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子ども向け書籍で社会勉強をしています。

こんにちは。
フォレスト出版編集部の美馬です。

最近話題になっている国葬の問題。
政治に関心のない人にとっては、
「別にどーでもいいんだけどなー」
と興味もわかない話題になるのでしょうか。

つい最近までの私も多分、こんな感じでした。
なんてったって衆議院と参議院の違いもよくわかっていなかったほど。
政治や法に全く関心のない若者代表でした。

社会はけっこう得意科目だったんだけどなー。と思いつつ、
学生時代、必死に勉強したのに全く役に立たなかったことにガッカリしています。

さて、気を取り直して今日これから、社会のことってどうやって勉強するのがいいのでしょうか。
手っ取り早くニュースを見るのが1番かもしれませんが、ある程度のことを理解していなければ荒ぶるコメンテーターたちの話を理解することすらできないものです。

イチから知識を身に付けなければ! と思っていたところ、そんなときに読んでみたのが、『こども六法』(山崎聡一郎/弘文堂)です。

子ども向けの本だと侮るなかれ。これがまた、けっこうタメになるんです。大の大人でも、「え、そうだったの?」と初めて聞く知識がかなりあるようなんです。私を含め周囲の人間が浅学なだけかもしれませんが……(笑)

例えば、民法の任意規定とは何か?
学校で習った記憶は全くありませんが、『こども六法』では分かりやすく解説されています。

民法では、住民間できちんと約束ができるなら、条文と異なってもその約束を優先していいとされているようなのです。この決まりのことを任意規定と呼ぶようで、万が一、揉め事が起こった際にはこの任意規定が解決の指針となるとのこと。

しかし、すべての決まりを任意規定にしてしまうと、人に危害を与える約束や法律に触れる約束を押し付けられる、なんてことも起こり得ます。こういったことを防ぐためにあるのが、強行規定。例えば、以下の民法第90条がこれにあたります。約束や慣習よりも優先し、国民全員が守らなければなりません。

民法第90条 公序良俗
安心して暮らせる社会や平和を保つという観点からふさわしくないことを目的とする契約は、なかったことにします。

『こども六法』より

なるほど。こんなルールがあったのか、と恥ずかしながら23年生きて初めて知りました。しかも、刑法よりも民法のほうが複雑だと思うのです。モラルというのか……、お互いの価値観や認識の仕方によって良いほうにも、悪いほうにも転じてしまうところが恐ろしいなと感じてしまいます。

第93条から第95条も読んでみてください。

第93条 心裡留保
1項 本心では思っていない約束の提案をした場合でも、後からその提案をなかったことにすることはできません。ただし、お互いが明らかに冗談だとわかる場合など、相手が本心で提案をしていないことに気づいていたり、それを知ることが可能だったりした場合は、その提案はなかったことになります。
2項 約束をした人たち以外の誰かが、その約束を信じてしまった場合は、なかったことにはできません。

『こども六法』より

えーー?! 自分は冗談のつもりで言っても、もしも相手が信じていたら怖いですよね。しかも突然現れた第三者……。こんな話で陰謀に巻き込まれていく漫画があったようななかったような。

第94条 虚偽表示
1項 お互いに守るつもりのない約束を提案した場合は、その提案はなかったことになります。
2項 約束をした人たち以外の誰かが、その約束を信じてしまった場合は、なかったことにはできません。

『こども六法』より

これもわりと心当たりがあるんですよね。子ども時代、毎年のことながらマラソン大会で一緒に走る約束をしたのに結局順位を気にして抜かし抜かされ。当人たちの暗黙の了解ではあるものの、約束を聞いていた別の女の子が「あの子約束破ってたよー」なんて言いふらしていたこともありました。約束ってむやみにするものじゃないな、と子どもながらに思ったのを覚えています(笑)。

第95条 錯誤
1項 約束の提案の重要な部分に誤解があった場合で、その誤解が、契約の目的や約束をする上での常識から考えて重要なものであるときは、その約束の提案は取り消すことができます。
3項 誤解が約束の提案をした人の重大なミスによって起きたものだった場合は、基本的に1項の取り消しはできません。

『こども六法』より

1000円で売りたいと思った中古ゲーム品をフリマアプリで誤って100円で出品して、それが売れてしまっても、「売る人に重大なミスがあった」として取り消せないようです。うーん。重大なミスって一体どんなことなのかは気になりますが。

常識の範囲内っていう言葉もわりと難しいですよね。自分が常識だと思っていたことも案外他人にとってはそうではないこともザラにあります。これだから民法って複雑です……。

とは言っても『こども六法』のように、簡単に社会のルールを学べる書籍があるのは本当にタメになります。本当の意味で社会勉強1年目にはありがたいものでした。

民法のほか、刑法・刑事訴訟法・少年法・民事訴訟法・日本国憲法・いじめ防止対策推進法などについて易しく解説してくれているので、これからあらためて勉強したいと思っている人にもおすすめです。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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