ストレスの質

 フリーランスを目指している人の全てとは言わないが、自分のスキルを磨こうとか、独立をして活躍しようという人より、会社や組織に所属する事、人間関係に疲れた人、そもそもそういう事に向いていないタイプの人がフリーランスになっているのではないだろうか?

 私も正直な話をするとそのタイプであり、それが原因とまでは言わないがきっかけの中には確実に含まれている。

 これでも私は正社員として社会人生活をしていた時期はある。それがまあかなり短い期間になり、そこからはフリーランスの仕事とアルバイトの掛けもちスタイルでやってきたのだが、完全なフリーランスになったのはほぼ今年に入ってからの話だ。アルバイトとはいえ、接客の仕事で店長やマネージャーを経験している分、キャリアとしては何だかんだ学びのある働き方が出来ていた事を自負している。

 しかし、やはり組織に所属していると、どうしても切っても切れないストレスというものが付いて回る。

 接客の仕事は7年半ほど勤務しており、社会人生活の中でもフリーランスの仕事を除くと一番長い期間働いていたことになる。良くも悪くも接客なら働ける事が分かったので収穫としては大きい。今後やるかは別として、向いているかどうかも別として、働けるという事が分かるだけで、何も出来ない人間ではないという自信だけはついた。

 音楽の仕事をやっているので、音楽を辞めない限りは遅かれ早かれ接客の仕事を辞めていたと思う。接客の仕事は最終的に会社の方針が気に入らずに辞めたのだが、本当に頭を悩ませていた時期の割合は、やはり学生バイト組の質の悪い店舗に配属されていた頃が一番ストレスを抱えていたと思う。

 昨今では何かとすぐハラスメントがどうこう言うし、権利を主張するスタッフが増えた。大体そういう人に限ってヘルプは行きません、出勤日数も増やしません。でも時給削られたくありません。そんなスタッフに限ってソリが合わないとなれば、すぐコンプラの部署に訴えて、何故かヘルプにも協力するし、出勤も協力している人がハラスメントの容疑者になって罰を受けるケースが多発している。私の働いていた店舗に限らず、こういう逆恨みハラスメントが横行しているのではないだろうか?少し前にやっていた「不適切にもほどがある」の最終回近くの回でもマタニティーハラスメントを扱う回があったが、それはあのドラマ内でもかなりの不愉快シーンだったと思っている。

 はっきり言うと、会社も会社で悩んでいると思う。すぐ辞められても困るけど、守るべき人を間違える。もう組織に人を守る能力は無いと思っていて、労働意欲もそうだが、余りに気持ちよく働く事が出来る環境ではなくなっているように思えてしまった。

 スタッフ間の仲の良い店舗での仕事は楽しかったし、本社に言われなくても仕事を探して実行しようという気持ちになれたのだが、スタッフ間の関係が悪すぎる店舗は安心して働くことが出来ない。

 勿論アルバイトなんて各々の都合で働きに来ていて、都合は各々あると思う。だからどうしても対等にはなり切れない部分はあると思う。多少公平性に欠ける部分があってもいいと思う。だが、権利主張が余りにも強すぎて、全員の権利を守ろうとすると、誰かが涙を流してしまう。

 テストやゼミでどうしても出勤が出来ないというのであれば、せめて他の人が困った時には助けるような動きをするのであればまだいい。しかし、自分のスケジュールを全て最優先にするのであれば、シフトを削られる事は仕方がないと思う。何故ならその現場には確実に仕事の穴を埋める苦労人がいるはずだから。助け合いってなんですかね?と何度思っただろうか。

 と、思い返せば切りがないのだが、これらの悩みがフリーランスになるとほぼ全て無くなっているのだから、そりゃ仕事が減ったり、収入が減ったりしてもストレスという点においてはかなりのメリットである。ここに悩みを持たなくて良い環境ってなかなか探すことは難しいから。

 勿論仕事を全て自分で探さないとならないし、クラウドワーク系で探したり、営業をかけるのもそうだし、場合によっては求人サイトから業務委託を探すという方法で仕事を探しにいくことになる。恐らく仕事を探さずに済む期間ってフリーランスにはほとんど無いんじゃないかな。

 これらにストレスを感じない、或いはやっていく自信があるのであれば、正直正社員でストレスの原因となるものと付き合いを続ける事なんかより、間違いなくフリーランスの方がストレスは減らせるだろう。

 会社の看板の大きさって辞めてから身に染みると言うが、ちゃんと営業活動をやったり、業務を行ってきた人であれば大なり小なり勝負が出来るものでもあるよ。会社だって別に仕事を取りにいってる訳じゃなく、社員が頑張っているわけで、その頑張りを自分でやればいいんじゃないかなと。

 と、こうして仕事探しをサボりながらnoteの執筆をしている私が言っても説得力は無いのだが、いつでもお客を取りに行く姿勢を持っていれば、何だかんだ何とかなるものだ。

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