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説明する力をつけるために意識すべきこと

人に物事を分かりやすく説明するのって簡単ではないですよね。私も説明するときはいつも苦戦してしまいます。自分の中では分かりやすくかみ砕いているつもりなのですが、相手にはいまいちピンときていないという経験をしている人も多いのではないでしょうか。

最近読んだ「東大思考」という本では、人に説明するときに東大生はどんなことを意識しているのかが詳しく書かれています。今回はその内容についてまとめていきたいと思います。

そもそも「説明がうまい」とはどういうこと?

具体的な内容を語る前に、そもそも「説明がうまい」とは何をもって言っているのでしょうか。説明がうまい人は、どんなところが長けているのでしょうか。
それは、相手の「既知」と「自分の説明」を結びつけていることです。
人は、自分の知らないことは到底理解できません。知らない言葉ばかりを羅列されても、「それって結局なんなの?」となってしまいます。
説明のうまい人はそれをよく理解していて、相手の「既知」に合わせて物事を説明することが出来るのです。
例えばスマートフォンを開発したスティーブ・ジョブズは、スマホを「携帯電話」と言ったのです。これは嘘ではありませんが、スマホで私達がしているのはネットでの調べ物やゲーム、動画視聴などがメインではないでしょうか。言ってしまえばスマホは「携帯電話」というより、「PC」といった方がしっくりきます。では何故スティーブ・ジョブズはスマホを「携帯電話」といったのか。それは、人々にとって「携帯電話」の方が多くの人にとって「既に知っているもの」だったからです。こうした「相手の既知」を捉えたプレゼンがあったからこそ万人に受け入れられ、スマホは世界的に大流行していったのです。

人間は知っていることからしか未知を理解できない

先程も述べたように、人は新しい物事を理解する能力はほとんどありません。全く聞きなじみのない言葉や前提の知識が無い状態では理解することは絶対出来ません。それでも私達がどんどんと知識を身につけていくのは何故でしょうか。それは、「未知のもの」を「自分の知っていること」と結びつけているからです。例えばポケモンで、ピカチュウしか知らない状態でいきなり「ピチュー」とか「ライチュウ」と聞いても、全くピンとこないと思います。しかし、ポケモンは進化するという説明を受ければ、「ピカチュウの進化前がピチューで、ピカチュウの進化形がライチュウだ」と、ピカチュウから結びつけて理解することが出来ます。このように、「未知のもの」を「自分の知っていること」と結びつけて考えると、理解が格段に早くなるのです。

説明がうまい=例がうまい

そして相手に説明するときは逆に、例えを出して相手の知っているものに結びつけることで理解することが出来ます。最も分かりやすいのは、「たとえば」という説明の仕方です。アインシュタインは相対性理論を説明するときに、「同じ1時間でも好きな子と話すと短く感じるだろう?それが相対性理論だ」と説明したと言われています。相手にも理解されやすい説明をするためには、誰もが経験したことのある具体的な例、想像しやすい簡単な例を用いて説明することが大切です。

まとめ

ここまでの内容をまとめると、以下になります。

①人が物事を理解するためには、「自分の知っているもの」と結びつけることが必要
②人に物事を説明するときには、「相手の知っている既知の情報」と「自分が説明したい未知の情報」を結びつける必要がある
③「例」がその代表例で、例えがうまければ説明がうまい

説明がうまい人はこうした力が備わっているわけです。こう見ると、「例」を用いることがいかに重要かが分かります。ではその「例」を見つけて説明する力はどうすれば身につくのでしょうか。それは、「目的思考」というものです。次回はその内容についてまとめていきたいと思います。