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出版前の本を読む方法(ネットギャリー NetGalley™) その2

🌟「ネットギャリー NetGalley™」を使うメリット

 無料で「ネットギャリー NetGalleyの会員となると、次のようなメリットがあると私は考えています。
・出版前の本を、ゲラ刷り等で最終原稿ではない場合が多いものの、無料で読むことができる。
・出版社(その本の担当部局や担当編集者)に、「フィードバック」としてその本の「レビュー」(感想だけでなく、提案などの建設的な意見)を、直接届けることができる。さらに、その中で出版社が「優れている」と採用したレビューは、「NetGalley会員レビュー」の中で公開してくれなど、出版社と密なつながりをつくることができる。
・「X(旧twitter)」「instagram」「LinkedIn」「Goodreads」などのSNSにレビューをあげることができる。(ただし「ネタバレ」は禁止)
・まれにだが、「レビュー」がその本の販売促進(WEBでの公開や、出版社配布のPOPや本の帯にある推薦など)に採用されることがある。(ただし無料が原則)

 一方、メリットではない面を挙げてみます。
・読むことができる本は、書店員が読む「プルーフ」ほど多くない。
・レビュアーには「書店関係者」「教育関係者」「SNSユーザー」(私はこれ)
などの種類があり、出版社の方針で読みたい本が「リクエスト」できなかったり「wish」(読みたいという希望)となる場合がある。
・無料で登録し読むことができる代わりに、レビューを提出しなければならない。(レビューの提出率が低いと、読みたい本に「リクエスト」しても出版社から認可されないことがある)

🌟ネットギャリーと出版社、読者(レビュアー)の関係とその流れ

 「ネットギャリー NetGalleyに登録している出版社は、講談社などの大手をはじめ多数あります。ネットギャリーがその出版社とレビュアーをどのようにつないでいるかを、その流れに沿ってまとめてみます。

① 出版社が出版前の本(ゲラ刷りなど)や一押しの本のPDFデータをネットギャリーに登録する。
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②ネットギャリーがその本をレビュアーに紹介する。
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③その本を読みたいレビュアーは、ネットギャリーに「リクエスト」を送る。
  ※レビュアーの種類によっては、出版社の方針(例えば「教育関係者のみ」など)で「リクエスト」できない本もある。
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④ネットギャリー経由で「リクエスト」を受け付けた出版社は、審査して承認する。
  ※「フィードバック」(その本の「レビュー」を送ること)をあまりしていない場合などは、承認されない場合もあります。
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⑤承認されると、レビュアーはその本を無料でダウンロードし、読むことができる。
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⑥読み終えたレビュアーは、「フィードバック」(ネットギャリーにその本の「レビュー」を送る)する。
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「レビュー」は出版社に送られ、その中から出版社(その担当部局や担当編集者など)が採用したものは、「NetGalley会員レビュー」として他のレビュアーからも読めるようになる。
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⑧出版社は、採用した「レビュー」をその本の販売促進のため使うこともある。

 先日、私が「レビュー」した本は100冊を超えました。それも、絵本から児童文学、文芸書、ミステリ、SFと多ジャンルです。好きな作家の作品や興味ある本を、完成原稿ではなくても出版前に読むことができるのは、とてもうれしいことです。(また、世知辛い話となりますが、「レビュー」を書く手間がかかるものの、完全無料で読めたことで、高沸し続ける「本ゲル係数」をある程度抑えられたという点でも、助かりました)

 次の「その3」では、「ネットギャリー NetGalley™」への登録の仕方を説明します。

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