませんでした。

プロセカらしい新規性があると思います。


ガルパの経験を活かした改善

あと個人的に良いなと思ったのが、「タップ領域の細分化」です。

プロセカのリズムゲーム中のタップ領域は12個あります。

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これはすごく良い仕様だなと思いました。

なぜなら、難易度の調整弁をノーツの個数と速度だけでなく、タップ範囲にも持たせることができるからです。

▼難易度に応じて変わるタップ領域の個数(最小単位)
Easy・・・4個
Normal・・・4個
Hard・・・3個
Expert・・・2個
Master・・・2個


Craft Eggの前作であるガルパのタップ領域は7個でした。

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そして難易度が低くなるとタップ領域が増えるかというとそういう訳でもなく、1個のタップ領域を確実にタップする必要がありました。

その結果僕が感じていたのが、「ノーツがけっこう遠くの方から見えて来るけど、結局手前まで来ないとどこをタップすれば良いか分かりにくい」ということでした。


リズムゲームに慣れていない人だと、「どこタップすればいいんだ?あっ、ここか!」のような感じで焦ってしまうのではないかと思います。

ラブライブやデレステなど、タップするところが1つずつ区切られていればまだ分かりやすいのですが、ガルパだとタップする位置が一直線になっているので、少し分かりづらさがあります。

そういう意味で、今回プロセカではガルパと同様にタップ位置は一直線ですが、「タップ領域を細分化し、難易度が低くなるほどタップ領域を増やす」という解決をしたのが、良いなぁと思いました。

これなら、「大体この辺をタップすれば良いな」と、多少安心してノーツをタップできるようになります。

この仕様はリズムゲームの人口を増やす役割を果たしていると思いますし、ガルパでの経験を改善した結果なのではないかと考えています。


オクトパストラベラー 大陸の覇者

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基本情報

配信日:2020年10月28日
開発:アクワイア(Ver1.0.0まで)、ドキドキグルーヴワークス(運営開始後)
運営・配信:スクウェア・エニックス
ジャンル:シングルプレイRPG


コンシューマクオリティの映像体験

「コンシューマクオリティ」というより、もはやコンシューマそのものですね。
Switchで体験した、オクトラならではの「2D-HD」の映像体験がスマホでそのまま体験することができます。

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この光の加減や空気感はオクトパストラベラーならではのものです。

「2D-HD」は唯一無二の表現方法なのでコンシューマ市場でも目立ちましたが、それがスマホゲーム市場に行けばそりゃ目立ちますね。

元々Switch向けに光の演出や背景、さらに音楽も作り込まれていて、それがスマホでもそのまま体験できるわけなので、とても贅沢な体験ができます。

これまでもコンシューマゲームのIPをスマホゲームで展開する例は数多くありましたが、「絵素材だけ持ってくる」だったり、「スマホゲーム用に表現を簡略化させる」だったり、コンシューマで体験できた映像をそのままスマホに持ってくることは難しかったです。

『オクトパストラベラー』はゴリゴリの3Dではなく2D(2Dの中でもとりわけ美しい2D-HD)だったため、コンシューマゲームでの映像表現をそのままスマホに持ってこれたと言えます。


スマホゲームとしてしっかり最適化させたゲームデザイン

映像体験としてはコンシューマからそのまま持ってきたような贅沢な体験ができます。

しかし遊んでみると、ゲームデザイン面ではしっかりスマホゲームとして落とし込まれていることが分かります。

仕様面の工夫について、自分なりに分析したnoteがありますので、詳しくは以下を読んでみてください。

こっちでも熱く語っています。



以上、2020年を代表するスマホゲームのまとめでした。

こうして俯瞰してみると、やはり今年は中国ディベロッパーの台頭大型IPタイトルの安定が目立った年だなぁと思います。

来年はどんなスマホゲームがリリースされるのか、楽しみに待ちたいと思います。

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