ララ、どうしたの？

そんな顔して？
こっち向いて。

う、うん、
ちょっとね。

ちょっと、どうしたの？
心配しちゃうよ。

さみしかったの。

ごめんね、
かまってあげなかったからかな、
これから遊んであげるから許してね。

そうじゃないの、
かまってくれないからじゃないの。

じゃあ、どうしたんだい？

私、このままかな

このままって？

このまま、
ひとりなのかな？

ひとりじゃないよ、
お父たんもいるし、お母たんもお姉たんも
一緒じゃないか。

でも、

そんなに寂しそうな顔
しないで。

そうか、恋か、
思春期だから、恋がしたいんだね。

恋？

そう、恋！
それがきっと、心の穴を埋めてくれるよ。

そうなの？

そうだよ、きっと。

どうしたら、恋ができる？

難しい質問だな、
例えば、『縁(えん)、または、縁(えにし)』
という言葉がある。
みんなそれぞれ、目には見えない赤い糸のようなものでつながっていて、その糸の先に繋がった相手がそういう相手らしい。

そうなの？
じゃあ、私にも赤い糸が？

あるさ、きっと。

じゃあ、たぐってみるね、
その赤い糸を。

え？
その赤い糸を、
それは、、、

この赤い糸の先に
私とつながる運命の相手が
いるのね。

どんな方かしら？

ドキドキ

自分の耳にまで
鼓動が届いちゃうわ。

こんなに
ドキドキするの
久しぶりかも。

運命の相手さま
あなたは、どんな方なの
姿を見せてください。

あっ
糸が離れちゃった。

どうしよう？

ねぇ、お父たん
どうしよう
私、赤い糸を離してしまったわ。

大丈夫だよ
赤い糸は目に見えないんだから。

じゃあ、これは？

これは、ララたんのおもちゃだろ
遊んでたじゃないか。

そうだけど。

その赤いひもの先に
ララたんの相手が繋がってるわけじゃないんだ

そうだったんだ。

最初に言おうとしたんだけど、
あまりに一生懸命だったから、
言いそびれちゃって、
ごめんよ、ララたん。

ん、
わかった。

ねぇ、お父たん

なんだい？

目に見えない赤い糸
私にも繋がってるかな？

そうだね、
きっと繋がってるよ、
だから心配しないで、
『巡り合い』って言葉があるよ。

『巡り合い』？

そう、
長く求めていたものに出合うこと。
突然に起こることさ、
ララたんも巡り会うよ、きっと。

だから、元気を出してね！

うん、
ありがとう。

おしまい