仕事中のBGMはラジオを流していることが多い。AMラジオ。

TBSラジオが好きで、早朝の生島ヒロシから始まって、伊集院光、ジェーン・スーと流しっぱなしな日も。森本毅郎はその日のボヤキ度合いによって聴いたり聴かなかったり。

伊集院光の番組「伊集院光とらじおと」の中に、いわゆる子ども電話相談室なコーナーがある。ちびっこの疑問質問に大人が回答しちゃおうと。

まず、伊集院が質問者の名前と年齢をたずねる。そしてその子の名を呼びながら投げかけるのが「今どんな気持ち？」。

たずねられた子は「ドキドキしてる」とか「嬉しい気持ち！」とかいろいろ答える。どの子も案外と物怖じせず、ハキハキと答えているのが印象的。大人だと口ごもりそうな質問なのにね。

本題に入る前に気持ちを確かめようっていうのは、おそらく、電話の向こうの子に「今、ここ、私」をつかんでおいてもらおうとするものだと思う。気持ちというのは「今、ここ、私」に存在するからね。

大人になるにつれ、気持ちよりも思考を大切にするようになる。問題を解決したり危険を回避したりするのに役に立つからね。未来を予測したり過去を思い起こしたりして頭を回転させる。

未来や過去のことばかり考えているうちに、自分が何者なのか見失っちゃう人もいる。自分は誰で、何のために生きているのか。自分は今しあわせなのかそうでないのか。

大人にこそ「今どんな気持ち？」って問いかけてやる必要があるんじゃないかと、ラジオを聴きながら。

今ですか？　うーん、あえて言うなら「少し寂しいような、やさしいような、シュワシュワした気持ち」だよ。