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【読書セラピー】泣きたい日の人生相談「もうこれ以上どうしていいかわからない😢」そんな泣きたい日には哲学を。

突然ですが、あなたは今

「どうすればいいかわからない」

と悩んでいることはありますか?


・先行きの見えない将来
・お金の心配
・仕事や人間関係のストレス
・恋愛の苦しみ


などなど

現代を生きる人たちは
様々な悩みを抱えていますよね。


もうこれ以上
どうすればいいか
わからない(涙)


そんな泣きたい日にこそ
おすすめしたい本があります。



著者はあのベストセラー
『嫌われる勇気』の
岸見一郎さんです。


画像出典:https://amzn.to/3qjEVqf

岸見 一郎
1956年生まれ。哲学者、心理学者。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。奈良女子大学文学部非常勤講師などを務める。専門のギリシア哲学研究と並行してアドラー心理学を研究。ベストセラー『嫌われる勇気』(古賀史健との共著、ダイヤモンド社)のほか、多数の著書がある。


本書は2017年から
クーリエ・ジャポンで連載している
「25歳からの哲学入門」から
30回分を厳選してまとめたものです。


私が本書をおすすめする理由を3つ。

一つ目は、
実は岸見さんが過去に
精神科の医院に勤務していて
カウンセリングをされていた
経験があること。

有名人の誰某が
片手間でやってる
テキトーな人生相談とは
中身が違います。

一方的に諭したり
発破をかけるだけのような
アドバイスもしません。



おすすめの2つ目
その中身についてです。

本書が類書との決定的な違いは
哲学が根幹にあるところです。

岸見さんいわく哲学とは

「この人生をどう生きるか?」

「対人関係の問題を
 どう解決すればいいか?」


これらを考えることが
哲学だと考えてます。

つまり、

「幸福とは何か?」
といったWhatが哲学なのではなく

「幸福であるためには
 どうすればいいか?」

といったHowこそが
岸見さんが考える哲学なのです。


よって、
本書のアドバイス
極めて実践的です。


おすすめの3つ目
そのアドバイスの内容です。

岸見さんのアドバイスは
ぜんぜん「ポジティブ」
じゃないんです。

岸見さんは
本書について

何でも思い通りになると考える
ポジティブな人には
「後ろ向き」に見えるかもしれない

と書いてます。


ポジティブなアドバイスとは
つまり、

物事の良い面を見て
思考や感情をコントロールして
現実を変えよう!

とか、


自分の力で人生を
切り開くと信じて
自己肯定感を高めよう

とか、


成功や幸福を追求して
自信やモチベーションを
維持しよう!


のような


「それが出来ないから
悩んでるんじゃねえか!」


と、ツッコミたくなるような
アドバイスは書いてないのです。


そういう意味において

人生相談本に
癒し共感励まし
求めてる人には
向いてない本でしょう。


ですが
私はそこが実践的で
良いと思って紹介します。



本書は、本気で悩みを
解消したい人向けの本なのです。


ここからは
各章ごとの目次と
私が気になったアドバイスを
ピックアップしました。


◆第1部 自分のために生きる心得

自分のために生きるとは、
自分の意思で行動し
幸せを掴むことです。

自分のやりたいことをやる人
とも言えますね。



以下はこの章に書かれてる悩みです。

Q1:心機一転、新しい自分になるにはどうしたらいいでしょうか?

Q2:
やらなければいけないことが多すぎて、いつも精神的に急かされています。
どうしたらストレスを解消できますか。

Q3:
どうしたら自分のことを好きになれますか?

Q4:
いつも人にいい顔ばかりをしてしまう自分に、うんざりします。どのように振る舞うことが正解なのでしょうか。

Q5:
平穏な日々を過ごすことができて満足しています。でも、この幸せがいつまで続くのかと思うと怖いです。

Q6:
どんな状況でも前向きに乗り越えられる、強いメンタルがほしいです。


以上の中で
私が深く感嘆したのがこちら

Q2:やらなければいけないことが多すぎて、いつも精神的に急かされています。どうしたらストレスを解消できますか。

これは私の悩みと同じだ…

性格的にいろんなことに
手を出し過ぎて
いつも収拾がつかなくなる私

…泣きたい😭


さて岸見さんのアドバイスは

A:ストレスはギャップから生まれます。
「理想」と「現実」の隔たりを
いかにして埋めるかが鍵です。

22p

おぉ! 


ストレスとは
「理想」と「現実」のギャップ


この考え方は新鮮ですね!


つまりはこのギャップを
縮めれば良いということですか!


その方法は2つあって
一つの方法は「理想を下げること」

それはつまり
「しなければならないことを減らす」


そのためには
「絶対に」しなければならないかを
見極めることから始める。


なぜならば

「これは必ず
 やらなければいけないんだ」

と思い込んでいるだけ

ということも多々あるからです。


もう一つの方法は
「現実を高める」ことだそうです。

岸本さん曰く

人間には

「しなければいけないこと」
「したいこと」
「できること」

しかない。

このなかで現実的に
まず着手可能なのは
「できること」しかない

そして、
できることから始めるとは


・まず「少し」やってみる
一度に全部やらないで、
ちょっとやったら一度休んで、
また少しやってみる。

なるほど。

この方法は、
私のnoteの書き方と同じでした。

補足しますと岸見さんの返答に用いた
論拠を調べてみたところ


「must」「want」「can」
で考えることは
ソリューション志向短期療法
(Solution-Focused Brief Therapy)
というカウンセリング手法に関連してそうです。


理想と現実のギャップは
現代カウンセリングの父ともいえる
カール・ロジャーズの
自己一致理論がベースですね。

哲学だけでなく
カウンセリング手法も
しっかりと書いてあります。




◆第2部 人生の苦悩と向き合う


人生の苦悩や向き合うのは
誰にとっても避けられないものです。

Q7:人生のすべてにおいて不安です。今の仕事も将来どうなるかわからず、貯金もわずかでパートナーもいない。どうしたらいいのでしょうか。

Q8:今が不幸というわけではありませんが、幸せでもありません。もっと幸福に 生きられる方法はあるのでしょうか。

Q9:特に情熱を傾けるものもなく、これといった人生の目標もありません。このまま歳だけを重ねていくことに不安を感じています。

Q10:目的があって貯金をしようとしているのですが、そうすると普段の生活を切り詰めることになり、楽しく過ごせません。

Q11:老後の生活が心配です。将来何歳まで働かないといけないのか、そもそも仕 事があるのか。考えると不安になります。

Q12:
月曜日や連休明けが、憂鬱すぎてつらいです。どうしたら、少しでも気分が軽くなるでしょうか。

Q13:
最近、歳を重ねていくことが怖くなってきました。

Q14:
やりたくない仕事にどうやって向き合えばいいでしょうか。

Q15:
仕事や人付き合いで忙しく、心に余裕が持てません。

Q16:
どうしたら、五十代以降を今まで以上に楽しく生きられますか?



ちょっとネットに実際の本書の画像が
ありましたので

本書の実際の雰囲気の体験に引用します。

出典:https://ddnavi.com/review/1117027/a/


こちらの相談にたいして
岸見さんのアンサーは

出典:https://ddnavi.com/review/1117027/a/


「ぐちぐち言わずできることから
 やってみるしかない」


そうです岸見さんは
「昭和の人」なのです。
「ズバリ言うわよ」タイプです。



たしかに
楽しく生きることは
多くの人にとって理想的です。

しかし現実には
すべての面で
不安を抱える人々がいます。


貯金もわずかで将来が見えなかったり
パートナーがいなかったり
何をすればいいか分からない
と嘆く人々もいます。


哲学者キルケゴールは
不安の対象は「無」である
といってます。

つまり何となく不安なのです。
あれやこれや出来事によって
不安なのではなく

(無)であることが不安なのです。


対照的に
災害や事故などに対する「恐れ」

不安と比較して考えると
明確な対象があるために
それに対処することができます。

しかし、
将来の仕事貯金
パートナーがいないこと

これに対する不安は
対象が明確ではありません。

不安を感じる人は
アドラーに説明させると

「防御のために、手を伸ばすか
 時折危険を見ないでいいように、
 もう一方の手で目を覆う」

『性格の心理学』より


つまり、恐怖を感じるのなら
完全に立ち止まるか
逃げ出すだろうが

不安な人は課題の前にためらい
優柔不断になっているだけ

というのです。



そのために
できることから
始めてみることが大切です。


不安を理由に物事が果たせない
と考えることは「逃げ」であり

その結果が期待できなくても
再度挑戦すべきとおっしゃてます。



◆第3部 人間関係のストレスを乗り越える


人間関係のストレスを乗り越えるのは簡単なことではありませんね。

人間関係のストレスは、
心や体に圧がかかり
ゆがみが生じている状態です。

不眠・抑うつ・気持ちの落ち込みなど

さまざまな症状を
引き起こすことがあります。

Q17:どうしたら、自分の嫌いな人とストレスにならずに付き合っていくことができますか?

Q18:新しいコミュニティに参加して、知り合いを増やしたいと思っています。ですが、その一方で友だちを作るのがとても億劫です。

Q19:どうしたら心を広く持って人に接することができるでしょう。すぐにイライラしてしまいます。

Q20:私がやることにいちいち嫌みをいったり、どなったりする上司に耐えられません。

Q21:仕事をしないくせに人のことに口出ししたり、意見だけは主張して自己アピールに全力投球だったり。そんな同僚が大嫌いです。

Q22:アドラー心理学では、子どもを「ほめない」「叱らない」「対等に接する」 とありますが、なかなか実践できません。


私が注目したのは

Q20:私がやることにいちいち嫌みをいったり、どなったりする上司に耐えられません。

「嫌み」と「怒鳴り」
耐えたくないですよね。

この悩みに対しても
岸見さんはズバリ言ってくれます。

A:「やたらと怒鳴る上司は無能なだけです」

その通りです!
よくぞ書いてくれました!

そして、

「怖い上司」は「あなた自身が知らぬ間に作り出している」

おっと、
これはどういうことかというと



「怖い上司」という存在には、
著者によれば2種類のタイプが
あるというのです。

一方は
「部下を叱責することが
 教育に必須だと信じる上司」

もう一方は
「自分の能力不足を
 部下に見抜かれることを恐れる上司」

です。


これらの上司の目的や
態度は異なります。

前者は部下が繰り返し失敗し
成績が伸びないために叱責して

それを正す必要があると考えて
「怒り」に任せて部下を叱責します。



後者は自分自身が
「無能」であることを隠すために

「部下を貶めることで
 自分の価値を高めよう」

と考えて叱責します。

アドラーの言葉を借りると
「価値低減傾向」にある上司です。


このどちらのタイプの上司も
相手を変えることは難しいです。

よって、
上司がどんな態度を取ろうとも
顔色をうかがわずに

指摘が正当であれば受け入れ
間違っていれば正そうとする

という姿勢を持つことは
一つの防衛手段となります。

また、
「上司からどう思われるか」
という呪縛から解放されるためには

日常的に
「嫌みを言ったり怒ったりする上司」だけが
自分を評価してくれるわけではない
ことに気づくこと。

他の上司や先輩、同僚、顧客なども、
あなたの献身的な働きを
評価してくれる可能性があります。

自分と向き合い、
自分に貢献感を抱くことが
できる人々に焦点を当てることで

上司の評価に囚われることなく
解放されることが
できるということです。



◆第4部 恋愛、結婚の哲学


恋愛と結婚の哲学とは
私が今まで考えたことない
分野の哲学でした。

古代ギリシャの哲学者プラトンは、
「魂の片割れを探す」

というプラトニックな
愛の概念を提唱しました。


一方、
フランスの哲学者サルトルと
ボーヴォアールは、
契約結婚という
自由な男女の関係を実践しました。


Q23:もうこれ以上進展がない相手との関係をどうやったら断ち切って、前に進むことができますか。
Q24:興味がない人からは好かれるのに、振り向いてほしい人には相手にされません
Q25:好きになってはいけない人を本気で好きになってしまいました。いけないことと理解しつつも、別れることができません。どうしたら、この関係を終わ らせることができるでしょうか?
Q26:恋人との口論が絶えません。些細なことですが頻度が高いと、うんざりしてしまいます。
Q27:最近、セックスレスで悩んでいます。これは修復不可能なのでしょうか?
Q28:
いつも問題のある人とばかり付き合ってしまいます。幸せな恋愛がしたいです。
Q29:
誰かを「愛する」というのは、どういうことなのでしょう?
Q30:
いつまでも互いを思いやることができる関係を保つコツを教えてください。

この中で私がセレクトしたのは

もしも、私に相談されたら
なんて答えたらいいのかわからない
こちらの悩み

Q26:恋人との口論が絶えません。些細なことですが頻度が高いと、うんざりしてしまいます。

昔から
「夫婦喧嘩は犬も食わない」
ともいいますし

他人が仲裁できる
問題でもないと思ってます。


この問題に対して岸見さんは
またしてもズバリ言います。

A:喧嘩をするほど仲が良いという人がいますが、そんなことはありません。
口論している二人は、もはや愛し合っていません。

もはや愛し合ってない…

またすごいこと言い切ってます。

アドラーは
「怒りは人と人を引き離す感情である」
といってます。

口論することには目的があります。
この人とはもうやっていけない、
別れようと思いたい時、

そう思えるような感情を
作り出すために

言い争いをするのです。

また口論することで
屈折した承認欲求を
満たす場合をあります。


ではどうしたらいいかというと

一つは、
初めて会った時にどうだったかを
たびたび思い出すこととあります。

最初のころは相手を傷つけないように
配慮があったよねー
を思い出せということですね。


次は、相手への要求を
怒りの感情をつかうのではなく
「お願い」に変える。

疑問文「〜してくれませんか?」
仮定文「〜してくれると助かる」

など
もちろん断られることもあるけれど
このような努力をすることで
喧嘩ばかりのころより
穏やかな気持ちで過ごせることに
気づかるそうです。


そうなんですよね。
口論になったときに必要なのは

内容の是非より
穏やかな気持ちでいられる
ことですよね。



◆〈私のまとめ〉泣きたい日には哲学を


最後に私の感想を一言にまとめると

「泣きたい日には哲学書を読む」

これに尽きます。


泣きたい日には
感情的になりがちです。

哲学を通して自分の考えを整理し
論理的に問題を解決する方法を
身につけることができます。




泣きたい日には
人生の困難や不条理に
直面することが多いです。

哲学を通して自分の幸福の条件や
価値観を見つけることができます。


泣きたい日には
孤独や苦しみを抱え込みがちです。

他者との対話において
「哲学者の⚪️⚪️が言っていたが…」
を挟むことで
信頼関係を築くことができるかもしれません。


現代を生きる人たちが抱える
様々な悩みに対して

多くの哲学者がすでに
答えを出しています。


哲学の知識や生き方のヒントを
提供してくれるのです。



「泣きたい日には哲学書を読む」





哲学書を読むことは、
自分の心や世界について
深く考える機会になります。


その中で、
自分にとって納得できる答えや
幸せな生き方を
見つけられるかもしれません。

まずは本書がおすすめです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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