見出し画像

【読書日記】まんがでわかる ヒトは「いじめ」をやめられない

衝撃のタイトル!いじめを「やめよう」ではなく「やめられない」

私がこの本を手にしたきっかけは、女子プロレスラーの木村花さん死去のニュースを知ったことがきっかけです。

ソーシャルメディア利用環境整備機構も、

ソーシャルメディア上の名誉毀損や侮辱等のコンテンツ投稿への対処や取り組みを進めるそうです。

この本は、現在働いている職場でいじめやパワハラ行為を受けている方に読んでいただきたいです。

私はこの本でパワハラの概念が180度変わりました。


著者の中野信子さんは脳科学者、医学博士。テレビ番組のコメンテーターとしても活動されてる有名な方ですね。


■なぜヒトはいじめをやめられないのか?

結論は、本のタイトルどおり「ヒトはいじめをやめられない」

その理由は、

いじめという行為は人間という生物種が進化の過程で身につけた「機能」だからということです。

ヒトはいじめることに快感を得られるように進化してきたということです。

ヒトの武器は集団です。

著者は人類が生き残った大きな理由のひとつが、

脳の前頭前皮質という部分が大きく発達したことを要因として挙げております。

前頭前皮質とは「社会脳」と呼ばれ、

他人に共感したり、集団で協力して行動するなどの

「人間らしい社会的活動」を促す働きをしています。

種を残すために社会的集団をつくり協力的行動をとってきたヒトにとって最大の脅威は、

マンモスでもなく別部族でもなく、

内部から集団そのものを破壊してしまう「フリーライダー」こそが最大の脅威だということです。

フリーライダーとは「タダ乗りをする人」つまり協力的行動を取らない人、

邪魔をする人、ズルい人のことです。

集団を維持するために、

集団にとって危険になりそうなフリーライダーを排除する制裁行動も、

もともと脳に組み込まれた機能なのです。

つまり、いじめは人間の本能である可能性が非常に高いため、

どんなに対策をとってもなくならないというのです。

■男はパワハラ、女は村八分

そして脳の構造上いじめには男女差があるそうです。

女性は愛情ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」の分泌量が多く、

その特徴である「仲間を作る」ことが過剰になると、

妬みなどの負の感情を引き起こし「排外感情」も同時に高めてしまうことがわかっているそうです。

画像1

画像2


また男性の場合、

支配欲や攻撃性を強める「テストステロン」というホルモンが多く分泌されるため、

肩書や給料や学歴など上下関係をつけたがる傾向にあります。

男性の集団やグループ派閥を作るだけではなく、

組織の中で自分がいかに有能であるか、

自分の所属するグループがいかに優れているかということに重きを置くため、

派閥争い力によるパワハラに発展してしまうことも多いのです。

画像3

画像4

画像5

画像6

■本能を「コントロール」し、いじめを「回避する」

いじめのはじまりは「間違っている人を正す」という気持ちから発生するそうです。

自分が所属する集団を守るために、

ルールに従わないものに罰を与えるという正義によって制裁を加えるので、

正義達成欲求所属集団からの承認欲求が満たされドーパミンの快感が得られます。

今回の木村花さんに対するネットの社会で炎上がなぜ起こるかといえば、

どんなに過激な言葉を使っても、

匿名性があるので仕返しされるリスクが低いからです。

誰もがドーパミンの快楽を求めて叩く相手を探して「自分は正しいことをしている」と感じることをしています。

いじめの本質は"妬み"なのだそうです。

いじめの回避策としては「類似性」「獲得可能性」を下げる工夫が有効だそうです。

類似性は性別や職種や趣味嗜好などが、

どれくらい似通っているかを記す指標。

獲得可能性とは相手の持っているものに対して自分がそれらを得られる可能性のことです。

この2つが高いと、

自分と同じような人が自分が手に入れられないものを手に入れた時に妬みが生まれやすい。

そこで回避策としては類似性と獲得可能性を下げるということですね。

類似性を下げるには、

女性ですと「若さ」や「女性らしさ」を前面に出さないことなどです。

獲得可能性を下げるには「あの人には敵わない」と思わせることが効果的で、

例えば「自分はこの仕事や分野に関してはプロである」ということをみせる演出が大事だそうです。


■〈タルイ的考察〉今度はパワハラ上司がいじめられる番です。


あなたはもうご存知かも知れませんが、パワハラ上司は基本メンタルが弱いです。

パワハラ上司が部下を怒鳴りつけてしまうのは、

劣等感の強い人です。


気が小さく自信がないため部下に舐められて自分が傷つくのを常に恐れています。

承認欲求が人一倍強く

相手(特に上司に)認められたくて、

自分を有能にみせたがります。


自分も新人時代は上司から厳しく躾けられたと、

同じ行為を部下に教育という名目でします。

つまり自信がないことが相手にバレないだろうかと心配で先手を打つために攻撃的になってしまっているだけなのです。


そんなパワハラ上司に転機が訪れるのです。

2020年6月にパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)施行されます。

パワハラをすることはルールで禁止になりました。

著者の言葉を借りて説明すると、

集団の中でルール違反をするフリーライダーは制裁行動の対象です。

つまり、今度はパワハラ上司がいじめの対象です。

かつて魔女狩りと呼ばれた暗黒歴史がありました。

歴史上の魔女狩りの事例の多くは無知による社会不安から発生した集団ヒステリー現象であったと考えられています。

集団ヒステリーによるパニック。

いままさにコロナ禍の日本は社会不安から集団ヒステリーになりかけております。

私はパワハラ上司はいなくなってほしいと心から願っております。

しかし同時に魔女狩りはあってはいけないとも強く思います。


最後までお読みいただきありがとうございます。

スキを頂けると書くモチベーションになります。

コメントを通じてnoteで交流ができれば嬉しいです。一言でもいいので感想ください。




記事がお役に立てたら100円サポート願います。 noteで頂いたサポートとAmazonアフィリエイトは児童養護施設を退所する子どもたちの就労支援団体ブリジッフォースマイルさんに毎月寄付させていただきます。https://www.b4s.jp/action/contribution