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超短編小説

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小説家になりたい。昔の夢。 みんなのフォトギャラリーで超短編小説。
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転がる石ころ

転がる石ころ

チョンっと蹴った石ころは転がり続けるようにみえて、元いた場所のように止まる。
ずっと、そこにいたかのように。

悔しいので、ポンっと蹴っ飛ばす。
でも、やっぱり元いた場所のように止まる。

イライラして、バシッと蹴り飛ばす。
勢いよく弾け飛んだ石ころは、民家の塀にぶつかり、排水溝に落ちていく。

小さく下に届いた音が鳴る。

嬉しいような、悪いことをしたような気持ちで学校に向かって走り始めた。

喧騒の中で

喧騒の中で

クルマのクラクション。
うるさいなと思いながら歩く。

スレスレの横を通り過ぎる自転車。
あぶないなと思いながら歩く。

スマホをいじりながら歩く若者。
邪魔くさいなと思いながら歩く。

嫌な場所にきてしまったな。
違う場所を選べば良かったなと後悔する。

喧騒の中で、僕達は。

みんな何を考えながら通り過ぎていくのかな。
と考えると、そこまで悪くないなと歩く。