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音声配信コンテンツで気を付けた方が良い事

 と、タイトルでは書いたものの、今回はちょっと限定的な話を書いていきたい。

 スタエフではだいぶ番組という概念をもって投稿をする人が増えた。スタエフに人が多く居た頃は皆が舞い上がってライブ配信に躍起になっていた頃から、私だけは収録をメインに番組形式で投稿を行っていた。何度も言うように、私より先にDAWを使って番組の投稿を行っていたユーザーは居なかった。

 それはそうと、番組という形で投稿をする人が増えた事で、色々な人が色々なセンスを駆使して編集を行っている。特にルールというものはないし、各々のスタイルで編集をして構わないと思っているのだが、これは気を付けた方が良いという部分がある。

 FM.LIMEでは現在「よすてびと~く」というピー音が鳴りまくる番組を投稿している。つまり内容はお察しなトークを行っている為、ピー音を入れている。しかし、私はこのピー音に関して実を言うと結構気を使っているのである。

 ただNGワードにピー音を重ねている訳ではなくて、実はこのピー音をかなり絞っている。そうするとNGワードは平気で聞こえるのだが、そもそも本気でそのNGワードを消すつもりはないのでそういうものだと思って欲しい。

 ただし、気に掛けなければならない事はNGワードが聞こえる事ではなく、聞こえている音そのものの話である。

 音楽でもそうなのだが、この音声コンテンツを聞く時って、スピーカーとイヤホンどちらが多いですか?と質問した時に、イヤホンと答える人の層は決して少なくないと思っている。特にスタエフはスマホアプリのサービスなので、わざわざパソコンから視聴するという人は少ないだろう。

 そして、スマホで再生をする人は、大体イヤホンを使っているのではないだろうか?そこが問題だと私は思っている。

 問題というのは視聴者に対してではなく、私自身の話だ。少し前に私の聴力が低下している事を書いたと思うのだが、イヤホンというのは高音が結構刺さりやすい構造になっていて、耳と言うのは高い音であればある程敏感であると同時に、聞こえなくなる音域でもある。つまり、年を取れば取るほど、高音域の音は聴こえにくくなる。残念ながら私の耳はmp3とほぼ同じくなってしまい、肌感とアナライザーで必要な成分かどうかの精査をしている。他にもまあ、音をモニターする方法はあるのだが、ミックスの話ではないのでこの辺にしておきたい。

 何が言いたいのかと言うと、ピー音で使われる音色は耳に刺さりやすい成分が含まれている。特にチ〇コと発言している場面で流れる音は金属そのものの音。というより、グロッケンの音色なのだが、鉄琴系の音は鋭い音なので音楽制作でもこのトラックのEQは結構高音の方は削るようにしている。音色的に埋もれにくい音だから、割とガッツリ削っても聞こえるので、音源が鋭くなりすぎる時は思い切ってカットしてしまうのも手だ。

 そのような形でこのピー音も音量を絞るようにしていて、耳障りな音にならないよう配慮をしている。気づいていない人の方が多いと思うし、こんな番組でこんな配慮をしているなんて思われたくもない。何よりこういう話をすると押し付けがましい雰囲気になるので話すのはカッコ悪いのだが、どうしてもこの話をしておきたいなと思う場面に遭遇したので今回のエッセイの執筆に繋がっている。

 私のようにNGワードを伏せる為に使う人は少ないのだが、呼び鈴の「チーン」を多用する配信者は思っている以上に多い。

 誰とは言わないが、この呼び鈴をよく使うタイプの配信者が居て、この使用頻度に私は耐えられなくなったのだ。

 例えば私のように音量を絞ったり、使う場面をある程度絞っているのであればまだ分かる。問題は一言一言喋る度に鳴らす、ほぼ無意味なSEの使い方をする配信者が居るのだが、その何となく感覚で使っている音って、本当に聴かせて良い音なのか?そもそも使いすぎじゃないのか?というのを考えてみて欲しい。

 使いすぎに関しては私もNGワードが多いので人の事を言えないのだが、音量はそれでも絞っている。

 音声コンテンツは音を扱うコンテンツであり、視聴者の耳に作用するコンテンツだ。つまり、そこで話されている事、表現している事が良くも悪くも伝わるのだが、良し悪し以前に使う音や扱い方で視聴者の耳を壊す原因になる場面がる。悪いけどこの呼び鈴多発系配信は視聴者の耳に対して大ダメージを与える行為に他ならない。

 割と厳しく言い切ってしまったのだが、私は例え暴言やシモネタを容赦なく言ったとしても、視聴者の耳に関しては配慮をしているつもりである。音質が悪いだけならまだ良いでしょう。ただ、刺激となる音の多用は配慮に欠けるのではなだろうか?

 番組の構成や演出以前に、視聴者の耳を守る事は考えた方が良いだろう。耳を痛くする配信は、内容以前に人が離れてしまう。シモネタなんかよりもはるかにダメージが大きいのだから。

 正直心当たりがある人、これから番組を投稿する人、そしてミックスをやっている人で倍音を出そうと手っ取り早く高音域を上げてしまおうと考えている人は、今一度考え直してみてほしい。

 良い音、良い作品に仕上げるのも表現者の仕事だが、視聴者の耳に拝領をする事も表現者の責任だと言う事はどうか覚えておいてほしい。

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