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誤字脱字警察


 本を読んでいると、たまに「嘘だろ!?」と思うような誤字や脱字と出くわすことがある。

 その本の筆者によるタイプミスというのが大抵の原因であろうが、私はそれらが校正されずに普通に世に出版されているという事実に驚きを禁じ得ない。




 私はnoteの記事を投稿する際、必ず公開前に最低1回は自分の目を通して誤字や脱字が無いかをチェックするようにしている。


 文章というのは本来、「読者に読まれる」という行為を通して初めて文章としての真価を発揮するものだ。


 そうであるからには、「読者に読まれ得る文章を書くこと」が筆者としての責務であり、自分が書いた文章であるからには自分自身がその責任を持たなくてはいけないというのが私の"文章哲学"である。


 筆者はまずその文章の第一人目の読者でなければならない、という言葉があった気がするが、これは非常に当を得ているのだ。
 読者としてその文章をしっかり読めないと、まずその文章は文章として成立しない。



 先にも述べたが、私は自分が書いた文章はたとえそれがどれほどくだらなく、取るに足らない内容のものであったとしても必ず読み返し、誤字や脱字が見つかれば徹底的に改稿する。

 このnoteを定期的に読んでくださっている愛すべき酔狂な読者諸賢ならおわかりだと思うが、くだらなく馬鹿っぽいことを書いても、誤字や脱字があればそもそも「馬鹿っぽいことを書いているな」ということが伝わらない。

 まあ厳密にいえば「あえて故意に馬鹿っぽいことを書いて真面目さとユーモアのバランスを計略的に配分しているな」ということが伝わらない。

 決してナチュラルに馬鹿なことを書いているわけではない。何故なら私は馬鹿ではないから。馬鹿でもないし阿呆でもない。

 しかしこうして執拗に自分は馬鹿ではないことをアピールしていると逆に馬鹿っぽく見えてくるような気もする。馬鹿のゲシュタルト崩壊は馬鹿にしか起こせない。じゃあ結局馬鹿なんじゃないか。


 馬鹿だから話が逸れた。すまない。



 ここまで偉そうに誤字や脱字には最大限気を遣っていると述べてきたが、文章を構成するための重要な要素である「文法」や「文体」に関しては未だ修練中の身である。

 だから誤字や脱字はないにしても、文法的に拙い部分や違和感を感じる部分はまだ少々見受けられるかもしれない。それに関してはどうかご容赦願いたい。

 テーマの構成や流れに関しても、現状筆者の頭の中にある思考を放流的に垂れ流しているだけなので、段落ごとの因果性やシームレスさが希薄になりがちであり、読者諸賢にとっては読み辛い部分もあるかもしれないが、暖かく見守って頂けると幸いである。
 読者側に立つとなんでお前の成長を暖かく見守らなきゃいけないんだよという話ではあるが。





 まあともかく、そんなわけで私は誤字や脱字が野放しにされている本に遭遇すると非常にやるせなくなってしまう。


 どれだけ良い内容のことがその本の中で述べられていようが、またその小説の中でどれほど素晴らしい物語が紡がれていようが、誤字脱字があるというその事実だけで書籍の魅力、価値は3割ぐらい減じてしまうように感じる。


 せっかく筆者がエネルギーを込めて書いたものを、ただ誤字や脱字があるというだけでその価値を損ねてしまっていいものだろうか?


 誤字や脱字をそこまで気にして神経質にならなくても意図が汲めれば問題ないじゃん、という意見もあるだろうが、う~んナンセンス。非常にナンセンスだと断罪せずにはいられない。

 再三述べるようだが、文章は正当に読まれてこそ文章として成立するのだ。誤字や脱字をされたら文章が泣く。この哲学はどうしたって譲れない。

 だからnoteの記事などに関しても、誤字や脱字がなされたものを私はあまり信用しない。

 言っちゃ悪いけど、私は平気で誤字脱字をそのままにして投稿するようなクリエイターの有料noteを購入する気にはならない。あくまで個人的にはの話だ。別の哲学を持って誤字脱字を許容するというのなら否定はしない。しかしその代償は高くつく。と私は思う。知らんけど。
 ちょっと気取って学者然とした文章を連ねてみたら驚くほど中身のないというか自分でも意味のわからないことを書いてしまった。でもしょうがない。馬鹿だから。




 というか大体、私みたいな素人やアマチュアライターがこぞってやっているnoteみたいなプラットフォームならまだしも、どうして世に出る商品、すなわちその道のプロが少なからず関わっている書籍にも誤字脱字が散見されるのだろう?


 出版社の校閲が疎かになっているからだろうか?忙しさにかまけて誤字脱字を見落としてしまっているから?


 私がもし出版社の校閲部門で働いていたなら、どれだけ忙しくても、たとえ睡眠時間が3時間でも30分でも、レッドブルを30秒間隔で延々と飲み続けなければならないほど過酷な環境下に置かれていたとしても、きっと誤字や脱字を見落とすことはないだろう。


 何故そう言い切れるかって?


 今まで幾千もの文章を読むことでしか生きてこられなかった馬鹿だから。




 そんな馬鹿から出版社への忠告。


 約6年前、私の就職活動中に校閲部門で私を採用しなかった面接官たちよ、貴殿らは図らずも『誤字脱字警察』という世にも厄介なモンスターを生み出してしまった……。


 校閲を疎かにして誤字脱字のある書籍を世に流通させてしまうことだけでなく、この私を『誤字脱字警察』という存在に変貌させてしまったこともまた、貴殿らの重大な過失……ッ!


 これ以上出版不況を助長させてしまうような罪を背負いたくないというのなら、二度と誤字や脱字のある書籍をこの世に流通させないよう、ちゃんと給料に見合った校閲・校正を行うよう肝に銘じておくが良い。






 いや、結局ただの「面接で落とされたやっかみ」じゃねえか。




おわり

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