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自分が練習し、積み上げてきたシュート技術を試合の流れの中で100%に近い形で発揮する〜身体の状態②〜

前回の記事で、"状態" の事を書かせてもらったので今回からは、そこからもう一個踏み込んで、
状態についての一つ一つの重要な要素とそれをどうしたら身に付けられるかについて書いていきたいと思う。

シュートモーションに入る前と入る時、そしてシュートを打つ時に良い状態を保つ事が大事だと前回述べたが、
詰まる所、敵を外す時からシュートを打った後まで

常に良い状態である事が大事だと言う事である。


例えば、

左サイドでボールを持っていて敵と正対している時に、中に切り込んでシュートを打つプレーを選択するとする。

ボールを運んでいる時、
いざ中に切り込む時(敵を外す時)、
そこからシュートを打つ時、
打った後の姿勢

までの全てが良い状態であると試合の中で活躍しやすくなるということだ。

ほんとに上手い選手は試合中、いつ写真を撮られても立ち姿やドリブルしてる姿、キックを打つ時など殆どが美しく、サマになっている。常に良い状態なのだ。

ブラジルで初めてネイマールをスカウトした人は、幼少期のネイマールがサッカーの観客席で走り回っている姿を見てスカウトしたくらい、自分のフットボールと身体の関係性は密接であるといえる。

そもそも良い状態とはどういうことなのか?私が定義付けするなら、


良い状態=
"プレーからプレーの切り替えがスムーズに継続出来る上に、自分の力をフルに出せて尚且つ判断を無理なく変えられる状態のこと"


とさせてもらう。

(1)プレーからプレーへの切り替えがスムーズに継続出来るとは、、
走りからのトラップ、切り返しからのシュートなど一つ一つの別々の動きや、やる事が一連の動作のようにスムーズに行われること。
○スムーズにシュートまでいける(ノッキングや、一度シュートを打つために状態を整える必要がない) 


(2)自分の力をフルに出せるとは、、
自分の持ってる身体のキレや、キック力などの身体的能力をいつでも出せること。
○自分が練習し、積み上げてきたキックの技術・パワーを試合の流れの中で100%に近い形で発揮できる ←《今回のテーマ》


(3)判断を無理なく変えられるとは、、
自分のしようとしたプレーに敵が反応してきたら、時間をかけることなくしようとしてたプレーやめてスムーズに違うプレーを選択でき主導権を握り続けられる
(仮にDFにシュートブロックされそうになっても、もう一個どの方向にも勢いを保ったままスムーズにドリブルで運べる身体の状態)
 ↓前回の記事を参照して下さい
https://note.mu/football_lab/n/n4fbcc42302bc
(フットボールと身体の関係について) 


この事から、良い状態であることは試合中に活躍しやすくなる事と関係があるといえるだろう。



そして今回はこの

自分が練習し、積み上げてきたキックの技術・パワーを試合の流れの中で100%に近い形で発揮できる


についてもう少し詳しく書いていく。

正直なところ、状態など気にしなくてもシュートは入る時は入るし、後ろに重心を残すようなキックなどがその人にとって蹴りやすく思った所にいく蹴り方ならあえて変える必要も無いだろうと思うだろう。

しかし、仮に重心を後ろに残すようなキックが癖になっている場合、

自分の力が100%ボールに伝わらないのだ。

例を出すと、
立った状態で台所に置いたりんごを切るとき、片脚を引いて後ろ重心で切ってみるところを想像して欲しい。
硬いものな為、手の先の方の力を余分にいれて切ることになる。力が伝わりづらく凄く切りにくい事が想像できるだろう。自分の身体の重心が真ん中に取れているからこそ力を余分に入れる事なくスパッとりんごに対して自分の身体の力が伝わるのだ。

そして、りんごに包丁が入ったら最後まで押し切る。

"切れ目を入れて終わりじゃない。"

これらと同じ事がサッカーの中でも起きている。


プロの選手や海外でプレーする外国人選手達は、試合を観ていると迫力がある。

もちろん、そもそものパワーの違いというのはあると思うが、大きく違うのは自分の持っている力(パワー)を100%発揮できているという点だ。

鋭いシュートにしても、豪快なスライディングタックルにしてもボールがある地点に100%で達するようにアプローチしているのではなく、ボールがある地点の一個奥に100%で達するようにアプローチしている。
切れ目を入れるのが目的ではなく、切りきるのが目的なのだ。

前者の意識でアプローチしようとするとどうしても目的としてる地点に着く時に100%を出し切ってしまうので、その地点で力や動きが止まる形になる。

後者の意識でアプローチしていくと、目的としている地点は、前者の一個奥の地点なので前者の地点を超えても進み続け側から見ると勢いが出てるように感じる。
そして実際にも後者の方が、パワーが出ているのだ。

重心が後ろに残るキックは、*押し切る のが難しいく前者のようになる、
重心が真ん中にありキック後の蹴り足が前に押し出されて自身も前に進んでいくようなキックは後者になる。
重心が身体の真ん中にあるということは、片脚立ちした時にバランスが取りやすくなっているということ。つまり、軸足が安定するということとなる。
軸足が安定する=キックのコントロールがしやすくなる。

なので良い状態というのは、自分が練習し、積み上げてきたキックの技術・パワーを試合の流れの中で100%に近い形で発揮できる状態であると言える。


もちろん自分の積み上げてきた蹴り方があっても良い。ただ私はうまく使い分けられるのが一番良いのではないかと提案する。

プレッシャーが早い中だとシュートやロングキックが蹴れない選手や、キックを蹴ろうしたがプレーを止める判断をした時に、それまで持っていた勢いを次のプレーに活かせない選手など、それはやっぱり自分の身体に染み付いたベースの蹴り方が棒立ちの蹴り方や重心が後ろに残ってる蹴り方だからだと思われる。


次回は、スムーズにシュートまでいくについて詳しく説明していくので是非また目を通してもらえたら嬉しいです。

また、どうやって良い状態を作るのかといった実践編についても後々掲載していきます。




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