見出し画像

【フォレスト出版チャンネル#230】他社本研究|『ボイステック革命』(緒方憲太郎・著、日本経済新聞出版)

このnoteは2021年9月30日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

『ボイステック革命』は、出版業界にとっても実験的な1冊

渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティの渡部洋平です。今日もフォレスト出版チャンネルの人気コンテンツ、【出版の裏側】をお届けしたいと思います。それでは、編集部の森上さん、寺崎さん、よろしくお願いします。
 
森上・寺崎:よろしくお願いします。
 
渡部:よろしくお願いします。さて、前回は寺崎さんから「他社本研究」ということで、『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』について研究した結果をお話してもらいました。今日は、森上さんの番ということで、森上さんに1冊取り上げてもらい、その本について熱く語っていただきたいと思います。
 
森上:はい。今回取り上げる本は、皆さんご存知、Voicyの代表である緒方憲太郎さんの『ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦』という本ですね。今年(2021年)の6月に出た本で、音声メディア、音声コンテンツの可能性、その市場についていろいろと分析された本です。こちらを取り上げていきたいなと思います。実際、ある程度しっかり売れているということも数字で見てわかるので、いろいろと参考になるかなと思います。寺崎さんは、これってお読みになられたりしました?
 
寺崎:まだ見てないんですけど、ならではの仕掛けがどうなっているのかなって、ちょっと気になっていたところですね。
 
森上:そうですよね。まあ、内容的なところでいくと、それこそ緒方さんならではのお立場的なところから、音声メディア、音声市場というのはどうなっているのかとか、音声でのコミュニケーションをGAFA中心にどう注目しているのか、そういった事例とか、データを基に解剖をしている本ではあるんですけど、僕がおもしろいなと思ったのが、このカバーを見ていただくとわかる通りQRコードがついてるんですよ、帯のところに。これでQRコードを読み込むと、緒方さんの解説が聞けるんですよ。
 
寺崎:あ、それは新しいね!
 
森上:そう。本と音声っていうのをつなげていこうという取り組みをまずカバーでやられていたりとか、あと、本の中でも結構QRコードがバンバン出てきて、そこに対して緒方さんの解説が聞けるというかたちで、いわゆるテキストコンテンツの良さと、またそれとは違った音声コンテンツの良さの掛け算をこの本で実現しているところがすごく魅力的で、実験的な本だなと思っています。
 
寺崎:そのQRコードが飛んだ先っていうのはVoicyのチャンネルとかですか?
 
森上:そうです。実際にやってみたらわかる通り、この本のためのチャンネルがあるんですよ。
 
寺崎:Voicyの中で?
 
森上:そうそう。『ボイステック革命』のチャンネルがあって、そこに誘導していくというか。そこでいろいろと聞けるんですよね。これ、4月に僕が担当して出させていただいた、Voicyのトップパーソナリティのワーママはるさんの『ワーママはるのライフシフト習慣術』をつくったときも、章ごとに関連するはるさんの音声をVoicyのワーママはるさんのチェンネルに飛ばしていくということをやったんだけど、やっぱりというべきか、緒方さんはもう徹底していますね。チャンネルをこの本用につくっているわけですからね。
 
寺崎:なるほど。もう音声のLP(ランディングページ)みたいな感じですね。考え方としては。
 
森上:まさにそう! 発想としてはそういうことですね。ランディングページとしてもVoicyのチャンネルを使っているって感じです。マーケティング的な視点からしても、この取り組みは興味があるなと思います。
 
寺崎:なるほど。そういうの、ちょっと違ったかたちで真似したいですね。

視覚と聴覚、可処分時間の奪い合い。「ながら」インプットの時代へ

森上:そうなんですよ。音声に対するプラットフォームも、今混在しているじゃないですか。それこそ、我々はもうVoicyさんが一番いいなと思ってVoicyさんでやらせていただいていますけど、市場がこれから開拓していく中で、可処分時間の部分での「視覚から聴覚へ」っていうところの勝負に移った。この新しい時代、その争奪戦と言うかね。
緒方さんのこの本には「GAFAも狙う新市場争奪戦」というサブタイトルがついていますけど、これからどんどんどんどんいろんなチャレンジができる時代でもあるかもしれないですね。
 
寺崎:ツイッターが音声メディアを始めたみたいなのも、今年に入ってから……。
 
森上:ありましたね!
 
寺崎:出てますよね。
 
森上:出てますね。だから、この音声市場がどうなっていくのかは、今一番先端に行かれている緒方さんが実際にやられている中での知見と見解が書かれているので、これはぜひリスナーの皆さんにお勧めしたい1冊ですね。Voicyのリスナーさんだったら、読んでて、「あー、そうなんだ!」とか、結構自分事になりやすい内容にもなっていると思いますので、すごく楽しめると思いますね。でも、Clubhouseの盛り上がりは一時的なものに思えてきますけど、あれもまだわかんないですよね、これから。
 
寺崎:そうですよね。
 
森上:Voicyも、最近またライブ的な機能もついたりとか。
 
寺崎:ありましたね。
 
森上:ありましたよね。渡部さんは、ライブ機能を使った放送とか考えていますか?
 
渡部:そうですね。考えています。まだどういうかたちでやるかっていうのは明確ではないですが、それこそ「Clubhouseで公開収録して、Voicyにアップするとかどうですか?」みたいな話をしていたぐらいなので、Voicyさんでライブ配信機能があるのであれば、使うタイミングっていうのも出てくるんじゃないかなという気がしています。
 
森上:そうですよね。だから、それがアーカイブに残るか残らないかっていうところも含めて、ライブだけの良さとかそういったものもありますもんね?
 
渡部:そうですね。Voicyみたいにアーカイブされたものを自分のタイミングで聞くっていうのも1つですし、みんなで同じ時間に同じ体験を共有するっていうのも、どちらもあると思うので、うまく使っていきたいなという気がしますね。
 
森上:そうですよね。あと、AIスピーカーって、2017年、18年ぐらいのときに話題になっていましたけど、あれはもう定着したのかしら?
 
寺崎:どうですかね? 僕なんかは使ってないですけどね、まだ。アレクサとかでしょ?
 
森上:そう、うちの会社で買ったじゃない?
 
渡部:ありましたね。
 
森上:そう。渡部さんの近くにいつも置いてあったけど、ただの目覚まし時計にしかならなかった(笑)。
 
渡部:そう(笑)。活用できなかったですね。
 
森上:だから、あのあたりも、音声の価値をいろいろと感じられる本になっていると思います。あと実際に本でいろいろと実験しているという意味でも注目できる本になります。中身はもう本当に読んでいただいたほうが早いと思いますので、その仕組みとか仕掛けとか、そのあたりについてちょっと今日はお話ししてみました。
 
渡部:ありがとうございました。
 
寺崎:実際、オーディブルとかも去年すごく伸びたって聞きましたよね。
 
森上:言ってましたね! 他社さんも含めて、オーディブルのいわゆるダウンロードが結構増えたっていう話は聞きますよね。あれだけ「日本では流行らない」って、出版業界では言われていて、「アメリカは車社会だから」っていう、定番の言い訳みたいなのがあったじゃないですか。それが、ちょっと潮目が変わった感はありますよね。
 
寺崎:やっぱりYouTubeは目を奪われちゃうんだけど、何かしながら聞く文化っていうのが、生まれつつあるような気がするよね。
 
森上:「ながらインプット」ってやつだよね?
 
寺崎:うん。夕飯の準備しながらVoicy聞くみたいな。
 
森上:はい、はい。本当そうですよね。例えば、今はあんまりないのかもしれないけど、満員電車でスマホも見られない状況の中で、音声でインプットってね。それ、普通にやりますよね。それが当たり前になりましたよね。いわゆるユーザー側も、そこの有用性に気づき始めたって感じの市場になってきましたよね。
 
寺崎:そうかもしれないですね。
 
森上:それこそ僕はキングコング西野さんのVoicyチャンネルもよく聞いているんですが、西野さんが提案している映画の楽しみ方のもう1つの方法として、「映画館で副音声を聞きながら見る」っていうことができるとか、音声を使ったユーザーにとってプラスになるような方法だったりとか、そういったこともあるだろうし、発信する側は発信する側の可能性っていうのもあるし、両方に何かあるといいですよね。まあ、そんな感じでしょうか? ちょっと途中から「音声メディアの未来」みたいな話になっちゃいましたけど、本の内容っていうよりも。
 
渡部:今回は他社本研究ですけど、編集者の方って、たぶん紙の本だけをやるんではなくて、コンテンツにかかわるっていうところで、かなり仕事の領域が広がっていると思うので、必然な流れの感じがしますね、こういういろんなメディアで情報発信するというのは。
 
森上:本当にそうだと思いますね。一気に変わったと言うか。まあ、発信できる場が増えたっていうことですけどね。
 
渡部:そうですね。Voicyさんもそのうち、どこかの出版社でも買えばいいんじゃないかっていう気がしますよね。
 
森上:Voicyさんが出版社もやるっていう。我々のライバルになっちゃいますね。
 
渡部:なりえますよね、普通に。
 
森上:そういうことですね。
 
渡部:はい。それではよろしいですか?
 
森上・寺崎:はい。
 
渡部:今日は森上さんから【出版の裏側】他社本研究、第2弾ということで、緒方憲太郎さんの『ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦』についてお話ししてもらいました。それでは、今日はここまでということで、森上さん、寺崎さん、今日もありがとうございました。
 
森上・寺崎:ありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?