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子育て中、iDeCoをやるべきかどうか問題。フローチャートで解説してみる

『iDeCoって、やったほうがいいんですかね……?』
子どもがいらっしゃるお客様との面談で、8割くらいの頻度で聞かれる質問です。それに対する答えをnoteにまとめてみました。

子育て中、iDeCoをやるべきかどうかの判断基準

結論から始めます。

何にせよ、子育て中は「教育資金」が直近で必要になる大きな資金です。まずは、ここを確保しましょう。その後、老後資金としてiDeCoを活用するとよいです。

「教育資金が貯められているか?」の基準は『教育資金の目標額を立て、それに向けて計画的に貯蓄ができている』かどうかです。もちろん、手元に既にまとまった教育資金がある方もOKです。
文章で書いても伝わりづらいと思うので、超簡易的なフローチャートを作ってみました。

教育資金を貯められているなら、iDeCoやったほうがいいと思う。

ちなみに、専業主婦(夫)は、後述する拠出時の「所得控除」メリットがないので、同じ額をかけるならNISAにしておくのがベターです。

そもそもiDeCoって何?

iDeCoとは

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のこと。自分でお金を積み立てて運用し、60歳以降に受け取れる「年金」です。公的年金にプラスできる「もうひとつの年金」とも呼ばれていて、税制優遇メリットがあります。

厚生労働省HPより抜粋

似たものが企業型DCのマッチング拠出。こちらもiDeCoと同じく自分でお金を拠出し、税制優遇があります。

NISAとの違い

よくiDeCoと同時に話題に挙げられるのが「NISA」ですが、全く別物です。

iDeCoは年金のため、基本的には老後までは引き出せません。対して、NISAは単なる投資(が非課税になる制度)なので教育資金や住宅資金、車の購入資金など様々な目的で活用でき、いつでも引き出しが自由にできます。
※ジュニアNISAは18歳までの引き出し制限あり

また、税制優遇の性質も異なります。大きな違いは、拠出時の税制メリットです。
iDeCoは拠出した掛金が全額所得控除になるため、所得税や住民税の負担が減ります。加えて、運用益も非課税かつ受取時も控除が適用されるので、iDeCoは掛金の拠出時・運用時・受取時の3つのタイミングで税制優遇があるということです。
一方、NISAは税制面では運用益が非課税になるというメリットのみです。

iDeCoのメリット

何といっても、拠出時・運用時・受取時の全てのタイミングで税制優遇があることです。

  • 拠出時は、掛金の全額が所得控除所得税・住民税が安くなる
    →保育料は住民税所得割額で計算されているので、保育料も安くなる可能性があります!!

  • 運用で利益が出ても非課税
    →通常の金融商品では運用益に対し20.315%の税金が課されるところ、iDeCoは一切税金がかからない(これはNISAも同じ)

  • 受取時は受取方法に応じた控除の対象に
    →分割受取なら公的年金等控除、一括受取なら退職所得控除が適用

iDeCoのデメリット

デメリットというか、しっかり認識しておかないと後で後悔することになるかもしれない……という注意点です。

  • 老後資金以外の目的には使えない
    →原則60歳まで引き出せないため、老後を迎える前に必要な教育資金や住宅資金には使えません

  • 運用状況によって資産が減ることもある
    →一般的な金融商品に言えることですが、運用で増える可能性も減る可能性もあります(元本確保型の定期預金タイプを除く)

  • 手数料がかかる
    →国が進めている政策とは言え、事務手数料や管理手数料は必ずかかります

まとめ

制度そのもののメリット・デメリットは置いておいて、子育て中の方は「教育資金を計画的に貯められているかどうか」でやる/やらないを判断してほしいと思います。

iDeCoは目的が「老後資金」に限られるのが最大の注意ポイントです。iDeCoを教育資金に転用することはできませんが、教育資金は老後資金に転用することができます。

まずは教育資金をしっかりと余裕を持って貯めておいて、子どもが国公立の大学に進学した/大学に進学しなかった/両親(子どもから見て祖父母)の援助で大学行けた、など、結局教育資金を使わなかった場合、そのまま老後資金にスライドできるのです。

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