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【よくある勘違い】年収と課税所得の違いとは!理解することで税金対策ができる?

昇進や転職で年収が増えても「年収が上がると税率も上がりますよね?」、というようなご質問をいただくことがあります。

結論からお伝えすると適用される税率は「年収」ではなく「課税所得」によって決まります。よって、これは誤りだということです。

社会人として仕事をするなら、その2つの違いを知っておかないと損をしてしまうかもしれません。

なぜならば、違いを知ることでお金に関する知識を深めることができるため税負担を軽減できる可能性があるからです。

そこで本記事は、「年収と課税所得の違い」、そして「課税所得を減らす方法」について分かりやすく解説していきます。最後までお付き合いください。


年収と課税所得の違い

この記事の大前提ともいえる「年収」と「課税所得」の違いについて解説していきます。

まずは誰もが聞いたことがある「年収」から確認していきましょう。

年収とは

年収とは、1月1日から12月31日までの1年間に会社から支払われた総支給額(ボーナスも含む)のことをいい、「給与所得控除」「所得控除」が差し引かれる前の金額を指します。

また、年収は「給与収入」や「額面年収」と呼ばれることもありますが、どれも同じ意味として扱われます。

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課税所得とは

課税所得とは、税金(所得税・住民税)の対象となる所得のことをいいます。※課税とは「税金がかけられる」という意味。

年収から「給与所得控除」や「所得控除」を差し引くことで、課税所得が算出されます。

その課税所得に所定の税率(7段階:5から45%)を適用することで所得税を算出することができます。一方、住民税の税率は一律10%。

つまり、課税所得が高ければ高いほど納める税金が高くなるということです。

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「年収」と「課税所得」のよくある勘違

よくある勘違いとして「年収が上がると税率も上がりますよね」、というようなご質問をいただくことがあります。

これは誤りで、上述(課税所得とは:図を参照)のとおり適用される税率は年収ではなく「課税所得」によって決まります

所得税の速算表を見ていただくと「課税される所得金額」、つまり「課税所得」の金額により7段階の税率(5%~45%)に区分されているのが分かります。これを超過累進課税といいます。

自分に当てはまる「課税される所得金額」に「税率」を乗じた後、「控除額」を差し引きた金額が所得税となります。

たとえば「課税される所得金額」が500万円とした場合、

〈 所得税の速算表 〉
■ 500万円 × 20% - 42万7,500円 = 57万2,500円

所得税は57万2,500円ということになります。一方、住民税は一律10%なので50万円です。

参考元:国税庁「No.2260 所得税の税率

課税所得を減らす方法

課税所得によって税率が決まることは再三お伝えしました。

勘のいい方は既にお気づきだとは思いますが、課税所得を減らすことで納める税金を軽減することが可能だということです。

具体的に減らすには「所得控除」を活用するです。
所得控除とは、年収から給与所得控除を引いた金額からさらに差し引くということです。

この控除額が多ければ多いほど課税所得を減らすことができます。
つまり、適用される所得控除の種類が多いほど税金計算で有利となるので税負担が軽減されます。

よって、たとえ同じ年収でも課税所得が違うことで納める税金が違ってくるということです。

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所得控除は15種類

所得控除は全部で15種類あり、控除ごとに差し引ける「金額」や「計算方法」が定められています。

節税効果はそれほど高くないですが、すぐに実践できる控除としては、

  • 生命保険料控除

  • ふるさと納税(寄附金控除)

  • iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)

多くのサラリーマンの方は会社の「年末調整」を利用しているため、最も馴染み深い控除だと思います。

すでに取り入れている控除はあるとは思いますが、まだ行っていなければ、ぜひ活用していきましょう。

下図は控除を簡単にまとめたものです。
馴染みがないものもあるかもしれませんが、ぜひこの機会に、それぞれの名称と内容を確認し、自分に適用できるものがないかチェックしてみてください。

参考元:国税庁「No.1100 所得控除のあらまし

まとめ

皆さんがよく勘違いをされることが多い「年収」と「課税所得」の違いについて解説しました。

この記事をまとめると、

  • 課税所得により所得税率が決まる

  • 課税所得を減らすと税金(所得税・住民税)が減る

控除にはたくさんの種類があり、人によっては活用「できる」ものと「できないも」のがあります。まずは、自分が活用できる控除を把握することがとても大切です。

また、「税金は無知の罰金」という言葉あります。国はあなたのために何かしてくれるわけではありません。

そうならないためにも知識をつけ、そして実行に移すことで節税への第一歩につながります。

課税所得が減ると、手取りが増え、自由に使えるお金が増えます

そのお金を教育費や資産運用に充てて、将来に備えることも可能となります。受けられる控除はすべて受け、賢く節税をおこないましょう。

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