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21/22プレミアリーグ第1節ノリッジvsリヴァプール【ノリッジシティFC:レビュー】

1年ぶりのプレミアリーグの舞台。観客が戻ったキャロウロードは激アツな雰囲気でした。そんな中、開幕戦の対戦相手はリヴァプール。1年前のプレミアリーグ開幕戦もリヴァプールが対戦相手でした。


スタメン

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基本システムは4-3-3で挑みます。プレシーズンマッチで好プレーをしていた若手CBオモバミデレは扁桃炎のため欠場。代わりにハンリーが入ります。先日のユーロ2020で負傷していましたが間に合いました。

新加入のギルモア、レースメル、ラシツァが先発。ツォリス、サージェントが控えに入ります。

攻撃時の狙い~ビルドアップ~

CB2枚とアンカーのギルモア。加えてレースメルかルップが加わって前進を狙います。リヴァプールのプレスは前線の3枚から始まります。真ん中のジョタはアンカーのギルモアへのパスコースを消します。WGのサラーとマネはSBのヤヌリス、アーロンズへのパスコースを消します。
サラーとマネに関してはプレスの強度は高くないので、CBのギブソンは左SBヤヌリスへ浮き球でパスを通すシーンがありましたが、難易度が高くリスクがあるので、選択肢としての優先度は低くなります。

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となるとCBのギブソン、ハンリーの選択肢は中央しかありません。しかしギルモアはジョタにマークされています。
そこで登場するのがインサイドハーフのレースメル。またはルップです。その2人を経由することで、SBに展開したり、ギルモアが前を向いてボールを受けたりしていました。特にレースメルは基本ポジションを高めに取っていたため、ギルモアの横、ハンリーの前にはスペースがあり、タイミングを合わせてパスを引き出していました。


攻撃時の狙い~サイドでの崩し~

前進に成功した次。サイドでの崩しについてです。

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サイドでは三角形またはひし形を形成し、ツータッチ以下の細かいパスでプレスをいなします。そして、中央のギルモアやレースメルを経由して逆サイドに展開し、ペナルティエリア付近へさらに前進します。
とりわけ、左サイドから右へはギルモアが。右サイドから左へはレースメルがそれぞれ担当していた様にも見えました。

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その後、高い位置にポジションを取ったSBのヤヌリス、アーロンズがクロスのチャンスを作り出します。

このようにリヴァプールの前線をいなし前進。リヴァプールの中盤をいなしてエリア付近に侵入まで出来ます。

サイドで人数をかけ、選手間を近い距離で保つことで、プレスをいなせる他だけでなく、ボールを奪取された際には即時奪回を狙うことが出来ます。サイドでは必然的に相手との距離も近くなるので、そこで守備を完結させることが狙いです。以前からリヴァプールも用いていたゲーゲンプレスを、ノリッジも用いている形になります。

SBが高い位置でボールを持てた次。これについては様々な改善点があるようです。
崩しの局面に人数をかけることで、肝心のエリア内に人数が少なくなること。また、SBの選択肢が無くなることでリヴァプールの守備が整ってしまうこと。シュートを打ててもエリア外から狙うことになってしまうこと。
この辺りは、プレミアリーグのスピード感に慣れきっていない、という捉え方も出来ますが、改善点として今後も注目したいです!


新加入選手の可能性

先発に入った今シーズンの新加入選手はギルモア、レースメル、ラシツァ。交代でサージェントが途中投入されました。

ギルモアについて。基本システムを従来の4-2-3-1から4-1-2-3へ変更したように、彼を生かす戦い方でシーズンを進めるようです。
タスクとしてはDFラインからの前進と左右の両サイドへの展開をすることです。決定的なラストパスはありませんでしたが、彼によってリヴァプールのプレスを回避し前進することが多くできていました。

レースメルもギルモア同様、ビルドアップの局面でタスクをこなしていました。
加えて彼のミドルシュートについては大きな期待があるようです。プレシーズンマッチのジリンガム戦では逆足の左足で強烈なミドルシュートを突き刺しています。サポーターも彼がエリア外でボールを持つと、「shoooot!」の声援が誰よりも大きかった気がします。

ラシツァは77分までの出場でしたが多くのタスクがありました。攻撃時にはドリブルでの仕掛け、SBやインサイドハーフと連携しての崩しが良かったです。特にドリブルは両チーム最多の5回のでした。
守備面でのタスクは難しいものでした。リヴァプールのSB、多くはアレクサンダー=アーノルドが高い位置を取るので、そこの対応をどうするのかは1つありました。この点については後述します。

サージェント15分ほどの出場でしたが、その中でも2回ほどチャンスを作り出しました。1つ目はキャントウェルと中央をパス交換で攻略したシーンです。解説のベンさんがおっしゃっていましたが、「プレミアリーグに挑戦したいけどノリッジのことは知らない」と笑 しかしそんなことは感じさせず、速いテンポでのパス回しをこなしていました。
2点目は右SBアーロンズが高い位置でボールを持ったとき、リヴァプールの左SBとCB間から抜け出したシーンです。その後シュート性のクロスでラインを割りましたが、優位な位置でボールを引き出せていました。

89分のシーン

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押し込まれた守備時の陣形

守備時の第一優先は即時奪回ですが、出来なければ陣形を引いて構えます。それに対してリヴァプールは両SBを高くかつ幅を取りますが、そこに対応できず失点に繋がってしまいました。

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画像は18分のシーンです。リヴァプールの左サイドからマティプにボールが渡ります。ミルナーがDFラインに降りたため、マーカーであるルップがマティプにプレスをかけます。
この時点で高く幅を取ったアレクサンダー=アーノルドがフリーの状態となりますが、時間とスペースも与えてしまいます。同様の形で26分、中央のサラーへボールが入り失点してしまいます。

以下は両チームのSBのヒートマップです。
ノリッジのSBに比べてリヴァプールのSBの方が高い位置を取っています。前半が顕著でしたが、リヴァプールの両SBは、やはり試合を通して高い位置を取っていました。そこを攻撃の起点にさせてしまうことで、陣形を押し込まれる展開となってしまいました。

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これに対し、35分辺りからは左サイドにカントウェルを配置し、アレクサンダー=アーノルドの位置まで下がることで対応。後半からは守備時の基本システムを4-1-4-1の様に、ラシツァとカントウェルの位置を下げることで対応しました。

変化前

守備1

変化後

守備2


まとめ

結果としては3失点してしまいましたが、随所でリヴァプールのプレスを細かいパスでかわし、チャンスを作っていました。これは2年前のプレミアリーグ開幕戦リヴァプールとの戦いと同様です。
力で負けてしまいましたが、テンポの良いパス回しでプレスを掻い潜り、チャンスに繋げるサッカーは、自分がノリッジシティFCを好きになったきっかけでもあります。

今後は2節でマンチェスターシティ。3節はレスターシティー。4節にアーセナルと戦います。ノリッジにとっては厳しい戦いになると予想されますが、勢いをつけるためにもまずは1得点。そして勝利を期待したいです!おてびし!

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21/22プレミアリーグ第1節 8月14日@キャロウロード
ノリッジシティFC 0-3 リヴァプール
得点者:26分ジョタ(LIV)、65分フィルミーノ(LIV)、74分サラー(LIV)
引用、参考:TACTICAListaWhoScored.com

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