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気がついたら、「結婚して」と言っていた


まず、本当の話です。笑

そして、冗談ではなく、本気です。



私は人生のうちで、結婚したいと思った事がありませんでした。

元彼と付き合っていた時は、交際期間が長かったのと、若かったので、「このまま付き合ってたらそのうち結婚するのかなあ」
と考えたことはあります。

結婚したい、という欲望、願望よりは、流れ的に?みたいな。


そして、今付き合っている彼女とは、「法的には」結婚することはできません。同性なので。

そして少し前まで、もし仮に日本で同性婚ができるようになったとしても、彼女と結婚したいのかどうか、それもわかりませんでした。

彼女の方も、よくわからない、と言っていました。
(お互いずっと一緒にいたいという気持ちはあるものの、それが結婚とイコールにはならない感じ)



きっかけとなった事柄が3つ、ありました。


最近、一緒にお風呂に入っていた時、
どんな流れでその会話になったのかは忘れてしまいましたが、
「もし結婚できるとしたら、私と結婚したいと思うか」
という質問を彼女にしました。

私は「わからない」と言われる前提でその問いかけをしました。
ところがどっこい、彼女は、
「うん、したい。」
と言ったのです。


あれ?なに?心境の変化?と、プチパニックにはなったものの、もちろん嬉しくは思いました。


彼女的には、
前は同棲もしていなかったし未来を想像する事ができなかった。でも今はこうして一緒に暮らして、生活をして、少なくとも現状維持はできるから、未来が見えるようになったんだと思う。
との事でした。


確かに、とは思ったものの、私はその場ではやはり「私はやっぱわからないなあ」と答えました。

そしてその数日後に、私たちは同棲してからは初めての、1泊2日の旅行に出かけました。1日目は東京ディズニーシー、2日目は藤子F不二雄ミュージアムに行きました。

誰得情報でしかありませんが、私はドラえもんが好きです。

そんな私の押しで、2日目の藤子F不二雄ミュージアムは決定しました。

そこには先生の数々の言葉も、展示されています。

その中の言葉です。

ドラえもんはあくまでも空想であって、哀しいかな現実にはいないんです。ですが、結果として、人間はなんらかのトラブルにぶつかって、いろいろな悩みから切り抜けていくことで成長していく。それが大多数の人間の在り方ですよね。ドラえもんのようにまとまった形での助っ人は存在しないけれども、様々に助けてくれる人がいたり、そういう状況があったりするものなんです。
だから、ある意味で、ドラえもんはどこにでもいると、そう言っていいと思うんです。

藤子・F・不二雄


この言葉を受け、私はすぐにその場で彼女を指差しました。それくらい、私にとってのドラえもんは、彼女だったのです。


旅行から帰宅した翌日は、2人ともお休みをとっていたので、家でゆっくり過ごしていました。
夜、新シーズンが始まっているおっさんずラブを一緒に見ました。

※ここからおっさんずラブ第2話のネタバレあり


田中圭演じる春田と、林遣都演じる牧のカップル。前シーズンのラストでは、ずっと一緒にいてください!!!はい!!!で終わったと思うのですが、今シーズンは最初から同棲してます結婚してますで始まりました。
おや?とは思いましたが、そういう設定なのかなと思った程度でした。

ですが2話の中で、春田のお母さんが2人の家に遊びに来ることに。お母さんは2人の関係を友達だと思っています。そこで牧が、
「僕たちの結婚に法的なものはない。だからこそ、お母さんにはきちんと説明したいんです」 (セリフは曖昧です、ごめんなさい)
と言うのです。
……あ!別に同性婚が認められてる世界線の話じゃなくてリアルと一緒なのか!ただ2人の間で結婚を決めていて、それを周りもそう受け入れている、ということか…!と気づきました。 

それから1日、私は結婚について考えていました。


確かに、今の環境では結婚したくても結婚できない。でも、2人の間でそう決めることはできるのか。
何が変わるわけでもないと思うけど、一生一緒にいたいと思うなら、それを結婚と結びつけてもいいのでは…?そしてそれを彼女も望んでいるなら、それを伝えても良いのでは…?


そしておっさんずラブを見た翌日。
仕事から帰宅し、ご飯を食べ、お風呂に入り、ドライヤーで髪を乾かしていました。

そして髪を乾かし終えた後、ドライヤーを置き、

「ねえねえ、〇〇えもん、結婚して?」

※〇〇には彼女の名前が入ります。笑

と言っていたのです。

彼女は、
「…え?笑」
「それは〇〇えもんと?それとも〇〇と?笑」


「笑笑 〇〇えもんである〇〇と」


こんなにさらっと言えるとは自分でも驚きました。

言うなればプロポーズ。
プロポーズの言葉はとんでもなく意味がわからなくダサくなってしまいましたが、それもそれで私たちらしいかと。

彼女は泣いて喜んでくれました。

そして、
「うん、結婚しよう」
と言ってくれました。



私にとってピンチの時に助けてくれる、助けを呼ぶのは、もう親ではない、彼女なんだ。

決め手は藤子F不二雄先生の言葉。


泣き腫らした顔で彼女が笑って言いました。

「よかった、ドラえもんミュージアムに行って」

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