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ほしい気持ちとどうつきあうか

#20230505-96

2023年5月5日(金)
 ゴールデンウィークの4日、5日の2日間。私はノコ(娘小4)にイベントを用意した。
 それはひとえに連休中もむーくん(夫)が仕事のため、3人でどこかへ行くことは無理なので、ノコに何か日常と違う体験をさせたかったからだ。
 正直、一緒に暮らしてもうすぐ4年目になるが、私はまだノコと2人きりの外出は苦手だ。
 習い事の送迎はだいぶハードルが下がった。
 少し遠い児童相談所に行くのは、ちょっと頑張らねばならない。
 行った先で何があるかわからないイベントへのお出掛けは、かなーり頑張る。

 1人のとき、私はぽやぽや歩いている。
 そんな私がノコとの外出時は人にぶつからないよう人との距離を考え、車の動きにも気を付け、足元の段差に気を配り・・・といったことを自分とノコの2人分せねばならない。1人分の範囲でよかったポンコツレーダーを無理矢理2人分に範囲を広げて稼働させている感じだ。
 それなのに、始終ノコが「ママママ、ママママ」と話し掛けてくる。
 つないでいる手がいきなりあらぬ方向へ引っ張られる。
 頭も体幹もぐらんぐらん揺さぶられるのだ。

 すんなりトイレに行かないノコのトイレ問題もある。
 外食は、食べられるものや量がわからないのに「これ食べたい」と意地を張るノコに疲弊する(いい張ったのに実物を前にすると残す)。

 これらはむーくんが一緒だと一気に軽くなる。
 道順や時間配分はむーくんにまかせればいい。トイレもむーくんがひと睨み、もしくは茶化ちゃかせば、ノコは行く。万一トイレに間に合わず失敗したとしても2人いれば、街中であればどちらかがファストファッション店へ着替えを買いに走ることもできる。
 外食もノコが残したものをむーくんが食べてくれるし、食の好みが合う2人は上手にシェアできる。
 むーくん「さまさま」だ!

 今回、2人きりでの外出先で参ったのは、ノコの「買って!」「買ってください!」の物欲主張だった。
 事前に臨時のお小遣いも渡し、この範囲で買うよう伝えてあったにも関わらず「足りない」「買えない」と現地で不満を爆発させた。
 さすがに幼児ではないので、ひっくり返って手足をバタバタさせ、「買って買って~」と泣き叫びはしないが、ドンと足を踏み鳴らして私を睨み、動かない。
 お金は限りがある。なんでもかんでも買うわけにはいかない。
 それは子どもだけではない。大人だってそうだ。
 「買いたいんだね。その気持ちはママもわかるよ。でも、金額が足りない。その場合は、大人だって我慢するんだよ。諦めたり、次までにお金を貯めたりする」
 「嘘だね。ママには私の気持ちはわからないよ」
 うーん、本だと子どもの気持ちに寄り添えば、満足し、次に続く話を聞き入れる。
 ここでバッサリ拒まれるやりとりは例にない。
 「パパとママだって、お出掛けした先で何が売っていて、ノコさんが何をほしがるかわからない。わからないなかで、渡せる金額を決めているの。お金はいくらでもあるわけじゃない」
 「どこでほしいものがあるかわからないじゃん!」
 「そうだね。大人だって同じだ。我慢したり、今度買おうと頑張ったりする」
 「ふぅん、ママは我慢できるんだね。私はできないから
 よくもまぁ、できないことを堂々と宣言する。
 「ここでしか売ってないんだよ。今度はないじゃん。買って!

 ああいえばこういうノコを1人で相手していると、めまいがしてくる。
 むーくんがいれば、分散されるので助かる。また2人でこっそり愚痴もいえる。
 動かないノコを焦らず待っていられる。

 結局、ここでしか買えないことを強く主張したノコは、10歳の誕生日プレゼントにし、それを手に入れた。
 早生まれのノコの誕生日はまだ半年以上先だ。それこそ、それまでに「もっとほしいもの」と出会う可能性のほうが高いのではないか。
 口約束だと簡単に「そんなこといっていない」といいだすので、帰宅したら「10歳の誕生日プレゼントはもらいました」と一筆書いてもらおう。

 「ママ、これはパパとママからのお誕生日プレゼントでしょ。じぃじとばぁばからのお誕生日プレゼントはどうなるの?」
 「それは別だから、贈ってくださったら受け取っていいよ」
 コロナ禍でだいぶ会っていないし、赤ちゃんから成長を見守っていないせいか、ノコの存在感は実は薄い。じぃじとばぁばが忘れず贈ってくださるかは怪しい。
 「ただじぃじとばぁばが忘れなかったら、ね」
 そう付け加えると、ノコが叫ぶ。
 「忘れるなんてことあるわけ! 最低!

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