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会社を辞める前に。あなたの退職金はいくら?退職金収入のプランニング

会社員をしていると、会社を辞める時に『退職金』をもらえることが多いですね。

退職金は、高額になるケースがほとんどだと思います。

まとまった収入が見込めるので、定年退職、FIRE、いずれの場合も今後のプランに退職金を盛り込んで計算すると良いと思います。

例えば老後2000万円問題ですが(公的年金だけでは2000万円不足するというシミュレーション)人によっては退職金だけで半分の1000万を補える人もいるでしょう。あるいは2000万円全額賄える人もいるかもしれません(手取りは額面金額より少なくなるので要注意)。

退職金として将来いくらお金が入ってくるかある程度分かっているだけで、もやもやした不安は軽減されます。その結果として、趣味を始める余裕ができたり、今をもっと楽しめるという人もいるでしょう。


退職金もらえる?

退職金の制度は企業ごとによってことなります。というのも、退職金の支払いは法律で義務付けられているものではないからです。

もともとは、企業側が社員に定年まで働いてもらえるように、インセンティブとして導入されていたようです。
なので、退職金は、基本的には勤続年数によって増えていくのが一般的で、勤続30年以上になると格段と増えるイメージがあります。

企業によって制度が様々なので、例えば入社3年以内だと退職金がなかったり、一時金として一括で受け取る他にも、年金として毎年受け取ることを選択できる場合もあります。

・退職金は義務ではない。勤続年数が少ないともらえないかもしれない。
・企業によって退職金はぜんぜん違う。
・一括でもらう方法もある。
・毎年or 毎月少しずつ受け取る年金型を選べる場合もある。

まずは自分の企業の退職金制度を確認しておくのが良いでしょう。

退職金の相場

企業の規模によって異なりますが、以下のようなシミュレーションがあります。
※自己都合退社の場合
(出典:独立行政法人勤労者退職金共済機構

<勤続10年> 単位:円
社員数〜49人 1,036,000
社員数〜99人 1,198,000
社員数100人〜 1,237,000

<勤続20年> 単位:円
社員数〜49人 3,032,000
社員数〜99人 3,720,000
社員数100人〜 4,117,000

<勤続30年> 単位:円
社員数〜49人 5,666,000
社員数〜99人 6,894,000
社員数100人〜 8,381,000

もちろん、企業によってはもっとたくさんの退職金が支払われることも想定されます。

厚生労働省の調査によると、大企業(資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上)の場合、定年まで働くと平均約2000万円の退職金が理論上支払われる計算になります。(出典:りそな銀行

退職金の手取り額

退職金は、そのまま全額もらえるわけではありません。
一時所得として所得税がかかります。

一般的に、手取りの計算方法は、

1)(退職金収入ー退職所得控除額)×1/2 
2) ①に税率をかけて所得税と住民税を求める
3) 算出された所得税と住民税を①から引く

となります。

退職所得控除額は、
・20年以下=40万円×勤続年数
・20年超=70万円×(勤続年数ー20年)+800万円、です。


例えば勤続34年ぴったりで2000万円の退職金が支払われた場合、

70万円×(34年ー20年)+800万円
=1780万円
これが控除額になり、

2000万円−1780万円×1/2=110万円

課税所得が195万円以下なので所得税は5%、住民税は10%、
よって所得税55000円、住民税11万円。※復興特別税は含まない

手取りは2000万円ー16.5万円=1983.5万円となります。

1) 課税総所得は110万円 
2) 税率が5%であれば所得税55000円、住民税は10%なので11万円。※復興特別税は含まない
3) 2000万円ー16.5万円=1983.5万円


自営業で自分が役員の場合など、一般の会社員では考えられないレベルでかなり高額の退職金を手にした場合は、所得税は多くかかることがあります。

今後、退職金に起こるかもしれないこと

数年後には、手取りの計算が変わってくるかもしれません。
退職金控除の制度が変わろうとしているからです。

現在は、より長く働いた方が、そして特に20年以上勤続年数があった方が税金面で優遇されます。

退職所得控除額は、
・20年以下=40万円×勤続年数
・20年超=70万円×(勤続年数ー20年)+800万円

と、20年を超えると控除額が1年の勤務につき30万円上乗せされます。

この『20年超えると30万円上乗せ』をやめようという見直しが検討されているようです。

勤続年数が長い人ほど退職金の手取りが増える計算でしたが、これが変わる可能性がでてきます。

1つの会社に長くいる人って凄いよね、何か褒美をもらうべき、という動きが疑問視されているのかな、と思います。
長く勤務する=企業や社会へ貢献した功績が大きいとは一概に言えない時代なのかもしれません。

その他

育休や介護休暇で数年休んだ場合、勤続年数に含まれるかは気になるところです。
退職金の計算にこういった休暇中が含まれるかどうかは企業で判断することができるので、自分の勤務先の仕組みを知っておくと良いでしょう。
ちなみに私が働いている企業では育休中は換算されないと聞きました。

また、勤続年数の端数は切り上げするので、23年2ヶ月勤めた人は24年で計算します。もしタイミングを選べるのであれば、切り上げに有利になるタイミングを選びたい人もいるでしょうから覚えておくと良いかもしれません。


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