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肩関節の制限因子と触診アプローチ【サブスク】

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肩関節の3肢位

肩関節肢位第1肢位(1st position)第2肢位(2st position)第3肢位(3st position)3つのポジション¹⁾²⁾に分けられます。

第1肢位は、肘関節90°、上腕下垂位で肩関節屈曲、外転ともに0°の肢位です(図1)。
第1肢位での回旋運動は水平面上の運動を表します。

図1 第1肢位(1stポジション)

第2肢位は、肘関節90°、肩関節屈曲0°、外転90°の肢位です(図2)。
第2肢位での回旋運動は矢状面上の運動を表します。

図2 第2肢位(2ndポジション)

第3肢位は、肘関節90°、肩関節屈曲90°、外転0°の肢位です(図3)。
第3肢位での回旋運動は前額面上の運動を表します。

図3 第3肢位(3rdポジション)

肩関節の運動方向

肩関節(肩甲上腕関節)は、多軸性の球関節であり3次元での運動が可能です。

関節運動には、屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋、水平外転、水平内転が定義³⁾されています(図4)。

図4 肩関節の関節運動

肩関節の基本肢位

肩関節関節包は、肩甲骨面上(水平内転約30°⁴⁾)、肩甲上腕関節20〜30°挙上、内外旋中間位で全ての部位の緊張状態が均等になる⁵⁾とされています(図5、基本肢位とする)。

図5 肩関節の基本肢位

上記の基本肢位下垂位外転位屈曲位での回旋角度の変化を比較することで、大まかに肩甲上腕関節の関節包や靭帯のどの部分の伸張性が低下しているかを推測することができる⁶⁾とされています。

肩関節のアライメントと軟部組織の伸長部位

下垂位での内外旋によって伸長される部位

 下垂位では、肩関節上方の軟部組織の柔軟性⁵⁾⁷⁾が関与します(図6)。

図6 下垂位での内外旋によって伸長される部位

外転位での内外旋によって伸長される部位

 外転位では、肩関節下方の軟部組織の柔軟性⁵⁾⁷⁾が関与します(図7)。

図7 外転位での内外旋によって伸長される部位

屈曲位での内外旋によって伸長される部位

 屈曲位では、肩関節後方の軟部組織の柔軟性⁵⁾⁷⁾が関与します(図8)。

 図8 屈曲位での内外旋によって伸長される部位

肩甲骨面上挙上位での内外旋によって伸長される部位

 肩甲骨面挙上位では、肩関節下方の軟部組織の柔軟性⁵⁾⁷⁾が関与します(図9)。

図9 肩甲骨面上挙上位での内外旋によって伸長される部位

水平内転位での内外旋によって伸長される部位

 水位内転位では、肩関節後方の軟部組織の柔軟性⁵⁾⁷⁾が関与します(図10)。

図10 水平内転位での内外旋によって伸長される部位

水平外転位での内外旋によって伸長される部位

 水位外転位では、肩関節前方の軟部組織の柔軟性⁵⁾⁷⁾が関与します(図11)。

図11 水平外転位での内外旋によって伸長される部位

肩関節のポジション別制限因子²⁾⁶⁾⁷⁾⁸⁾⁹⁾¹⁰⁾¹¹⁾¹²⁾

第1肢位での外旋制限因子

第1肢位の外旋では肩関節前上方が伸長されます。伸長される軟部組織には、棘上筋前部繊維、肩甲下筋上部繊維、腱板疎部、烏口上腕靭帯(前部・後部)、前上方関節包、上関節上腕靭帯(SGHL)、中関節上腕靭帯(MGHL)が挙げられます(図12)。

図12 第1肢位での外旋制限因子

第1肢位での内旋制限因子

第1肢位の内旋では肩関節後上方が伸長されます。伸長される軟部組織には、棘上筋後部繊維、棘下筋上部繊維、後上方関節包が挙げられます(図13)。

図13 第1肢位での内旋制限因子

第2肢位での外旋制限因子

第2肢位の外旋では肩関節前下方が伸長されます。伸長される軟部組織には、肩甲下筋下部繊維、前下方関節包、中関節上腕靭帯(MGHL)、前下関節上腕靭帯(AIGHL)が挙げられます(図14)。

図14 第2肢位での外旋制限因子

第2肢位での内旋制限因子

第2肢位の内旋では肩関節後下方が伸長されます。伸長される軟部組織には、棘下筋下部繊維、後下方関節包、小円筋が挙げられます(図15)。

図15 第2肢位での内旋制限因子

第3肢位での外旋制限因子

第3肢位の外旋では肩関節前下方が伸長されます。伸長される軟部組織には、大円筋、前下方関節包*が挙げられます(図16)。
上方関節包と記載の書籍・論文もあり。

図16 第3肢位での外旋制限因子

第3肢位での内旋制限因子

第3肢位の内旋では肩関節後下方が伸長されます。伸長される軟部組織には、小円筋、後下方関節包、後下関節上腕靭帯(PIGHL)が挙げられます(図17)。

図17 第3肢位での内旋制限因子

回旋筋腱板の機能解剖学と触診アプローチ

棘上筋の機能解剖

【棘上筋の解剖】¹³⁾
起始:肩甲骨棘上窩
停止:上腕骨大結節
支配神経:肩甲上神経(C4ーC6)
作用:肩関節外転

棘上筋は、前部繊維後部繊維に分けられます(図18)。

図18 棘上筋の繊維

棘上筋前部繊維は、大結節の最も高位にあり腱性部は長くて太くなっています¹⁴⁾¹⁵⁾。上腕骨内旋作用があるとされています。
棘上筋後部繊維は、筋性部であり表層を棘下筋が覆っています¹⁴⁾。

棘上筋停止部の一部は、小結節に付着する¹⁴⁾と報告されています(図19)。

図19 棘上筋停止部の解剖
14)より画像引用

肩関節外転運動時の棘上筋と三角筋の相互作用は、動作の安定性に寄与しフォースカップル²⁾と呼ばれています(図20)。

図20 腱板(棘上筋)と三角筋のフォースカップル
16)より画像引用

棘上筋の屈曲および外転作用¹⁰⁾は、上腕骨下垂位で最も大きく、屈曲および外転角度が大きくなるにつれてモーメントアームは減少します。120°屈曲位ではほとんど屈曲作用はなくなるとされています。

棘上筋の触診とアプローチ

棘上筋はその表面を僧帽筋中部繊維に覆われています(図21)。

図21 棘上筋の解剖図

棘上筋は、肩甲棘の上方をやや強めに圧迫することで僧帽筋の深部でコリっとした筋腹に触れることができます。

🎥棘上筋の触診とアプローチ

棘下筋の機能解剖

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