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【介護日記】#22 悲しんでいる暇はない


父が亡くなって、あっという間に2週間以上が経ちました。

無宗教の葬儀も簡素なものでしたし、初七日や四十九日の法要も行いません。

火葬場の空きがなく、火葬迄5日も待機となり、その間は何もできる事がありませんでした。

そのあいだに、これからしなければならないことを調べたりしていました。

忌引きは7日とれるのですが、1日有休を使わせてもらい先週いっぱい休ませていただきました。

◎火葬当日

火葬までにできることは、礼服を用意したり、親戚に連絡したりすることがくらいでした。

父の弟妹は近所に住んでいるため、連絡はスムースでした。

葬儀を行う方が多いためか午後の火葬は空きがなく、朝一番の9時となりました。

市営の火葬場は4か所あるそうですが、家から一番近い火葬場を予約してもらいました。

ずいぶん昔に祖父母が亡くなったときに利用した火葬場ですが、建て替えられて綺麗になっていました。

当時は煙突がありましたが、今はそういうものはないのが普通のようです。

私たちの他に3家族ほどの火葬があったようです。

お坊さんがお経をあげているご家族が1家族だけありましたが、あとは我が家と同じようでした。

火葬の技術は昔より進化しているようで、別室で待つことわずか1時間で焼きあがりました。

父は90歳ということもあり、体も小さくなっていましたし、乾燥していたので早く焼けたのかもしれません。

火葬炉から出てきた父は、頭蓋骨の形が全く残っておらず驚きました。

骨上げをした後、火葬場の方が、のどぼとけと、下顎、頭蓋骨の頭頂部の骨を見せてくれました。

全てを骨壺に納めていただいて終了となります。

ほんとうにあっとういう間でした。

亡くなってから五日後の12月3日(日)に無事に火葬を済ませることができました。

◎葬儀社は最低だった

施設から父の死を知らされ、一番最初にしたことは葬儀社への依頼でした。

妹が実家近くの2つのセレモニーホールに電話で問い合わせてくれ、おおよそのプランから「小さなお葬式」というところにつながりました。

本社から管轄の葬儀社に委託されたようで、そこから派遣されてきた方と施設で初めて会うことになりました。

遺体を引き取っていただくためと、今後の打合せのためです。

プランの説明があり、その場で費用の見積もりが提示されました。

そして突然「では、当日火葬場に払う費用17,000円を現金でお願いします」と言われたのです。

事前に妹が電話で問い合わせた時には何も聞かされていなかったため、驚いた私たちが

「そんなこと聞いていません」と言うと、

「そうでうか。でも、これは現金で支払っていただく必要があります」と事務的な返答があるばかり。

最近ではなんでも電子マネーやクレジットカードで支払えるので、現金を持ち歩くことは少なくなっています。

幸いこの日は持ち合わせがあり葬儀社の方に現金をお渡ししました。

しかし領収書も預かり証もありませんでした。

「領収書は当日火葬場から発行します」というだけです。

肉親の死を取り仕切るのは初めてのことですし、通常の判断力もなくなっていたときだったせいか、「なにかおかしいな」と思ったもののそのままにしてしまいました。

しかしこのことが、あとから「やっぱり」という残念なことにつながっていったのです。

プランを選び最終的な金額が出されたときに、こちらから「クレジットカードでの支払いはできますか?」と尋ねると

「当日、クレジットカードか現金か選べます」との回答でした。

その後、遺体を預けて火葬当日まで父の顔を見ることはありませんでした。


お別れに棺に納める花は自分たちで用意しました。

というのも、葬儀社の方にプラス3万円でお花を用意することはできるが、お盆にほんの少ししかないため、自分たちで用意したほうがいいと言われたからです。

控室用の茶菓子なども自分たちで用意しましたが、朝早い時間であったため手を付ける人はいませんでした。

控室で待っている間に、火葬場の方と費用の清算でした。

クレジットカードで支払おうとすると「現金のみ」と言われ驚きました。

火葬場の方が葬儀社の担当Hさんに電話をして、その場で話すことになりました。

すると担当のHさんは「そんなこと言っていません。私がそんなこと言うはずがありません」と言うではありませんか。

しかも笑いながら……。

スマホはスピーカーにして妹も参戦。

あの日、打合せには私と妹、妹の夫の3人が同席していました。

3人が3人ともはっきりと彼の言った言葉を聞いています。

それでも自分は言っていないの一点張りでした。

あの日、私たちは3人そろって狐に化かされたのでしょうか?

妹も激怒です。

本来なら、しめやかに死者を悼む時間なのに、悲しむ気持ちより怒りの感情の方が強く、とても疲れました。

◎火葬後にすべきこと

火葬の翌日からは、事務処理が目白押しです。

葬儀社から死亡届が出され、火葬が終わらないと何もできないことを初めて知りました。

父は後期高齢者であり、介護保険も利用していたため、まずは役所に各保健証書を返却するところからです。

コロナ以降、郵送での受付もできるようになりましたが、このほかに葬儀費用の補助金申請や年金手続き用の戸籍謄本の取得などもあるため役所迄出向くことにしました。

戸籍謄本は今は全部証明書というらしいです。

管轄の役所では平成20年からデータ化され、それ以前の手書きのデータを取得する場合はまた別の戸籍謄本をもらわなくてはならないそうです。

そしてこの手書きの戸籍は1通750円と高額でした。

戸籍謄本をもらうには本籍地が分からないと申請できないそうです。

昔からそうだったのでしょうが、戸籍謄本をとるなんて何十年も前のことですっかり忘れていました。

年金手続きや墓地の権利者の継承にも必要ですが、父の本籍など知りません。

昔住んでいたところではないかと思いましたが、違っており申請できませんでした。

そこでまずは私の戸籍から父との関係を示すものを取得し、そこから遡って父の戸籍を調べる必要がありました。

私が父の戸籍から抜けた時点の戸籍は手書きのため、父の本籍を調べるために750円支払うことになりました。

実は私は本籍を結婚当時住んでいたところにしており、これを機に本籍地を変えようと思っていたのですが、本籍地の住所もうろ覚えで時間がかかってしまいました。

こういうことがあるので本籍地を変えようと思った次第なのです。

お墓の継承のほか、生命保険の手続きなどでも窓口に行く私達姉妹と父との関係が掲載されていなければならず、結局戸籍の取得だけで5,100円もかかってしまいました。

ちなみに年金用に取得する分については無料でした。(自治体によって違うかもしれません)

年金の手続きは予約制で、12月下旬まで空きがありませんでした。

こちらの手続きは実家に近い私が行いますが、平日なので有給休暇を使うしかありませんね。

墓地の使用名義変更手続きも行わなければならず、石屋さんとの日程調整の末、火曜日に手続と納骨をすることができそうです。

まだまだ母の遺産相続の手続きなど、しなければならないことがありそうですが、なんとかなるでしょう。

しかし、疲れるなぁというのが本音です。

◎こんなときに仕事の方も待ったなし

忌引き明けの月曜日、出勤すると係長からメールが来ました。

面談のための自己評価と、来年度仕事を更新希望するかどうかを決めて、金曜までに提出しろというものでした。

自己評価はともかく、来年度の更新はかなり悩みました。

今年一年いろいろありすぎて心身ともに疲れていたこともあり、来年のことまで考える気持ちの余裕がありません。

木曜日には、係長が帰る私の後を追ってきて「明日までに出して」と念押しされました。

時間帯は変わらず、週四日にしてほしいと願い出ましたがそれは無理のようでした。

週の労働時間は同じで週四日にすることはできるけれど、同じ条件以外では継続を希望しないことになるのだそうです。

だからといって来年募集条件が変わる保証はないとも言われました。

そうなると改めて公募に応募し、他の応募者と同じ条件で選考にかけられることになります。

それはいいのですが、1日の拘束時間が長くなるのはイヤなのであとは今と同じ条件で継続するかやめるかの2択です。

改めて履歴書を書くのも面倒なので、おそらくこのまま継続するのが一番いいのだろうと思いますが

正直なところ、自分の年齢を考えると悩ましいです。

仕事は思っていたよりハードですし、ストレスも多い。

そして残り少ない人生、生活の不安はあるけれど、ストレスの多い仕事に追われて人生を楽しむ余裕もない毎日。

人生100年とは言っても、健康で自由に動き回れるのはあと何年だろうかと考えるようになったのです。

しかし期限は明日。

今年は本当に最後まで忙しない。

疲れた心と体で、正常な判断ができる気がしません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いまだに父が亡くなったといういう実感がわいていません。

娘も職場で事件があったようで1月に退職することが決まりました。

娘の心配はしていませんが、それにしてもこの一年我が家は事件続きでした。

そのせいなのか、最近突然イライラしていてもたってもいられなくなり、手足が震えてくるという症状に悩まされています。

癒しが欲しい今日この頃です。

明日から寒くなるようで押す。

お体に気を付けてお過ごし下さい。

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